村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

藤原敏行フジワラノトシユキ

2020-11-30 23:16:22 | 和歌と歌人

秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども
風の音にぞ おどろかれぬる
『古今和歌集・巻四・秋歌上169』

すみの江の岸による波よるさへや
夢のかよひぢ人目よくらむ
『古今和歌集・巻一二・恋歌二・559』
和歌・歌人53
藤原敏行フジワラノトシユキ

平安時代前期の貴族・歌人・書家。
藤原南家巨勢麻呂流、
陸奧出羽按察使・藤原富士麻呂の長男。
官位は従四位上・右兵衛督。
三十六歌仙の一人。

ついつい藤原敏行ビンコウと
言ってしまいそうだが
トシユキとよもう
秋来ぬと…
そういうときもあったが
明日からはや師走だ
昨年十二月に熱海の光琳茶会を申込み
今年の二月に茶会参加
各服点で濃茶を頂いた
それ以後茶会には出かけない
老齢者なのでうつったら危険
コロナ禍でもできることを
少しずつやろう

お茶の稽古も
少ない人数で
長くない時間
頭と体をたくさん使って
集中力と免疫力をつけよう

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重之集シゲユキシュウ

2020-11-29 23:07:12 | 覚えたい古筆

写真は
日本名筆選10
「重之集シゲユキシュウ」
伝藤原行成フジワラノユキナリ筆

源重之ミナモトノシゲユキ
(生歿年未詳)の家集。
三十六歌仙の一人
重之が帯刀先生タチハキノセンジョウの任にあった時、
東宮(のちの冷泉天皇)に新たに詠んで献じた。
春・夏・秋・冬各20首、恋・恨各10首、
および「かずのほかにたてまつれる」2首をあわせた
102首の歌。
 綴葉装テツヨウソウの冊子本。
雲母キラを一面に撒いた
淡い藍の打曇りのある料紙。
流麗な筆致。
前半は歌を2行書。
後半は散らし書き。
平安時代 11世紀 
徳川美術館蔵

表紙は福田喜兵衛氏料紙提供とあった

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木枯のこゑ

2020-11-28 23:10:48 | 村雨庵 稽古 

樋口一葉
身にしみて 寒けかりけり
色かへぬ 松にもかよふ 木枯のこゑ

今日は風が強い
首に巻くマフラーが
風でほどける
木枯らしピユーピユー
これが木枯らしのこゑか

午前中は朝日カルチャーへお勉強に出かけ
すぐ戻り
午後一時半から
お弟子様のお稽古
ナナ様は金沢へ旅行したとか
森八の長生殿をお土産に貰った
昨年三月以来の
久しぶりのお稽古
薄茶と初炭
てまえをしてみると
案外できるのにお互い安心
お稽古は取り敢えず
月一で再開
せっかく着付けも習ったのだから
着物でお稽古にいらして と
写真の兎も待っている

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素性法師ソセイホウシ

2020-11-27 23:34:25 | 和歌と歌人

見わたせば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の 錦なりける
『古今集・巻一・春歌上・56』

おもふどち 春の山辺に うちむれて そこともいはぬ たびねしてしが
『古今集・巻二・春歌下・126』

今来むと 言ひしばかりに長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
『古今集・巻一四・恋歌四・691』

底ひなき 渕やは騒ぐ 山川の 浅き瀬にこそ あだ波はたて
『古今集・巻一四・恋歌四・722』

和歌・歌人52
素性法師
平安時代中期の歌人。
三十六歌仙の一人。
僧正遍昭 の子。
俗名,良岑玄利 (よしみねのはるとし) 。
出家して,雲林院や良因院に住んだ。
『寛平御時后宮歌合』に出詠し,
昌泰1 (898) 年宇多上皇の
宮滝御幸に供奉して和歌を詠み,
延喜5 (905) 年藤原定国
四十賀の屏風歌を詠進している。
家集に『素性集』があり,
『古今集』以下の勅撰集に
65首近く入集。
(ブリタニカ国際大百科事典 ヨリ)

今日は家にずっといて
炉中の掃除
茶道具の片づけ
自宅の茶会のしたく
サカチカさんがプリンを持ってきて
オマケに手伝ってくれた
来週は12月
師走
友人が送ってくれた写真
紅葉が美しい

