村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

朧月夜にしくものぞなき

2024-03-31 21:28:22 | 茶事 茶会 

 大江千里 
照りもせず
曇りもはてぬ
春の夜の
朧月夜に
しくものぞなき

照り渡るというのでもなく、
完全に曇ってしまうというのでもない
春の夜の、ほのかな
おぼろ月夜の風情に
及ぶものはない。

今日は五島美術館
お友達の茶会だ
濃茶に薄茶
点心は三友居

三月晦日
晴天
心地よい風が茶室に入ってくる
お茶会日和だ

五島美術館の建物は、
吉田五十八
ヨシダイソヤ
1894-1974
の設計
寝殿造の意匠を
随所に取り入れた建物だ

古経楼にて濃茶 薄茶
富士見亭で点心
若返り饅頭のお土産を頂戴した
この2つの茶室は本館と共に
国の登録有形文化財(建造物)になった

写真は
五島美術館茶室の横あたり

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川べりの青蕗の薹

2024-03-16 21:07:45 | 茶事 茶会 

 斎藤茂吉
日あたれば 
根岸の里の 
川べりの 
青蕗のたう 
揺りたつらむか

今日は森金さんの茶事

私目はお香の香炉を調整する
ウロウロしていたら
「何もしてないのね」とお弟子様に指摘された

席入して挨拶
そして始めに源氏香
その結果
ご正客様とご次客様が
ズバリと
当たられた
お見事

水屋は余裕の三名
緊張することなく
茶事の短い一日が過ぎた

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見ぬ恋つくる

2024-02-23 21:05:05 | 茶事 茶会 

紅梅や見ぬ恋つくる玉すだれ 芭蕉

今日は光琳茶会
MOA美術館は熱海
私は品川から乗る
新横浜から森金さんと、サカチカさんが乗ってくる
乗ったら彼女達二人分の席も取ってほしい
と言われ
初めて自分で行く自由席
二人の分も取らないと
何を言われるかわからない

緊張しつつ予定の新幹線
二号車の自由席に乗り込んだ
落ちついて中ほどの三人ならびの席を確保
真ん中に座って左右に手持ちのバックを置く

言われた通り
ちゃんと席取りましたぞ
「席は8のabcです」
ひとまず安心
買ってきたサンドイッチで
腹ごしらえ
美味しいんだ
このパン屋さん

車内放送
「次は静岡に止まります」
静岡
熱海は静岡の次かしら
新横浜が近くなり
また
車内放送
静岡だとアナウンス
すると
ライン
「8のAは男性が座っていますが…」
何言ってるのだろ
切符をみると
新幹線自由席特急券
時間も書いてない

どこか違う
ひょっとしたら静岡は熱海の先か

新横浜のホームに着き
お客様が車内に入ってくる
さあ、新幹線はまもなく出発するらしい
なんだかわからないが
多分この新幹線ではダメだ
降りよう
降りよう
降りまぁす
大慌てでホームに降りた

どうも違う電車に乗ったらしいので
のぞみ で後を追いかけます
なんてラインの返信
よくよく考えたら
こだま で行くべきところ
ひかり に乗った のだ

次のこだま で行きます
熱海で待ってて

乗る電車をはっきり把握してなかった事が
いけないのだけど
折角二人の席を取ったので
誉められる かと思ったら
お待たせして申し訳ありませんと
謝らないと いけなくなった

