今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

トートリュックの欠点を補うグッズ

2018年07月29日 | 生活

私が”究極のアイテム”と認定した「トートリュック」(リュックになるトートバッグ)。
その長所については、その記事で述べたが、夏になってリュックと共通した欠点が露呈した。

背中が蒸れるのである。
いや蒸れるどころか、背中が汗でびしょびしょになる。
これはリュックが背中と密着し、しかも背中は本来その広い面を利用して発汗による体温調整の場になっているため、密着面が汗でべっとり濡れるためである。

登山をやっていた時は、この欠点といつも直面していた。
登山中の休憩後、濡れた背中に塗れたリュックを背負う時のあの不快な冷たさ。
登山中の不快な背中の熱さと合わせて、リュックを背負った時の背中は、登山中に感じる不快の双璧をともに経験する。 

最近の登山用リュックはその点が配慮され、素材と形状で背中のベトついた密着を軽減してくれている。

ところが、街用のトートリュックは、リュック部分が付け足しである製品が多いのでそのような配慮がまったくない。 

そこで、この問題を解決するアイテムが別途必要になる。

それは、リュックと背中の間に挟むメッシュの板状アイテムで、しかもUSB給電で作動するファンがついている。
メッシュ状の挟むアイテムは登山用としてすでに存在していたが、それにファンがついて強制的に風を通す製品は、さすが、秋葉のサンコーレアモノショップならでは。
もちろん外付けバッテリが必要だが、4000 mAhほどのコンパクトなもの(1000円ほど)で充分。

本体のUSBケーブルとの位置関係で、バッテリはズボンの右ポケットに入る。
ファンの回転が必要ない電車内などではポケット内でケーブルを抜けばいい。
ファンを回さなくても、メッシュ板が強制的にリュックとの間に空間をつくっているので、それだけで通気性は確保される。
ただ、通気性は確保されても、背中は上述したように本来的に汗が出る場なので、背中の汗を0にするほどではない。
それだから、ファンの向きを上向きに固定するのではなく、背中側に向けてくれたらなお良かったのに。  

この商品2980円で、取り付けも汎用なので、私が持っているすべてのトートリュックに装着できる。
東京用と名古屋用と2つ買った。 

サンコーレアモノショップリンク貼っとくけど、今日の時点で商品が見当たらない。完売したかな。


熊谷、日本一に返り咲く!

2018年07月23日 | お天気

最低気温が30℃だったので、今日は暑くなると思っていた。

まずは13時29分に東京の「青梅」が 40.8℃を記録し、本日のトップに立った。
東京といっても、奥多摩の山の麓である青梅はここ数日調子がよく、 関東でも上位に立っていた。
記録時は北東風1.6mで、西(奥多摩)風のフェーンでなく、風上は平野部しかもヒートアイランドとは無縁の方向。
風向は有利でないのに、よく頑張っている(高温要因が複雑なようだ)。

そして13時40分に、本命「多治見」(岐阜)が40.7℃を記録。
今日は東京より名古屋の方が暑くなる(39℃)と予想されていたので、多治見なら40℃を超えると思っていた。
まだ13時台で、風向は多治見が日本一になった時と同じ西風(西側に山がある)。
青梅に少し足りなかったが、午後の伸びに期待したい。

14時14分には、なんと我が私設「本駒」(東京)が40.1℃を記録。
2015年8月7日に40.5℃を記録して以来の40℃超え。
青梅には及ばないが、都心部でもこの暑さなのだ。
ちなみに同じ私設の「日進」(愛知)での最高は37.8℃(13時56分)。
どうやら今日は東海より関東の方が気温の伸びがいい。

そして、14時23分、ついに、あの「熊谷」(埼玉)が41.1℃を出した。
それまでの江川崎(高知)が出した41.0℃の日本記録を更新する快挙!

その前回の日本一(40.9℃)は多治見と分け合ったが、今回は単独1位。
熊谷の名を再び全国にとどろかせることになる。 

ここ数年は、利根川の向いの「館林」(群馬)に押され気味だったが、今夏は調子が良かった。
北西風1mという点で、本来なら館林が高温になる風向での勝利。

その館林は、14時41分に、39.4℃を出すのが精いっぱい。
今夏は熊谷の敵ではない。
涼しい所に移設した影響が大きいようだが、今日は東風4.1mと不利な風だった(関東では東風は海風)。

残念ながら多治見は、有利な西風にもかかわらず、その後は伸び悩み、結局、7月18日の値と同じで終った。

心情的には多治見を応援していたが、熊谷の復活も、同じ関東人としては嬉しい。

だが、これで今年の夏が終ったわけではない。
むしろ勝負はこれからといえる。 


東京の最低気温が30℃!