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塵チリひじの

2020-11-26 23:44:44 | 村雨庵 稽古 

塵チリひじの
積もりてなのる
物ぞとは
富士の嶺ミネらぬ
人やいはとむ
と読んだが
賛の賀茂季鷹カモノスエタカの文字は
いつも読みにくい
今回のは読みやすい方だろう
でも一部は不確かだ

塵チリひじ=とは
① ちりとどろ。
※万葉(8C後)一五・三七二七
「知里比治(チリヒヂ)の
数にもあらぬわれ故に
思ひわぶらむ妹が悲しさ」
② 転じて、つまらないもの、
とるに足りないもの。
ちりあくた。
※宇津保(970‐999頃)
藤原の君「かかる聞えあらば、
兵衛が身はなにのちりひじにかならん」

今年のカレンダーもあと一枚
今日は木曜稽古
主菓子は「木枯らし」

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音まさり来し夜の雨

2020-11-25 23:48:17 | 村雨庵 稽古 

炭つぐや音まさり来し夜の雨 秋櫻子

秋櫻子は水原秋桜子ミズハラシュウオウシ
1892―1981
俳人・医学博士。
東京生。名は豊。
病院を経営し、昭和医大の教授も務めた。
高浜虚子の教えを受け、
高野素十・山口誓子・阿波野青畝と共に
「ホトトギス」の四S時代と
いわれる黄金時代を築く。
のち「ホトトギス」を離れ、
「馬酔木」を主宰。
芸術院会員。昭和56年(1981)歿、88才。
(美術人名辞典ヨリ)

今日は冷たい雨
時雨れる水曜稽古だ
点前は台目棚を出して
台目の稽古をする

待合の掛けものは
紅葉に小禽ショウキン
小禽とは小鳥のこと
明日も稽古日

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大友黒主オオトモノクロヌシ

2020-11-24 23:32:47 | 和歌と歌人

思ひいでて恋しきときは初雁のなきて渡ると人知るらめや
『古今集』巻十四

春雨のふるは涙か桜花ちるを惜しまぬ人しなければ
『古今集』巻二
 和歌・歌人51
 大友黒主オオトモノクロヌシ

大友 黒主
オオトモノクロヌシ
平安時代の歌人・官人。
姓は村主。地方の歌人。
六歌仙の一人だが、中で唯一
小倉百人一首に撰ばれていない。
『古今和歌集仮名序』紀貫之に
「大伴黒主はそのさまいやし。
いはば薪を負へる山人の
花の陰にやすめるが如し」と評される。


写真は寒葵カンアオイ

昨日の写真は魯山人

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まことの塵に

2020-11-23 23:39:44 | お習字

 西行
嵐掃く 
庭の木の葉の 
惜しきかな 
まことの塵に 
なりぬと思へば

今日はお習字
落ち葉が吹き寄せて
家の前にたまってる
皆が来る前に掃除した
縮れた紅葉の葉が色々
風が吹いて塵取りに入れようとしても
からからと風に飛んで逃げて行ってしまう
しまいは手でつかんで塵取りに入れた
お習字は漢字半紙の楷書と
行書を書くだけでやっと
暫く書いてないので
上手く書けない
お習字教室を開く時のみ練習してるが
毎日のように練習してる生徒さんも何人かいて
自分の書き込みが少ないと刺激される
焦る
と言ってもまだ8級だけど

写真は こひき

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文屋康秀フンヤノヤスヒデ

2020-11-22 23:53:47 | 和歌と歌人

春の日の光にあたる我なれど
かしらの雪となるぞわびしき
(古今8)

吹くからに秋の草木のしをるれば
むべ山風をあらしと言ふらむ
(古今249)

草も木も色かはれどもわたつうみの
浪の花にぞ秋なかりける
(古今250)