ちょっとしたことで
状況は変わる
ボーッとしてたらダメだろうけど
ボーッとしてるの


自由席はやめよう
指定席を取ろう
そしたら
ボーッとして
乗ればいいから

写真は
今日の茶会の点心

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うち靡く ウチナビク

2024-02-17 20:26:46 | 茶事 茶会 

 大伴家持
うち靡く
春ともしるく
うぐひすは
植木の木間を
鳴きわたらなむ

うち靡くウチナビクとは
「うち」は接頭語
草木、髪などがさっと横に伏せる。


今日はサカチカさんちの正午茶事
寄付の軸は松本一洋
待合は常信
本席は近衛家の十六代

写真の花は黒文字と賀茂本阿弥椿
花入はサハリ

近衛家当主
15 近衛尚通 コノエヒサミチ
  諡号 後法成寺
16 近衛稙家 コノエタネイエ
17 近衛前久 コノエサキヒサ
  一字名:竜・山・杉・春
  道号:竜山(龍山)
18 近衛信尹 コノエノブタダ
  信基(初名)→信輔→信尹
  諡号 三藐院
19 近衛信尋 コノエノブヒロ
  二宮(幼名)→信尋→応山(法名)
20 近衛尚嗣 コノエヒサツグ
  尚嗣→大元(法号)
21 近衛基熙 コノエモトヒロ
  号:悠見、
  一字名:悠・菊
22 近衛家熙 コノエイエヒロ
  豫樂院(号)
23 近衛家久 コノエイエヒサ
24 近衛内前 コノエウチサキ
25 近衛経熙 コノエツネヒロ
  号:後予楽院
26 近衛基前 コノエモトサキ
  諡号 証常楽院
27 近衛忠煕 コノエタダヒロ
  号:翠山
28 近衛忠房 コノエタダフサ
  号:光山
29 近衛篤麿 コノエアツマロ
  号:霞山。
30 近衛文麿 コノエフミマロ
31 近衛文隆 コノエフミタカ
32 近衛忠煇 コノエタダテル

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帚木の

2024-02-11 17:54:03 | 茶事 茶会 

 帚木の
 心を知らで
 園原の
 道にあやなく
 惑ひぬるかな
(源氏物語)
近づけば消えるという
帚木のような、
あなたの心も知らないで
近づこうとして、
園原への道に
空しく迷ってしまったことです


今日は
五島美術館でお茶会
昨年の「和」12月号の特集
源氏物語の茶会
寄付は土佐光起の長男、
土佐光成筆
ミツナリとかミツシゲとも
江戸初期から中期に活躍
描かれているのは
石山寺の紫式部

紫式部は中宮・彰子の為
新しい物語を作ることになり
石山寺に七日間参籠した
その際
まず青年貴族が
都から遠く離れた須磨で月を眺め、
かつての暮らしを恋しく思うシーンを構想
そこから物語を書き始めた

寄付の絵の
一部が和の表紙になっているとの
お席主の話し

本席床は
後醍醐天皇宸翰
吉野切
「おもひきやいのちをきわのあるままの
よその契りとならむものとは」
花入 認得斎作 竹一重切
銘 宮柱
花 鶯神楽 光源氏 白初嵐
香合 黒金泥 桐 一入
風呂先 淡々斎好 瑞雲
拾穂堂製
釜 利休丸 与次郎
炉ぶち 朱塗四季草花塗に
棚 宗旦好 爪紅台子 三代宗哲
皆具 仙叟好夕顔彫 五代浄益
火箸 桐の実頭 浄心
茶入 瀬戸金華山広沢手 銘 閑居
茶杓 又玄斎一灯作 銘塩竃
茶碗 黒楽 銘 柴垣 長入
次 御本
三 古萩
四 魚屋
菓子 若紫 鶴屋𠮷信
菓子器 鵬雲斎大宗匠好 黒縁高

写真は
五島の庭にあった椿
「光源氏」

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春たてば

2024-02-05 21:07:02 | 茶事 茶会 

 素性法師
春たてば
花とや見らむ 
白雪の
かかれる枝に
うぐひすの鳴く


今日は招かれて茶事へ
午後から雪になるとの天気予報
時間短縮に後炭を略しましょうかとのご亭主に
私は
いい人ぶって
略されてもいいですよと言いそうになったが
すぐさま
お詰めの三鳥さんは
速やかに行動いたしますので
後炭をお願いいたしますと
言ってくださった
嬉し
何事も素直が一番だが
私め
中々素直になれない

