情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

佐藤正久発言、you tubeにアップ~「日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろう」

2007-08-18 12:52:50 | 有事法制関連
 
 
 ブロガーを中心とする市民の間で、「シビリアンコントロール無視」、「憲法違反」との批判を浴びてきたヒゲ隊長佐藤正久参議院議員の違憲「巻き込まれ」行動発言が、YOUTUBE(←クリック)にアップされたので、まだ、ご覧になっていない方は、ご覧下さい。国会議員が「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから」と堂々と、イラク特措法を潜脱する意図があった旨発言をしている姿は、この国が民主主義国家であることを忘れさせてくれる。(参考記事は、ここここここここここここここここここなど)

 佐藤正久議員が巻き込まれてでも助けなければならないと考えたのは、「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、 自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」というのが理由だ。

 では、「自衛隊に対する批判」が出ることを防ぐ義務が佐藤正久ヒゲ隊長にあったのか、といえばなかったというほかない。国会が決定したイラク特措法に基づいてイラクに派遣された以上、その法律の範囲内での活動をすれば足りるのであり、ヒゲ隊長が超法規的措置に出なければならない義務なんてない。もし、批判を浴びたら、国会で議論をすればいいことだ。もしかしたら、そもそも、自衛隊を海外に派遣すること自体に問題があるという結論になるかも知れないし、非戦闘地域だという判断を誤ったという結論になるかもしれない。つまり、「何らかの対応をしなかったことへの批判」があったとしても、自衛隊が「駆け付け警護」をするべきだという結論になるとは限らないわけだ。それにもかかわらず、ヒゲ隊長が、違憲と解釈されている「駆け付け警護」を行う義務はないのは明白だ。

 では、駆け付け警護をしてもよかっただろうか?つまり、ヒゲ隊長に駆け付け警護を命じる権利があっただろうか?これも、明白に「否」だ。自衛隊がシビリアンコントロール下にある以上、国会が決めた「イラク特措法」を超えた行動をすることは許されていない。これは、特に日本においては、戦前の日本軍の暴走への反省もあり、厳格に守られなければならない。

 でも、辞任を要求するほどではないのではないか?そんなことはない。

 まずは、遵法意識が欠如している。年金未納問題であれだけ騒がれたように、立法者である国会議員に遵法意識がないことは大問題だ。今回だって、「自衛隊が駆け付け警護できないことは問題があるので、法を変えるべきだ」という発言なら許された。彼は、違法なことをするつもりだったと述べたうえ、そのことを反省していない~つまり、違法なことを現在もするつもりがある~のだから、辞職は当然だ。
 
 また、シビリアンコントロールを無視することを肯定する議員に対して辞任を要求するのは当然だ。私たちは、戦前の軍部暴走を止められなかったという歴史を知っており、そのような行為を二度と繰り返してはならないと考えている。ヒゲ隊長が、「イラクでは巻き込まれ行動まで考えていたが、いまはそのことは反省している。シビリアンコントロールに服さない自衛隊であってはならない」という文脈で発言したのなら許されるが、そうではない。

 もちろん、そういう批判を受けても、ヒゲ隊長が一議員として「シビリアンコントロールなんて不要だ!」という主張を貫きたいということ自体は、勝手かも知れない。市民の辞職要求を無視することも当然出来る。しかし、自民党はシビリアンコントロールを明確に憲法に書くことを党の方針として打ち出している。新憲法草案(←クリック)の9条の2(自衛軍)の条文は次のようになっている。

第9条の2(自衛軍)
① 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。
② 自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
③ 自衛軍は、第1項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
④ 前2項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

つまり、自民党の新憲法案でも、自衛隊(自衛軍)の活動は、「国会の承認その他の統制に服する」「法律の定めるところによ」る、と明確に規定してある。

そこで、安倍自民党総裁に、「シビリアンコントロール無視発言」をしたヒゲ隊長は自民党議員として党の方針に反するのでしょうから、辞職するよう勧告してはどうか、と要望しているわけだ。


いずれにせよ、佐藤発言を庇う方は、公開質問状の7つの質問にまず、自分自身で回答してみることですね。とっても難しいと思いますよ。難しいということ自体、佐藤発言が問題であったことを裏付けることになるわけです。


さて、佐藤ヒゲ隊長、前首相小泉、現自民党総裁安倍の各氏は、公開質問状に対して簡単に回答をしてくるとは思えない。

そこで、そこで、皆様にここ(←)を通じて、どしどし、公開質問状(ここ←参照)にご賛同いただきたいのです。

その賛同の声を背景にして、3氏に回答を迫り、マスメディアにも記事として取り上げるよう求めていくことが出来ると思うのです。
 
しかし、義務もなく権利もない駆け付け警護命令を下そうとしたヒゲ隊長の動機は、一体何だったのだろうか…。






 