和歌・歌人50
文屋康秀フンヤノヤスヒデ

平安初期の歌人。
六歌仙の一人。
生没年不詳。
《古今集》巻十六に
深草帝(仁明天皇)の没した850年(嘉祥3)の
おそらく翌年に詠んだと思われる歌がある。
官は860年(貞観2)に刑部中判事。
三河掾,山城大掾をへて879年(元慶3)縫殿助。
《古今集》には,
文屋康秀が三河掾になって
県見(あがたみ)に誘った際に詠んだという,
小野小町の
〈わびぬれば身を浮き草の根を絶えて
誘ふ水あらばいなむとぞ思ふ〉
(巻十八)の歌がのせられている
(コトバンクヨリ)

子の朝康も歌人だ
また仮名序で紀貫之は
「詞コトバはたくみにて、
そのさま身におはず、
いはば商人アキンドの
よき衣着たらんがごとし」
とある

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冬紅葉

2020-11-21 22:29:33 | Weblog

千年経て御佛ミホトケいます冬紅葉 水原秋櫻子

今日と明日は用事がない
すべきは
お謡のお稽古
お習字の練習
ところが
どちらもせず
テレビを見て体を休めていた
みんなゴーツー何とかで出かけて
観光地は混んでいる
京都も凄い
行きたいけどまだまだ行けない
ゴーツーもする気はない
この時期は遊ばない
何でも良いから
勉強をしよう
写真は
火曜日の食事会のお菓子
銘は「初霜」
綺麗な色々の金団は紅葉山
上に霜を降らせてある

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ひろうす

2020-11-20 23:20:25 | Weblog

写真は菊の色絵の蓋物
反対側には梅の絵
梅は花の兄
菊は花の弟
中には
熱々の飛竜頭の蟹餡かけ

飛竜頭はがんもどきのこと
がん‐もどき【雁擬き】
豆腐を崩して、
細く切った野菜や昆布などを加え、
油で揚げたもの。
味が雁の肉に似るのでこの名がある。
飛竜頭(ひりょうず)。
がんも。
飛竜頭ヒリュウズとも
ひろうす とも言う

がんもどきの
がんは

コトバンクで
ガン(雁)のこと見た
百科事典マイペディアの解説
ガン(雁)
カリとも。
カモ科の鳥のうち,
大型で首が長く,
雌雄同色のものの総称。
雄の羽色も四季を通じて同じ。
15種ほどある。
おもにユーラシア大陸,
北米大陸北部で繁殖し,
冬は南へ渡る。
海岸,沼等に群をなして生活。
飛ぶとき,
いわゆる かぎになったり,
竿(さお)になったりする。
日本へは8種が冬鳥
あるいは迷鳥として渡来するが,
近年数が減った。
マガンが最も代表的で,
ほかにカリガネ,
ヒシクイ,サカツラガン,
コクガン,ハクガン,シジュウカラガン
などが日本に渡来。
ハクガン,シジュウカラガンは絶滅危惧IA類


羽箒の野雁
雌雄同色とはね
知らなかった

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しぐるるままにくらぶ山

2020-11-19 21:36:16 | 村雨庵 茶事茶会

神無月
しぐるるままに
くらぶ山
した照るばかり
紅葉しにけり
『金葉和歌集 第四巻(冬歌)』
源師賢ミナモトノモロカタ朝臣

くらぶ山(暗部山)は
鞍馬山の古称(歌枕)
暗部山は
鞍馬山の隣にある貴船山を指す可能性もある。

源 師賢ミナモトノモロカタは、
平安時代中期から後期にかけての貴族・歌人。
宇多源氏、参議・源資通の長男。
官位は正四位下・左中弁。
家業は管楽、
師賢もまた琴の名手と。

