今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

神田川を歩く2:馬場〜下高井戸

2016年10月02日 | 川歩き

東京の中心部を貫通する神田川に沿って下流から遡る散歩の第二弾(→前回の記事)。

前回の終着点である高田馬場から出発する。

まずは駅構内のそば屋でぎんなん入りの天ぷらそばを食べて、これからの燃料を補給。

駅から北西の道に入り、神田川に向かう。

馬場の鉄道橋の下だけは川幅が狭くなっているが、そこ前後の通行不能地帯から最初に川を渡れる清水川橋からは再び広くなっている(以下、下流から遡行してきた場合の表現)。
といっても清水川橋は渡ると遠回りになるので、 東京富士大学脇の田島橋(橋の由来が解説してある)を渡る。
このあたりも依然川沿いの道がないので、橋ごとに渡り返す。 

落合橋を南(戸塚)から渡り、神田川を離れて北に向かう。
そこには妙正寺川が西から流れてきて、神田川に合流しそうな所で暗きょに入っているのだ。
なるほどここは「落合」。 
それぞれ西から並行して流れてきた妙正寺川と神田川が落ち合う地形なのだ。 

妙正寺川は以前、水源の妙正寺池から環七まで歩いて中断したままで、そこから下流に足跡を残していない。
ここ落合の暗きょがゴールになるのだ(いつかやらねば)。 

さて、神田川に戻ると、新堀橋から川沿いの歩道が始まる。
歩道を管理している新宿区の案内板を見ると、ここから中野区境までずっと歩道が続いている!
つまり、高田馬場周囲を除いて、江戸川橋からずっと川沿いの歩道があるのだ。

 川を見ると、水は澄んでいるが、川床はコンクリで魚影はおろか植物の気配もない。
川というより水路(といって、舟もなし)。 

広い道路が合流している小滝橋を過ぎ、中央線の東中野の鉄橋をくぐる。
行く手に西新宿の高層ビル群。

鉄道の感覚では、東中野は新宿の先なのだが、地理的には、東中野は馬場と新宿の間に位置する。
そして「淀橋」を渡る。
あの「ヨドバシカメラ」の発祥地である淀橋はこの神田川に架かっているのだ。
ここからは西新宿の高層ビル群が指呼の間(写真)。
神田川は今でも東京都心の脇を流れているわけだ。

中野区に入り、山手通りに達し、すこし脇に「成願寺」という目立つ寺があったので、寄り道してみる。
この寺は、中野長者という室町時代の長者が建てた寺で百体観音(西国、坂東、秩父)を祀ってある。
中野といえば新井薬師近くに”百観音”(明治寺)があり、ここを合せれば二百観音になる。
中野区は隠れた観音霊場だ。

山手通りに架かる長者橋から再び川沿いの歩道に入る。
2つめの桔梗橋からは神田川の下流の向こうに都庁の双子ビルがそびえている(写真)。
今日の区間に限っていえば、上流から歩いた方が眺めがいい。 

さらに川沿いを進むと、コンクリのビルの1階に神社があった。
八津御嶽神社という。
入ってみると、自動チャイムが鳴って、家の人が出て来た。
個人宅と神社の社殿を兼ねた建物だ。
せっかくなので参拝を申込み、靴を脱いで2階に案内される。
室内の拝殿に向かって参拝する。
神社本庁系の神社と異なるが、かといっていわゆる御嶽系でもない。
詳しく尋ねなかったが独立した宗教法人という感じ。

珍しく赤い欄干に擬宝珠(ギボシ)がついた橋に出くわした。
中野新橋という。
脇の公園にある解説によると、地下鉄の駅ができた時の橋を再建したものというが、こういう形にしたということは付近にそれなりの社寺があるはず。
タブレットの地図で確認すると、氷川神社がある。
氷川神社といえば、埼玉の大宮に本社がある武蔵国の鎮守。
ここのは末社の1つだが、 格は高い。

氷川神社に詣でて、さらに進むと川幅は半分以下に狭まる。
しかも川沿いの歩道もなくなる。
川への関心が薄い現われだ。
実際、町全体が川に背を向け、邪魔に感じているようす(写真。左側のトラックの尻が川にはみ出ている)。
その状態のまま、中野富士見町に出た。
ここの先に、神田川と善福寺川の合流点があり、善福寺川の歩きの出発地点だった(→善福寺川を歩く)。
川沿いの歩道こそ復活したが、狭いコンクリの川床に押し込められてなおざりにされている神田川を見るのがつらい。

善福寺川畔の大宮八幡に関係する多田神社(清和源氏関連)に寄り道し、中野区から杉並区に入ると、川が一変した。
川幅が新宿区の頃のように広がり、しかもそれとちがって川床がコンクリでなく自然の石などになっている。
川には、藻がたっぷり生えて、なんと藻の間に大きな鯉が泳いでいる。
さらに、アオサギなどの大きな水鳥も水中に出入りしている。
つまり、急に自然の生きた川になったのだ。

はっきり言わせてもらう。
これが中野区と杉並区の違いだ。
妙正寺川の時もそうだった。
下流の新宿区も神田川を大切にしていた。
中野区だけが…
とにかく杉並区にはいって川歩きが再び楽しくなった。

川畔の「釜寺」にも立ち寄った。
永福付近も周囲に緑が多くていい感じ(写真)。
このいい感じの所が、馬場から水源までのほぼ中間地点で、京王線が最接近して駅にも近い。
つまり、切り上げるには、そして再開するにはここしかないという所。
正直、歩きも限界だった。

京王線下高井戸の駅前は、私鉄沿線らしい雑然とした雰囲気。
西友で、イカの握りを買い、通りのベンチに腰かけて、ノンアルコールビールで流し込んだ。
次回は、ここ下高井戸から出発する。→次回へ



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