2018年07月23日 | お天気

東京都心に近い住宅地にある我が私設「本駒」気象台によると、今朝の最低気温が30.0℃(5時22分)を記録した。
最低気温の最高記録である。

ちなみに、都心だが北の丸公園の森に囲まれたアメダス「東京」では、昨夜の最低気温は28.5℃(1時4分。なぜかその後2時、3時に30℃を超える)。

過去経験からみて、これは異常事態だ(今後は異常でなくなるかも)。 

もちろん、エアコンをつけて寝ているので、この外気温を知らずに済んだが、そのエアコンの廃熱が夜の気温を下げない要因になっているのも確か。
それに昨日予想したように、雲が多いので放射冷却も起きない。

実は、電気エネルギーを消費せず、排熱も出ないすぐれた冷却法がある。
使うのは水だけ。
水の気化熱を使うのだ。
夜になったら、東京で一斉に「打ち水」をしてみたらどうだろう。

水が蒸発する時に熱を奪うので、地上空気の熱源である地面が冷却される(屋根や壁面に打ち水するのも効果的)。
欠点は、ほどなくして蒸発しきったら冷却効果もなくなること(持続性がない→繰り返せばよい)。
また結果として水蒸気が増えるので、大気中の湿度は若干上る。
それで上空の雲が雨を降らせてくれたらなおいい。 

ちなみに、蒸発によって奪われた地面の熱エネルギーは、どこにいったのか。
中学あたりの理科で習ったと思う。 


東京の最低気温が29℃

2018年07月22日 | お天気

母が朝、2階のダイニングに行ったら室温が29℃になっていたので、いそいでエアコンをつけたという。
予想外の昇温に驚いたのだ。

そこで我が家の屋上に設置してある私設「本駒」気象台のデータを見たら、なんと本日未明(4:40)の最低気温が29.1℃。→本駒気象台

熱帯夜どころではなかった(体感温度指標の熱指数は最低で34℃)。 
母にも、一晩中エアコンをつけるよう言ってあるので、就寝中にこの高温は体験していなかったが、睡眠中に熱中症になってしまう気温になっていたとは恐ろしい。

さらに最低気温が下らないと、日中の昇温はそれに追加されるので、より高温になりやすい。
幸い、今日の東京は雲が多めなので、日射による昇温効果は数日前よりは低そうだ。
むしろ、雲がどんどん発達して、積乱雲による夕立を期待したいが、上空に寒気がないので、積乱雲にまで発達する条件には乏しい。
このまま雲が多いままだど、夜間に放射冷却ができないので、また超熱帯夜になりそう。 

かような状況なのでエアコンのフル稼働を続けざるをえない。
ワットチェッカーと室温計を頼りに、せめて効率的な設定を心がけたい。


気温と湿度だけが熱中症を起こすのではない

2018年07月21日 | 防災・安全

テレビでは、熱中症の原因として気温と湿度だけを挙げるきらいがあるが、
豊田の小学生の死亡はそれだけではないことを示している。

そこで、体温を上げる要因と体感温度の指標について説明する。
人間の体温に影響を与える外的要因の第一は、当然気温。
人間の恒常性維持機能を利かなくするストレッサーとしての気温は熱中症も低体温症ももたらし、
いずれも簡単に死に至らしめる。

人間には体温維持装置として発汗機能があるのだが、その汗の蒸発を阻害するのが、高湿度
なので、気温が高くしかも(相対)湿度も高いと、体感温度は気温を上回ってしまう。
その指標は「熱指数」で、我が私設気象台「本駒」と「日進」で気温・湿度とともに熱指数を常時配信している
(11:30現在の「本駒」で気温35.8℃、湿度56%、熱指数46.3℃。すなわち湿度だけで10℃以上の昇温効果)。