正午茶事は
後炭あってこそ
ふさふさと雪が降り始めた露地の景色を眺めつつ
茶事の沼に浸るのだ
わが日常とははるかに違う非日常の
なんと、風雅なこと

写真は
待合の大きな雛壇
どーんと空間を占めている
とても大きい
人形もお道具も大きい

出し入れが大変だとか
雛壇と毛氈などは別で
十四の箱に収納されているそうな
麗しい
またお招き下さいませ

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春立つ今日の風やとくらん

2024-02-03 21:02:59 | 茶事 茶会 

紀 貫之
袖ひちてむすびし水のこぼれるを
春立つけふの風やとくらん

今日は節分
御弟子様のひとりが
お寺で豆まきをするとか
裃姿の写真がきた
目出度い

明日は立春
今日は茶会
日本陶磁協会主催の
「お茶とお酒を愉しむ会」
本席の床は川端康成
「面白」
花入は火だすき 金重有邦作
花は曙とこぶし
釜は高橋敬典作
炉縁は紅溜塗 三代村瀬治兵衛作
風炉先 桑縁神代杉 菅原伸一作
水指 丹波イッチン 市野雅彦作
茶器 池田巌作
茶碗 
楽直入
加守田障二
今泉今右衛門
伊勢崎晃一朗
加藤清之
原清
鈴木三成
中里隆
竹中浩
鈴木五郎
小池頌子
小川待子
前田正博
川瀬忍
金重有邦
三輪休雪
滝口和男
三原研
市野雅彦
鈴木徹
伊藤秀人
新里明土
和田的
桑田卓郎
茶杓銘「翁」堀口捨巳作
建水 銀六角捻 長野烈作
お菓子は源太の常磐饅頭

写真はお酒の席のお食事
一人ずつ小山富士夫作のぐい飲みで
お酒を頂戴する
私のは皮クジラだった
あと煮物椀とご飯 香の物

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口あけて春をまつ

2024-01-30 20:54:19 | 茶事 茶会 

口明けて春を待らん 犬はりこ 一茶


2/3土曜日に柿伝で茶会がある
陶説に募集が出ていると
知人のミイーさんからメールをもらった

陶磁協会賞受賞者のお茶碗で
小山富士夫の酒器とともに食事を
「お茶とお酒を愉しむ会」

柿伝の地下2階柿伝ギャラリーでは、
陶磁協会賞受賞者の作品が展示されている
会員は9,000円
非会員は11,000円
まだ大丈夫かも


その日は
食事会の予定だったが
満員で予約が取れなかった
それなら
茶会に変更しようと
辛子さんと赤根ちゃんと
三名で行くことにした
ミイーさんと同じ時間に

次々と現代作家の茶碗が登場するとは
良いかも
楽しみである

写真は
もう芽吹きはじめた庭の
貝母
まだ1月なのに
早い

すでに春は来てるのかも

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大寒や

2024-01-20 20:53:44 | 茶事 茶会 

大寒や羊羹残る皿の底 龍之介

今日は大寒
昨日は暖かかったのに
寒い

今日は宗和流の初釜へ
宗和忌には伺ったことがあるが
初釜は初めてだ
最寄の駅からタクシーで向かう
タクシー降りてみるが
近くにいるはずなのに
辿り着かない
かつて来たことがある辛子さんに
先導してもらい
ようやく到着

風情のある門を入り
受付
寄付から待合へ
ユーチューブで拝見したことのある茶庭
予報では雪か
今は小雨降る
露地笠をかざして腰掛けで待つと
お家元の迎付があり
躙口から席入
至福の濃茶席を
名残惜しくも動座
お心入れの点心を頂戴し
不思議な階段を上り
薄茶席へ

お道具は大層素晴らしく
拝見するも嬉しい
満足しつつ駅へ

写真は撮らなかったので
一枚もない
たまたま撮った最寄の駅周辺

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寒牡丹

2024-01-18 20:38:34 | 茶事 茶会 

御仏は伎芸天女や寒牡丹 虚子

今日は東京道場にて
初釜式

コロナ禍や席入が早い時間の場合は
ずっと欠席していたが
今年は午後1時の席入なので
時間に余裕がある
久しぶりに参加させて頂いた

濃茶席は坐忘斎お家元、
薄茶席は若宗匠のお点前
濃茶 薄茶共に立礼席で
足も気持ちも楽だった

薄茶では福引を引くが
勿論、外れ
辻留のお弁当はお持ち帰り
滞りなく進み
午後二時半には終わっていた
茶会の時間が短いと
身体も気持ちも疲れない
風もなく穏やかな一日
ほのぼのと
和む