★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本人よ、広田弘毅たれ!って意味かと。 (田仁)
2007-08-18 14:52:53
兎に角、既成事実を作ってしまえば如何にかなる!たとえ後で命が懸かっても、ズルズルと追認するのが日本人の性質!と、米軍と日本政府に舐められてる訳ですよ。
8月10日締結の「日米軍事秘密一般保全協定」(GSOMIA)は集団的自衛権の行使と共同軍事作戦の実行を前提とし、現行憲法下では締結不可能なはずの「違憲協定」が、国会の承認すらないまま。
ミサイル防衛網も含め、事後に引き摺られるだろう!と、「天皇の統帥権」ならぬ、「米軍の国際貢献」ですよ。
戦前と今じゃ、錦の御旗が違うんだけど、最大の違いは外国製って事ですね!
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命がけで憲法を破ると発言した知事がいましたが (東西南北)
2007-08-18 22:43:58
 石原慎太郎東京都知事です。自民党にはろくな人物がいませんね。法律で裁かれてやるって確かに当選しちゃいましたね。後は、国民が辞職させるかですがどうなることやらです。友達がテロに殺されかかっているから「駆けつけて」テロと戦うっていう集団的自衛権の行使論って根強いですもんね。

 ジーソミアも赤旗が自衛隊の監視部隊のスパイ行為をスクープしましたがイマイチ盛り上がらずでした。軍事機密は情報非開示で漏らせば厳罰の癖に、国民運動に対してはスパイ行為をするのが自衛隊と米軍なんですが、結局、軍事力を肯定する者は、軍事機密の漏洩を恐れて国民を監視する方向へと行くんでしょうね。
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Unknown (DT)
2007-08-19 00:05:41
日本人が、原理原則ではなくて、その場の流れに、空気によって、判断を下すといわれるが、その典型的な例のような気がします。

自分を振るかえってみても、原理原則ではなくて、その場に流されてしまうことも多い。
原理原則をしっかり考えながら、判断するようにしたい。
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佐藤正久は憲法9条へのテロリスト (ゴンベイ)
2007-08-19 07:26:09
「テロ」や「テロリスト」という言葉の乱用は慎まなければいけませんが、佐藤の場合はまさにピッタリくるといって過言ではないと思います。

内乱罪(刑法77条)、内乱予備・陰謀罪(刑法78条)、内乱幇助罪(刑法78条)はまだ生きていますが、佐藤がやろうとしていたこたとは小泉らが呼応したであろうことを考えれば内乱予備・陰謀罪か内乱幇助罪に該当するのではないかと思いますが、どうでしょう。
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フフフ…、内乱罪! (田仁)
2007-08-19 12:31:19
一番上にコメントを入れさせて頂きました、集団的自衛権の行使と共同軍事作戦の実行を前提の「日米軍事秘密一般保全協定」(GSOMIA)は、国会承認をしなかったので違法なんですが、五月蝿そうな野党議員の口封じにシーファー大使が「全国会議員に米国の機密を情報開示」という「特権」(大量破壊兵器の嘘には米国会議員も騙された!って言ってんのに、ド厚かましい!)で釣ろうとした、という顛末まで付くんですよ。
米国風に言えば、「共同謀議」。
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伊勢賢治さんがなさっているDDR活動 (ゴンベイ)
2007-08-19 19:47:09
なるほど♪ママダイアリー:News for the People in Japanから「国際協力は9条のこころで」伊勢賢治さんの講演より転載 - livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/naru153/archives/51040301.html
経由で知った
「許すな!憲法改悪・市民連絡会」:私と憲法
第24回市民憲法講座:国際協力は9条のこころで
伊勢賢治(東京外国語大学大学院教授)さん の話
http://www.annie.ne.jp/~kenpou/news2/ns75.html#koza

伊勢さんがなされていたことや考え方を佐藤正久や読売に教えたい。
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LivedoorのPJがさっそくこんなことを書いていますが (Sola)
2007-08-19 22:48:14
http://news.livedoor.com/article/detail/3272744/
曰く、”佐藤議員は「人間であること」を選択したに過ぎない”んだそうです。で、日本人は”日本人さえ死ななければ他国民が何人死のうが意に介さず、とにかく国内法を守ったことに満足する身勝手で愚かな民族に成り下がりつつある”んだそうです。

「駆けつけ警護」による武器使用で傷ついたり死んだりする人間は無視ですかそうですかはいはい、と思った次第です。
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確かに日本人は (imacoco)
2007-08-20 14:49:17
愚かな民族に成りつつあるんですけど(既に8割方そうなってます) 何がその事実を見えなくしているんでしょうか。今も、罪無き民衆が無慈悲なアメリカの爆弾の犠牲になっています。 そんな酷い行為に、マトモな人間は協力しません。

麻原崇拝をしている集団が未だに崇拝を止めないのと、同じです。狂気ですね!
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TBSの申し立てでYoutubeが動画の一つを削除 (Sowetokwaito)
2007-08-20 21:48:28
http://jp.youtube.com/watch?v=NhyRh0rrOtM
駆けつけ警護
02:01 From: kikidondon
Views: 137

上にかかげた同一内容の動画が「この動画は、著作権法上の権利が侵害されたとのTokyo Broadcasting System, Inc.による申し立てにより削除されました。」となっています。見るなりダウンロードするなら、急げ。
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佐藤が行った時のサマワは安全だった (ゴンベイ)
2007-08-21 09:32:29
自衛隊に協力したイラクのムサンナ州知事がサマワで暗殺された!
☆イラク南部ムサンナ州知事、暗殺される 路上に爆弾 (米国CNN)

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200708200024.html

http://megalodon.jp/?url=http://www.cnn.co.jp/world/CNN200708200024.html&date=20070820211749

イラク内務省当局者によると、イラク南部ムサンナ州のサマワで20日午前、同州のハッサーニ知事を狙ったとみられる路上爆弾が爆発し、同知事が死亡した。

帰国後にオチャラケ言えるほどだったんですね。
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