今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

露点温度から最高気温を予想できるか

2023年11月12日 | お天気

「露点温度」という気象観測項目の活用性を考えている☞「露点温度って使えそうだが

もっとも、露点温度を測る簡易な気象計は日本製では見当たらないので、ほとんどの読者には無縁の話となりそうだが。

露点温度(℃)は、その空気で結露する温度なので、空気の湿潤度合い、すなわち”湿度”の指標となる。
同時に、何らかの温度の指標にもなりそうで、まずはその空気で可能な最低気温の指標となる

なぜなら、その空気の温度は、露点温度以下には下がらない、ことがはっきりしているから。

あと、気温のように日射による影響を受けないので、暖気・寒気移流の確認に使える。

ならばもうひと推し、最高気温の予測に使えないか(実際には、天気予報を確認した方が早い)。
最低気温と違って理論的には使えそうもないので、そこは実測(統計)的に探ってみたい。

今、手元に名古屋地方気象台の2016年10月1日0時から2017年9月30日24時までの毎時データ(8761個)があるので、
それを元に気温と露点温度の差(気温露点差)を算出し、その年間の分布を見る。
すると年間を通じての75%が、気温露点差は10℃以下と出た。
すなわち、露点温度に10℃を足した値に、同時刻の気温の75%が収まっている。

ということは、朝の露点温度に10℃を足した値が、日中の最高気温の限度(それ以上には暑くならない)と予想してよいかも
(露点温度は日射に影響されないので、日中も朝と同じ値と仮定した場合)。
ありえる最高気温=露点温度+10,というのは頭に入れやすいので、露点温度計を所持している私にはありがたい。

ちなみに実際の気温露点差の分布の範囲は、最低の0℃(理論的最低値に等しい)から最高は31℃にも達している。
気温露点差=0というのは、空気が結露、すなわち湿度100%を意味する。
実際、高層天気図では、気温露点差が3℃以下で示される領域があり、その高度での雨天の指標とされている。
もちろん実際の計測でも気温露点差がマイナスになったことはない。

一方、気温露点差が31℃を超えたのは、5月7日の16時で、気温は24℃で露点温度は-7℃だった
(太平洋側では1-3月に露点温度が0℃を大きく下回ること多い)。
すなわち気温は夏日に近い一方で空気中の水分は冬レベルの乾燥した状態だ(その時の相対湿度は12%と年間最低値)。
GW頃の晴天は、気温が上がっても(30℃を越すこともある)、サラッとして蒸し暑くないわけだ。

これが梅雨〜盛夏になると、露点温度は20℃を常に上回るようになり、
気温が35℃になっても気温露点差は15℃以内に収まるのだ(盛夏でも露点温度が30℃に達することはない)。

ということで、5月を除けば、「今日の最高気温は、露点温度+10に収まる」と思ってなんとかなりそう(確信度75%)。

追記:早速の翌日(13日)、東京文京区にある私設本駒気象台では12:30で露点温度が1.1℃、気温が15.0℃で、「露点温度+10」に収まらない値となった。
考えてみれば、乾燥空気が残っている初夏が範囲外となるなら、乾燥空気が入り込む晩秋も範囲外となっておかしくない。
露点温度が0℃近くなったということは、冬の空気が入り込んできたことは間違いないと思う(実際、天気図は西高東低の完全な冬型気圧配置)。

追記2:そして14時すぎにそこでの露点温度はとうとう0℃を割り込み、14:53に-1.7℃まで下がった。その一方で、気温は14:44に本日の最高気温16.5℃を記録)。冬の空気が入ってきても、日射がまだ最弱レベルでないためだ。
また上記時刻に寒気移流は底を打ち、その後は反転してゆっくり上昇している。
すなわち明日14日は今日よりは寒気が緩むとみてよい。