とても薄い、布のような革が手に入りましたので、ミシン縫いでくたっとしたバッグを作ってみました。
裏へ折り返すと
荷物が多くなったら
反対側を見せても
4通りの持ち方ができます。 ショルダータイプですが、長さを調節して斜めがけもできます。 これで8通り。 欲張りなバッグでしょう?
内袋も今回はカジュアルに、プリント柄を使ってみました。 ひだ付きのポケットと、ひだなしのポケットを下の方につけてあります。
たくさんの革の中から気に入ったのを選んでいたとき、Aさんが、
「見て~、こんなにちっちゃいんよ~」
と、言いました。
広げてみると、たたみ半畳分もない小さな革です。 そして、これが1頭分なのです。
おそらく生まれてすぐの子牛の革なんです。首からしっぽまでが60センチくらいの。
このバッグは、子牛2頭半分の革を使っています。
この子牛たちはどうして命を落とすことになったのでしょう。 せっかく生まれてきたのに母さん牛のミルクもろくに飲まないままに。
やわらかい子牛の肉を食べるためでしょうか。
まさかこの薄い革をとるために殺したのではありますまい。 貴重な革だったら、こんな所にまでは出回らないはず。大きくなれば広い革がとれるのに。 お値段は成牛よりうんと安いです。 こんなに小さなうちから殺すような効率の悪いことをするでしょうか。
わたしは、牛皮は、食用に殺された牛の皮で、皮をとるために殺されたのではないと思っているのですが、どうなんでしょう。 ミンクのように毛皮をとるためだけに殺してしまうのはいやなのです。
うう~ん、この子牛、革をとるために死んだのではないと、そう思いたいです。
これだけ革を切り刻んでおきながら矛盾していますが、子牛が哀れです。