次に、肌に当るも体感温度に影響を与える。
風速1mにつき体感温度はおよそ1℃下がるといわれており(風冷指数)、
夏山の悪天候下に低体温症で死者がでるのは、気温よりも絶え間ない強風による。

ただし、体温に近い高温下では上の効果は無効になる。
さらに体温を超えた気温になると、逆に熱風を浴びることになり却って体温を上げてしまう。
だから猛暑下では扇風機は役立たずになる。
なので夏季は風冷指数は気温と同じで、熱指数に風の効果を加えたよりリアルな体感温度指数であるTHWも熱指数に等しい。

以上のほかに、体感温度をぐっと上げる要因があるのだが、おわかりか。
日射(太陽光)である。
強い日射を浴びたアスファルトが気温以上になるように、
人間の表皮(服の表面)も強い日射(太陽からの赤外線放射)を浴びるとどんどん昇温する。
太陽という遠赤外線ヒーターで炙られているようなものだ。
THWにこの日射要因を追加した、すなわちもっともリアルな体感気温指数はTHSWという(日本語化されていない)。

我が「日進」ではその計測をしており、ネットでは日の最高値のみ配信している。
それによれば熱指数よりさらに5℃以上高くなり、今の時期だど50℃を越えることもめずらしくない
(たぶん上の時刻の「本駒」では50℃を超えていた)。

豊田で死亡した小学生は、炎天下(ただし気温は最高気温になる数時間前)、公園まで歩いて往復し、
しかも時間をすごしたその公園も木陰がほとんどなかった(さすがに帽子はかぶっていたと思うが、頭部以外は日射にさらされた)。
すなわち、強い日射を浴び続けたことによる”熱射病”(熱中症の重症型)で死亡したのだ。


体感温度への日射の昇温効果は湿度についで大きい。
と言うことで、熱中症の要因は、気温・湿度・日射の3つ。
だから、テレビでも盛んに使われている気温と湿度だけの熱中症指数は、
屋外では鈍感方向にズレていることになる(信用するとかえって危険)!

ついでに低体温症の要因は気温と風速の2つ。

ただし、気温も湿度もエアコンなしでは制御はできないが、日射は簡単に防御できる。
日傘である。

日傘は日陰を持ち歩く道具なのだ。
だから、私は体感温度を上げないために日傘を持ち歩く。


貫録の多治見

2018年07月18日 | お天気

ここ数日、日本一暑い県の岐阜において、新興勢力の「揖斐川」が快進撃していた。

岐阜といえば、かつて日本一に輝いた「多治見」が、「揖斐川」や「八幡」の後塵を拝している状態をみて、いよいよ美濃の勢力図が変わるかと予感した。
だが、このレベルの変動に騒いでいた自分が小人の心根であったことに気付かされた。 

かつての日本記録40.9℃を出した多治見にとって、38〜39℃台はウォーミングアップだったのだ。

多治見が本気を出すのは40℃台。
そう、今日の多治見は40.7℃。
もちろん本日の日本最高。 

かつての日本記録に0.2℃足りないだけ。

どうやら多治見は、日々のトップ、あるいは県大会レベルには関心がなく、日本記録更新を狙っているようだ。

本日のように高気圧が日本の西側にあると、西風となるので、西側に山があるアメダス観測点が高温を出しやすくなる(乾燥フェーンによって)。

揖斐川は、西が伊吹山地なのでまず有利。

それに対して多治見は、その揖斐川の熱気がさらに西風に吹かれて東進し、濃尾平野を越えて、濃尾平野東縁の山地を超えた所にある。

すなわち、西側に山が1つの揖斐川より、山が2つの多治見の方が有利なのだ。

 幸か不幸か、私は多治見に行かなくても、その気温を体験できる。
39℃を超えた名古屋にあるわが棲み家に西日の当る頃に帰ると、室内は40℃になっているからだ。
うれしくて涙が出る。


昼前は日射に注意

2018年07月17日 | 防災・安全

豊田市の小学生が、学校行事の外出で熱中症により死亡した。

その時刻は、昼前であることから、気温は最高気温を迎える数時間前である(35℃には達していない)。
教師はこれに油断したのか。 

実は、昼前は日射が最大(最強)になる。
日射が最強になるとは、直射日光が体表を熱する力が最強になることであり。
さすがに帽子は被っていたとは思うが、頭髪以外の他の部分がじりじりと熱く熱せられる。 
それで体温が上昇して、熱中症になる。