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しきりに雲をくぐりけり

2024-01-13 21:14:44 | 茶事 茶会 

寒の月しきりに雲をくぐりけり 万太郎

久保田 万太郎 
クボタマンタロウ
1889年(明治22年)11月7日 - 1963年(昭和38年)5月6日)
日本の小説家、劇作家、俳人。
俳号はじめ暮雨。
のち傘雨。
他に筆名千野菊次郎。
日本芸術院会員、
文化功労者、
文化勲章受章者。
位階・勲等は従三位・勲一等。
(ウィキペディアヨリ)

今日は
サカチカさんの新年の茶事
水屋担当する

正月らしい道具の取合せと
懐石料理

亭主のサカチカさん
膳を手渡し
酒をつぎ
飯器をまわし
汁替えが始まった

何だか席中が賑やかしい
どうやら汁替えを間違えたらしく
正客の汁替えを次客に渡し
正客にはみそ汁がないようだ
みそ汁を用意
亀甲里芋一つのところ
二つ入れ
オマケで梅人参ものせて
バージョンアップでお出しした
辛子も危うく洗うところ
捨てないで良かった

今年もサカチカさんは
毎月茶事をひらく
森金さんは三月から茶事の予定
ほかにも社中の何名かは
手探りで茶事をひらくらしい
茶の楽しみは茶事にあり
亭主七分の楽しみを味わおう

写真はお土産に貰った今日の主菓子
虎屋の花びら餅
美味し
嬉し

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行年の

2023-12-30 22:42:42 | 茶事 茶会 

 源実朝
塵をだに
据ゑじとや思ふ
行年の
跡なき庭を
はらふ松風


押し迫ってきた
今年もあと一日
今日はまた
飯台の茶事の水屋
四回目
お客様は社中の四名
席中のお酒がよく売れたようだ

今年は
自宅で安居の会という
月釜を披いていたのを
五月に終了した
19回続いたが
何でも限界がある
年齢、体力
経済的事情、家庭環境の限界
だからこそ
出来るときには
茶事をしようと思う

いつも
つたない私目のブログを
ご覧 頂きまして
感謝申し上げます

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あはれは深き年の暮かな

2023-12-29 21:49:33 | 茶事 茶会 

 寂蓮
知る知らず 
みちゆき人の 
けしきにも 
あはれは深き 
年の暮かな

今日は二十九日
カレンダーを見ると
小晦日コツゴモリとある

小晦日(こつごもり)は、
大晦日オオツゴモリ、大みそかの前日。

陰暦では12月29日を、
陽暦では翌30日を指す。
「朔サク」が
月が現れることを意味するのに対し、
「晦カイ」は
月が隠れることを意味する。

今日は
サカチカさんちの
茶事の水屋に入る
飯後の茶事だ。
サカチカさんの茶事は
月に一日がいつもだが
この年末には頑張って
茶事を四日間する
そのうちの三日間はもう済んだので
あと一日
明日
十二月三十日
小晦日の茶事だ

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らふそくの

2023-12-24 23:09:27 | 茶事 茶会 

らふそくの
燃えゆくはたのし
クリスマス 青邨

今日はクリスマスイブ
青邨とは山口青邨ヤマグチセイソン
山口 青邨は、
1892年5月10日
~1988年12月15日
日本の俳人・鉱山学者。
岩手県出身。
東京大学名誉教授。
本名は吉郎。
初号は泥邨。
高浜虚子に俳句を師事、
工学博士として東京大学に
勤めながら俳誌「夏草」を主宰した。 
(ウィキペディアより)


今日は昨日と同じ
サカチカさんちの茶事の水屋
続けての茶事だが
亭主と水屋のわたくしめ
案外疲れていない
元気だ
夜はM-1グランプリ
みてる

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野の中に土御門家や

2023-12-23 20:47:01 | 茶事 茶会 

野の中に土御門家や冬至の日 太祇

土御門家は
天文・暦数・陰陽道を司る公家。
姓は安倍。
平安中期の陰陽頭であった
安倍晴明の子孫で,
室町時代の有宣アリノブの時から
土御門家を称した。

昨日は冬至だった
今日は上皇陛下の御誕生日
明日はクリスマスイブ
ゆめぴりかの日

今日はサカチカさんちの茶事
水屋
飯台の茶事
いつもと違う懐石の出し方
汁替えはなし
一文字のご飯は物相に
味噌汁と
煮物椀は金色で
お酒は飯椀の蓋につぐ
などなど
お客様参加型だ
茶事
楽しいね

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