今日は社中の茶会の安居の会
主菓子の銘は「初時雨」
干菓子は摺琥珀スリコハクの
菊 薄荷の味
それと州浜の菊の葉

茶入は又妙斎好み瀬戸小壷
底に花押直彫あり

棗は小倉山棗と箱にあり
甲には伊川院下絵の瓢の中に小倉山が書いてある
胴には和歌を蒔絵してある
神無月
しぐるるままに
くらぶ山
した照るばかり
紅葉しにけり

茶杓の銘は
濃茶「冬霞」
薄茶は「紅葉狩」

お稽古でも楽しかった

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小春哉

2020-11-18 20:57:30 | 村雨庵 茶事茶会

小座敷の丁ど半分小春哉  小林一茶

今日も暖かい小春日和
十時半から三名のお弟子様
一時半からも三名のお弟子様
皆さんお着物でお越しだ

今日は村雨庵の社中のみの茶会
会の名前は安居会アンキョカイとしておこう
お稽古だけだと飽きる
お稽古だけだとつまらない
と勝手に私が思った
だからお稽古日に茶会を開こう
点心か八寸位はしたかったが
コロナ禍の真っ最中ゆえ食事は出さず
人数は三名か四名
各服点で濃茶と薄茶
初炭か後炭で
午前の会は十時半から一時まで
午後の会は一時半から四時まで

茶事の
露地腰掛や蹲いを省略
懐石も無しとして
汲みだし→席入り→挨拶
初炭→菓子→中立
銅鑼で後座席入→濃茶→薄茶
又は後座からの順で
汲みだし→席入り→挨拶
→菓子→濃茶→後炭→薄茶

安居の会は今日と明日
その今日は無事に終わり
ベテランも新人も
それなりに楽しんだ様子だ
感想は「面白かった」と
明日もある

写真は寄付に掛けた軸

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小春日

2020-11-17 22:50:43 | 食事会

武蔵下総ムサシシモオサ山なき国の小春哉 夏目漱石

まさに小春日和の今日は
森金さんとふたりで食事会
場所は綱島駅近くの「ふくもと」
四季を味わう食事会
より味わうように器と献立を記録
名称や材料の
違うのもあるかもしれぬが
先月から始めて
今日で二回目だ

まず写真にあげた
色絵松深小鉢 
乾山写しだろう
山芋寄かんに雲丹載せもみじ下ろし

八寸は竹へぎ黒漆盆に九種類
赤楽壷々に春菊の白和え
鰻棒鮨ウナギボウズシ
鴨カモロース
鮑旨蒸しアワビムシ
牛蒡八幡巻ゴボウヤワタマキ
柿膾カキナマス
亀甲芋田楽キッコウイモデンガク
クリームチーズミルフィーユ
スモークサーモン蒸物

煮物椀は朱塗椀に鯛蕪タイカブラ
人参もみじ 軸三つ葉 松葉柚子

お造りは仁清菊台鉢に
鯛の薄造
「フグですか」と聞いて
「鯛です」との答え 恥ずかし
墨烏賊スミイカ 雲丹ウニ
真ん中に大葉を敷
つまは穂紫蘇ホジソ、菊、山葵ワサビ、紫芽ムラメ
より胡瓜キウリとより人参

熱々の菊梅文様京薩摩蓋物に
飛龍頭ヒリュウズ餡かけ
 餡は蟹カニ黄菊キギク小葱コネギ

焼物は乾山写し菊型皿に
鰤ブリ幽庵焼き
添えは甘唐辛子、巣ごもり栗、酢蓮スバス、
零余子ムカゴ松葉刺し、染め下ろし

木蓋の雲錦筒碗に栗ご飯
市女笠イチメガサ朱塗小吸物碗になめこ味噌汁
香の物は白磁編み笠小鉢に
白菜、胡瓜、山芋ヤマイモ丸抜紅酢漬マルヌキスズケ

お菓子は
もみじの色々の金団に霜を降らせて 
銘は「初霜」とお薄
来月も
予約した

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光孝天皇コウコウテンノウ

2020-11-16 22:14:00 | 和歌と歌人

君がため
春の野に出でて
若菜摘む
わが衣手に
雪は降りつつ 
 『古今集』春・21
 和歌・歌人49
 光孝天皇コウコウテンノウ

光孝天皇
830~887
仁明天皇の第3皇子、
即位前は時康トキヤス親王。
陽成天皇の後、
藤原基経モトツネに擁立ヨウリツされて即位したが、
政治判断はすべて基経がした。
小倉百人一首の歌番号15番
万葉集の下記和歌の類想歌だという

君がため 
山田の沢に 
ゑぐ摘むと 
雪消の水に 
裳の裾濡れぬ  
『万葉集・巻10』読み人知らず
ゑぐ=オモダカのこと

写真は八つ手の花に
思わずパチリ

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