最近は、高温による熱中症ばかり注目されて、
日射による熱中症、いわゆる”日射病”に対する注意が忘れられている(日射病は今は熱射病と表現されている)。
日射病は帽子だけでは防げない。
身体の他の部分が日射に曝されているから。 

私が外出時に日傘を手放さないのは日射(病)の防御のためである。 

日傘に対するおかしなジェンダー意識を解除して、もっと普及させたい。

ちなみに、日射病になったら、日陰に寝かせて、肌に水を霧状に拭きかける。
霧状の水は次の瞬間蒸発し始める。
その蒸発時に発生する気化熱が体表を急激に冷やすのだ。

私は、あまりに暑い時は、霧吹きを使って身体を冷やす。
冷房の届かない室内空間にも霧吹きをふきかける。少しの間は温度が下る。

気化熱こそ、自然が与えた冷却装置である。

 


「東京」の気温は東京区部を代表していない

2018年07月16日 | お天気

アメダスの気温が話題になるので、ついでに一つ。

気象庁のお膝元であるアメダス「東京」は、東京区部の気温を代表しているとはいえない。
位置こそ、皇居の北の丸公園内にあるので都心といえるが、露場(設置場所)が周囲の森林による冷却効果を受けてしまう。
東京都心部が標準的に森に囲まれているならそれでもいいが、ご存知のようにほとんどアスファルトとビルに囲まれている。
該当するのは皇居のほかには明治神宮と新宿御苑くらい。

実際に今日の「東京」の最高気温は34.4℃。
一方区部でも都心から北西に離れた「練馬」は36.3℃。
2℃も違う。
あの「館林」の新・旧の露場でも差は1℃に満たないのに。
ちなみに練馬より都心に近いわが「本駒」(文京区)は36.8℃。
こちらの値の方が都心のビル街の人には納得してもらえそう。 

かようにアメダス「東京」は、東京区部の気温(自然環境としての気温ではなく、住民が肌で感じる気温)の代表値としては認め難いので、私は「東京」を参考にはせず、わが「本駒」か、公式記録としては「練馬」を採用することにしている。


猛暑は続く

2018年07月16日 | お天気

いったいこの暑さはいつまで続くのか。

地上天気図を見ると、太平洋高気圧から西に伸びた分派(小笠原高気圧)が日本の南から日本を覆っている典型的な”真夏”の気圧配置(クジラの尾型※)。
この高気圧が暖かい南風を供給すると同時に、雲を散らして一年で一番強い太陽光を地面に照射させている。

※クジラの尾型になると、高圧部が西に偏り、西風が発生するので、西側に山があるアメダス地点(揖斐川、多治見など)はフェーン現象が発生して高温を出しやすくなる。

高層天気図(500hPa、300hPa面)を見ると、この高圧部は大陸南部のチベット高気圧と合体してはいない。
両者の間の揚子江上空に低圧部があるためだ。
そのため、強固な高圧帯を形成してはいないので、小笠原高気圧も弱化する可能性はある。

では弱化するか。 

この安定を壊す要因となる、南方からの熱帯低気圧が今週後半に南西諸島に接近するものの、この高気圧に阻まれて、本州には影響しそうにない(へたな熱帯低気圧はかえって小笠原高気圧を強化してしまう)。
もう1つの破壊要因である、北方のオホーツク海高気圧(これが南に張り出すと東北日本を冷夏にする)も遠慮気味にオホーツク海に引っ込んでいる。

ということで熱帯低気圧が20日(金)あたりに沖縄県をかすめるだけで、この気圧配置は月末まで続きそうだ。

この期間中、通常の外出はお勧めしないが、大気が安定している(=上空に寒気が入ってこない)ので、
富士山など高い山(標高2000m以上)に行くには絶好の機会
私は来月初旬まで仕事の繁忙期なので行けない
かといっていつもなら図書館に行って仕事をするのだが、この暑さの中、外出する気になれないので、この連休は自宅にお篭り。 


伏兵・揖斐川が台頭

2018年07月15日 | お天気

吹雪と雷雨に加えて、今日のようなくそ暑い日は、”外出しない方がよい天気”に加えたい。
それでも一日中家(東京)にいても運動不足になるので、気温が下り坂になる午後4時になって秋葉原に出かけた(気温は12時から16時までが山の状態)。 

冷房の効いた電車内で各地アメダスの最高気温を見比べていたら、なんと岐阜県の「揖斐川」(イビガワ)が38.8℃の本日の日本最高気温を記録した。
岐阜といえばかつて日本記録を保持していた「多治見」がその後も東海地方ではトップだったのに。

その多治見の最高気温を見ると、38.7℃。
惜しい。
だが負けは負けだ。

東海の王者・多治見にとっては、同じ岐阜から伏兵が現れたとあっては安閑とはしていられない。
揖斐川 (町)といえば、東濃から岐阜市をはさんだ西濃に位置する。
西側が滋賀県境の伊吹山地なので、フェーンによる昇温が期待できる地形だ。
ただ、今回は南寄りの風だったので、むしろ濃尾平野を吹走してきた風だ。 
この風向でこの記録を出すとは、侮れない。

実は、昨日、この揖斐川の他に中濃の「八幡」(郡上八幡)もトップを争う高温だった。
これら西濃・中濃の伏兵の台頭によって、美濃一国内での勢力図が書き換えられる予感がする。
なにしろ、すでに坂東において、かつての覇者・熊谷が新興の館林にその座を奪われている。


酷暑に対処するエアコン、服装

2018年07月14日 | お天気

梅雨明け直後の猛暑いや酷暑に見舞われた。
今日の最高気温を記録したのは、東海の王者・多治見で38.7℃。
非公式ながら、わが「日進」(愛知県日進市)は38.6℃。
関東は幾分低く、多治見のライバルだった熊谷は37.2℃、そして関東での熊谷のライバル館林は36.9℃。
非公式ながら、わが「本駒」(東京都文京区)は37.6℃だった。

今年89歳になる老母も昨日帰宅してから熱中症の症状が出て、今日の午後まで寝込んでいた(無事回復)。

こういう時は、室内の空調と外出時の対策を欠かせない。
酷暑では窓を開けて外の熱気を入れるわけにはいかない。
扇風機も熱風を運ぶだけ。
エアコンに頼るしかない。
だからといって、がんがん冷やせばいいというのではなく、室温は”暑くない”程度に下げ(26℃付近)、あとは除湿で湿度を下げるとよい。
急いで室温を下げるには、私のブログで幾度も述べているように、温度設定を必要以上に下げるではなく、風量を最大にすること(風向も自分に向ければなおよい)。
エアコンの冷房のデフォルト設定は、昔の冷房病をきたす低温になっているから注意(電気代の浪費)。

ちなみに熱帯夜ならエアコンは就寝中もつけっぱなし(熱中症予防のため)。
ただし、明け方になって寒くならない程度に設定温度を上げる(28℃程度)。
あるいは除湿設定でもよい。
明け方までのタイマー設定だと、それ以降また暑くなる。 

外出時では、まず日傘が必須(私以外の男性は日射の直撃を全身に受けて気温以上の温度になっている)。
日傘があれば帽子はいらないので頭が蒸れないし、日光が目に入らないのでサングラスも不要。
さらに晴雨兼用なら夕立にも対応。

そして100円ショップで売っている吸水ポリマーの”ネッククーラー”を首や額に巻く(両方でもよいし、室内で使ってもよい)。
これは冷却効果ではなく、体温上昇防止効果であることを理解するように(冷たさを感じなくても装着しているだけで熱中症予防効果がある)。

真夏にジーンズを履いている人を私は理解できない。
風通しのよい七分丈のパンツ(アウトドア用)を愛用している。
真夏に通気性のない革靴やスニーカーを履いている人も理解できない。
最適なのは下駄だが、そうでなくても風通しのいい(足が蒸れない)履物はたくさんある。

上はTシャツではなく、ポロシャツ。
なぜなら汗をかく胸の中央付近をポタンで開けられるし、首回りの風通しもよくなる。さらに襟を立てれば日射をさえぎれる。
袖部分が締まっているのは、空調的には不利だが、腕が細い日本人にはデザイン的に合っている(裾が開いた半ズボンだと脚が貧弱に見えるのと同じ)。
それにポロシャツならクールビズとして職場もOK(私は夏用のジャケットと併用)。

ひどい暑さは命にかかわり、そうでなくても生産性や快適性に悪影響だ。
古い慣習にこだわらず、無駄のない機能的な対処を実現したいものだ。


地震に偏った防災意識

2018年07月12日 | 防災・安全

日本人の防災は”地震”にかたよりすぎている、とつくづく実感していた(防災の講演経験などから)。
学校でやる避難訓練もたいてい地震だけを想定している(実はそのほうが訓練が簡単)。
東日本大震災の生々しい記憶はそれをさらに強化した
(同じ年に紀伊半島で死者100名を超える気象災害が発生したのだが、覚えている人はいかほどか)。

言い換えると、地震災害は誰でもが「起こりうる」と構えているが、
気象災害に対しては多くの人が、「起きるはずがない」と構えどころか関心すら示さない。

すなわち地震に備えている人でも、気象災害へのシミュレーションをやっていない
(頭の中のシミュレーションだけでもいいのに)。
だから、いざ大雨や河川増水に見舞われても、避難のタイミングが判らないのだ。 
予測と実況が可能な気象災害こそ、死者を0にできるのに。 

この防災意識のアンバランスは何に由来しているのか。
センセーショナルな危険に関心が集中し、確率的には決してひけをとらない他の地味な危険に鈍感になるのか。
ガンに対してはひどく怖がるが、肺炎には無関心とか。 

つまり、防災においても、偏った認知(バイアス)と自動化された不正確な思考(ヒューリスティック)に陥っている
(これらは行動経済学と認知行動療法の共通概念)。

まずは地震に偏った今の防災教育をやり直すべきだ。
わが勤務先の大学でも、学部・学年を問わず誰でも履修できる「安全学」という授業をやっているのだが、
この授業の計画時は地震対応(しかも東海地震!)だけだったが、私が参画して気象災害をつけくわえた。 
こういう活動も気象予報士兼防災士としての任務だと思っている。 


天気図で大雨災害がわかる

2018年07月09日 | お天気

通常の雨とは異質の、死者が出るほどの災害(土砂災害、河川氾濫)になる大雨は、固有の天気図パターンを示している(予報可能で実際気象庁は注意喚起していた)。
それは、普通の温帯低気圧の通過時ではなく、また熱帯低気圧(台風を含む)の上陸時でもない。
それらより雨量がケタ違いに多いのだ。

1個の台風を凌ぐ雨量になるのは、接近してそのまま去って行く台風(短時間の大雨)と異なり、積乱雲による強い雨域が停滞するためである。

そもそも雨域が停滞するのは、雨をもたらす気圧配置が固定状態になるためで、その原因となるのは、移動性の低気圧ではなく、停滞前線である。

日本は、1年に2回、停滞前線に停滞される時期がある。
梅雨(6-7月)と秋雨前線(9月)の時。
前線といえば、温暖前線と寒冷前線が有名だが、これら2つは移動性の温帯低気圧に付属するもの。
一方、停滞前線は、地球規模の南北気団の境目で、低気圧に付属するのではなく、むしろ低気圧を生むもの(停滞前線上に小さな低気圧がいくつも発生する)。

ただし、停滞前線だけなら、雨の時間は長いものの、水蒸気エネルギー(凝結によって熱エネルギーが発生しそれが運動エネルギーになって上昇気流をもたらす)が小さいため、雨量は多くならない(しとしと雨)。

つまり、降水を長時間化する停滞前線の他に、降水の量を供給する何かが加わる必要がある。

それが(温帯・熱帯)低気圧と太平洋高気圧とのペアだ。

まず停滞前線(梅雨前線または秋雨前線)が日本の上に横たわり、

同時に、東側に太平洋高気圧が横たわって、西側に台風などの低気圧がある状態。

東の高気圧は、高気圧性循環(時計回り)で、南東風を停滞前線に向って吹きつける。
西の低気圧は、低気圧性循環(反時計回り)で、南西風を同じ停滞前線に吹きつける。
すなわち、暖かく湿った南方の空気が、停滞前線の南で東西から合流して、 停滞前線に向って大規模に流入し続けるのだ(これを縁辺流という)。

太平洋高気圧も停滞性なので、流入は持続するが、圧(気圧差)が弱いので風量は弱い。
一方低気圧は圧が大きいので風量が強いが(台風ならなおさら)、移動あるいは衰弱するので、持続性がない。
つまり、東西の両方が合わさって初めて、充分な暖湿な(水蒸気エネルギーに満ちた)縁辺流を持続的に停滞前線に供給できるのだ。

この気圧配置が成立するのは、停滞前線の他に太平洋高気圧が充分強い時に限られる。
ということは梅雨末期の7月前半と秋雨前線初期の9月前半あたりになる。
その間の太平洋高気圧が一番強い盛夏は、台風が来ても停滞前線がない。
6月と9月後半は、停滞前線があっても太平洋高気圧が弱い。

ということは、大雨災害に気を付けなくてはならない時期は限定されている。
台風以上に怖いこの”魔のトライアングル※”、皆が認識しやすくするための、適した名称はないものか。 

※ただし今回の大雨は、西の低気圧=台風が日本海に北上しながら南西の暖湿流を呼び込み、台風が消えた後も、停滞前線南の小さな低圧部(低気圧にまで成長しない)に向って南西の暖湿流の流入が続いた。
すなわち大雨災害時には西の低気圧は潜在化されていた点が典型とは異なる。


数十年に一度の大雨が毎年降る理由:確率論的説明を追加

2018年07月08日 | 防災・安全

今回の西日本豪雨では、「大雨特別警報」が長崎から岐阜までの西日本に軒並み発令された。
今回でわかったように、「大雨特別警報」は災害を直接予想する
(それより1ランク下の「記録的短時間大雨情報」から災害に直結する)のだ。
だからこの警報は真の危機を意味していると認識しなければならない。

それに対して、従来の「大雨警報」(警報は本来は、”重大な”被害が予想される時のもの)は、
災害に至らないレベルで乱発されてきたので、もはや夕立予想程度の情報的軽さしかない(「オオカミ少年効果」)。

大雨特別警報は、その地域の観測データを元に「数十年に一度の大雨」が予想される場合に発令される
(なので想定される雨量は地域によって異なる)。

ということは、今年「大雨特別警報」が発令された所は、今後数十年間は、今年規模の大雨から免れるということであろうか。

確率論的に、それは正しくない。
サイコロを振って1が出たら、あと5回は1が出ないと確信してしまう誤りだ。
サイコロの1が出る確率は、毎回1/6なのだ。

同様に、この地に大雨特別警報が出される確率は、毎年、1/数十となる。
なので、来年また発令されることもある。 

今、降水現象が互いに独立した(互いに影響しない)観測点が、やはり”数十”ヶ所あるとする。
そのすべての観測点のいずれかで「大雨特別警報」が 年間に発令される確率はかなり高くなる


※:以下追加分。
サイコロを振って1が出る確率は1/6だが、では「6回続けて振ったら、1が1回出る」確率は=1/6+1/6+1/6+1/6+1/6+1/6=(1/6)×6=1になるかというと、そうはならない。
連続する事象は単純に加算(乗算)できないのだ。
6回振って1が1回出る確率は、1が1回も出ない確率の”余り”の確率、すなわち
1−(1が1回も出ない確率)という余事象の式に当てはめる必要がある(この発想が人間は苦手なので確率論はきちんと勉強する必要がある)。

実際に大雨特別警報が出る確率を計算してみる。
「数十年」を今、20年と限定する(数〜って2-3を含意するから)

そして観測点を都道府県数47に合わせて仮に50箇所とする(本当はこの倍以上)。
すると出したい確率は、「20年に1度の大雨が今年50箇所のどこかで降る確率」となる。
1箇所での「20年に1度の大雨が今年降る確率」は、年単位でみると1/20。
この余事象である「20年に1度の大雨が今年降らない確率」は19/20となる(特定地点だけをみるなら、大雨特別警報級の雨は、滅多に降らない)。
さて、出したい確率の式は、1−(20年に1度の大雨が50箇所のどこにも降らない確率)という高次の余事象である。
それを計算すると、1-(19/20^50)=0.923

すなわち、地域を限定しなければ、大雨特別警報は、毎年どこかで発令されておかしくないことがわかる(実際の観測点は100箇所を越える)。
以上追加分。
なるほど、毎年どこかしら大雨で被害が出るわけだ。


さらに確率論ではなく、気象学的にも、地球温暖化の影響で、大気の水蒸気量(可降水量)が増えるため、
一度に降る雨の量が増える傾向にある。

ついでに言えば、豪雨災害は迷惑だが、降水量は減るより増える方がましだ。
確かに水の力も恐ろしいが、その水の不在、すなわち渇水(旱魃)ほど生物にとって恐ろしいことはないから。 

なので私が恐れているのは、温暖化ではなく、寒冷化の方だ。
寒冷化して氷河期になると、北半球の高緯度に偏った陸地は氷床となり、水分が氷に固定された分、
空気中の水分が激減して、残った低緯度の陸地は砂漠化してしまうから(人類はどちらにも住めない)。 

こういう第三者的視点ではなく、当事者的視点でもっと実用的な情報を求めるなら→自宅の災害危険度の事前確認:気象災害編」


梅雨末期の大雨で毎年死者が出るのはなぜか

2018年07月07日 | 防災・安全

毎年同じ現象で死者が出る。
その被害地域が微妙に入れ替わるからか、昨年の被害を「他山の石」とはせず、学習効果がない。

気象現象は、地震と違って予測可能で、しかもほぼリアルタイムの実況もネットで配信されている。

すなわち、前もって接近がわかり、しかも対処のタイミングをはかれる。

それなのになぜ被害者が毎年、判で押したように出るのか。

気象災害は、近くの避難所に早めに避難さえすれば死は免れる。
すなわち、死者を0にすることは可能なはずなのに。

言い換えれば、気象災害の人的被害者はタイミングを逸した”逃げ遅れ”のためだ。
では、なぜ逃げ遅れるのか。
「正常性バイアス」(じわじわくる危険に鈍感) という心理傾向が根底にあり、
そのバイアスを”過去の無事な経験”が強化する(過去に経験した以上の被害は起きないという無根拠な楽観主義)。

そして何より、自宅の危険度の認識に乏しいためだ(つまり情報不足)。

自宅の危険度とは、たとえば自宅の裏山が土砂災害危険箇所であるかの知識。
これは情報が公開されているので、誰でもネットで調べられる
→国交省「土砂災害危険箇所マップ」。

梅雨末期に必ず大雨となる西日本(東日本は位置的に大雨にはならない)は、
広い平野がなく住宅地に山が迫っている所ばかりなので、危険な裏山が控えている場合が多い
(たとえば若い母子が犠牲になった松山沖の怒和島は、人家の大半が土石流危険区域内)。

すなわち、この時期の大雨に対しては西日本一帯は最初から危険地帯なのだ(三陸沿岸が津波の常襲地帯であるように)。

次に、その自宅の裏山(土砂災害危険箇所)が雨によって土砂災害を起こしそうかの情報が必要。
これは気象庁の「土砂災害警戒判定メッシュ情報」で10分間隔で更新される最新情報がわかる。 

この2つを照合すれば、おのずと「今家に居ることが危険か」の結論は出せる。

自治体の「避難勧告」「避難指示」は地域単位なので、自宅がピンポイントで危ないかどうかの具体的な判定には不向き。
しかも発令が遅れる(事後になる)場合もある。 

近所の川の氾濫についても、水位について同じく10分単位のリアルタイム情報が発信されているので、
→国交省「川の防災情報
決して、川の様子を見に行ってはならない。 

現在の大雨があとどれくらい続くかも気象庁の「降水短時間予報」サイトでわかる(短期的な予報ほど正確度が高い)。

つまり、ネットで公開されている情報を駆使すれば、自主避難のタイミングが判断できる状態になっているのだ。

ネット情報なので、停電でテレビがつかなくても、アクセスできる。
同じ情報を使っているテレビだと言及が行政区画単位なので、自宅の危険度の判断には向かない。 

問題は、これらの情報が提供されているという事の情報、そしてどこを探せばこの情報にたどり着くのかのメタ情報がないこと。 
しかもこれらのサイトは同じ国交省(気象庁は国交省管轄)なのに、探しにくい(気象庁の上のサイトもトップページにない)。
こうして個人レベルで地道に提供するしかないのか。 

自宅の危険度のチェックは次の記事を参考に→大雨特別警報が発令される前に確認すべきこと