情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

inmate locator で受刑者のデータ公開の国アメリカと所在すら確認できない国日本

2009-01-30 20:40:35 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 米国には、inmate locator(受刑者検索)っていうのがあって、だれでもインターネットで受刑者の所在を確認することができるっていうのは知っていたが、改めてアクセスしたところ、受刑者の住所や年収のデータが有料で販売されていることを知って唖然。受刑者にはプライバシーはないのか…。

 試しに、http://www.theinmatelocator.com/ で州を選んで、tanakaとか、suzukiとか、入れてみると、結構ヒットする。つまり、フルネームが分からなくても、受刑者を捜すことが出来るわけだ。さらに、あれこれアクセスしていくと、住所や年収のデータを売るサイトや受刑者を顔写真付きで紹介するサイト(恋人募集サイト)などまであって、かなりびっくり。

 他方、日本の刑務所はというと、先日、某刑務所に受刑者への面会を事前に申し出たら、電話ではその人がいるかどうかさえ、答えられないとの冷たいお言葉だった。実際に刑務所まで足を運んだ上でないと答えられないというのだ。

 まぁ、事前に面会に行く日を伝えていたから、支障はなかったが、あまりのガードの堅さにびっくり。これでは、社会から完全に隔離されているって感じ。

 それに引き替え、恋人募集サイトまである米国の受刑者は、社会とのつながりを維持しつつ、社会復帰を目指すことが出来そうだ。とはいえ、やはり、プライバシーが…。

 アクセス確保とプライバシー保護のバランスは難しいね…。日本もアメリカも行きすぎかなぁ…。

 





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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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先の大戦で失った海運業界との信頼を取り戻す~ソマリア派遣について海自幹部発言

2009-01-29 05:25:27 | 有事法制関連
最近は、驚くことが多すぎて、何だか、オオカミ少年のようでヤなんだけど、28日付の読売新聞に掲載された海上自衛隊幹部の発言には驚かされた。第2次大戦の反省がないのは、航空自衛隊だけではないんだ…。

 問題の発言は、ソマリア沖への海上自衛隊派遣の海賊対策「警護要領」について説明する解説記事(スキャナー)で取り上げられている。

 ショック死しないでくださいね。

 【「先の大戦で、日本海軍は日本の輸送船団を守ることができなかった。その時に失った海運業界との信頼を我々が取り戻さなければならない」と海自幹部は話す。海自にとって初の商戦団護衛は、歴史を清算する意味も持っている。】

 おいおい、戦争を継続するための物資の輸送の護衛と今回の護衛を一緒にしようと言うのかい?どっかで戦争をおっぱじめるつもりかい?

 「守ることができなかった」?「海運業界との信頼」?…そもそも、始めるべきでなかった戦争を軍事のプロとして止めようともしなかったことが問題なのだろう!今回だって、ソマリアへ海自を派遣するよりも、ソマリアの治安維持、経済発展に努めれば、状況は改善するに決まっているのに、そういう進言もせず、ソマリアに喜々として部下を赴かせようとしている。

 まぁ、読売もこの言葉を受けて、「歴史を清算する意味」だなんて書いているけど、もっと分かりやすく書いてくれよ。歴史を清算するってどういう意味だ?今度は勝つぞ、勝って汚名を晴らすぞってことか?

 いつから我々は、戦争ボケになってしまったのか!

 



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年末に弁護士資格を取得した者のうち66名が現在、「失業」中~多い?少ない?

2009-01-28 02:56:09 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
 ロースクール形式の司法試験を受けて昨年12月17日に修習(法曹資格をとるための研修)を終えて、法曹資格を取得した者は、1731人で、そのうちの66人が1月26日現在で弁護士として登録をしていない(裁判官、検察官になった者を除く)ことが日弁連の調査で明らかとなった。

 正確な内訳は、裁判官75人、検察官73人、弁護士として登録した者1571人で、弁護士として登録していない者が66人だ。

 日弁連の説明では、修習終了後2ヶ月程度で10数人に減るというが、それでも66人というのは、私の感覚では、修習の際の1クラス分の人数であり、異常に多いという感じがする。

 そもそも、弁護士は、弁護士会に登録をしないと弁護士業務を行うことが出来ないが、登録料や月額の負担金が数万円になるため、就職できていない者は登録を差し控える傾向がある。
 
 もちろん、体調の問題などで登録を差し控える人もいるが、66人の多くは、いわゆる「失業者」ということになるのではないだろうか。

 少し前は、地方に行けば就職できると言われていたが、いまは、地方弁護士会も必ずしも大歓迎というわけではないようだ。

 ロースクール制度が発足した時は、7割くらい法曹資格が取れるようなことを言っておきながら、実際の新司法試験合格率は半分以下という状況であるうえ、せっかく、法曹資格をとっても、4%が就職できないというのでは、国家的詐欺だといわれても仕方ない。

 ここで、弁護士の数を増やせば、市民が弁護士を使いやすくなると言われていたが、弁護士だけ増やしても、リーガルエイドを拡充して、弁護士を利用しやすくしないと、結局は企業にしかメリットがないことになることにも触れておきたい。

 どんどん弁護士を増やすことによって、「着手金がちゃんと払えないうえに、非常に手間がかかるような事件に取り組んで、市民のための新しい判例をつくろう」という弁護士が増えると思いますか?

 競争が激しくなればなるほど、金にならない、難しい事件を敬遠し(=だって、やればやるほど、赤字が大きくなるのだから)、数は少なくとも、簡単で金になるような事件ばかりを選ぶようになると思いませんか?

 日弁連も、「活動領域の拡大」なんていう前に、リーガルエイド予算を10倍にしようという運動でもしたらどうだろうか?

 さもないと、日弁連も結局企業法務をしている弁護士に牛耳られているから、リーガルエイドを増やすと企業相手に訴訟を起こす者が増えてやっかいだと思っているに違いない、とか思われてしまうのではないだろうか?

 そう、私が弁護士でなければ、きっとそう思うだろう。
 




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-貧困と格差 もはや日本は発展途上国-橋本勝の政治漫画再生計画第154回-

2009-01-27 06:14:55 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
80年代の半ばに東南アジアを旅しましたが
特に印象的だったのがフィリピンでした
マルコス政権の独裁政治の歪みが人々の暮らしを苦しめていました
ショックだったのは夜のマニラで見た路上で寝ていたホームレスの家族
その中に小さな子がいて胸が痛みました
そして夜の町をうろつくストリートチルドレン
通称スモーキーマウンテンとよばれているゴミの山の中のスラムで暮らす人びと
マニラの都市の高層ビルと地にへばりついているようなスラムの対比
少数の大金持ちと圧倒的多数の極貧の生活する人たち
こうした光景はタイ、インドネシア等の発展途上国に共通するものでしたが
悪政が庶民の生活をいかに苦しめるかということを
物語っているのがフィリピンでした。
数年後マルコス政権は、
ピープルパワー!国民の怒りの力で崩壊しました
麻生首相によれば日本はアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国だという
でも、最近の日本をズバリ言えば
発展の望みのない発展途上国なのだ
そんなことを強く感じさせてくれたのが「年越し派遣村」です
アメリカ発の金融危機で日本の経済もピンチとなり
空前の好況で浮かれていたトヨタをはじめとする大企業は派遣労働者を
いっせいに解雇、彼らは冬の冷たい野外に放り出されました
それは国民総中流社会の日本という幻想が崩れ落ちたということを
まざまざと思い知らせてくれた出来事でした
ごく一部の富裕層と、大多数の貧困層という格差社会へと日本は転落です
もっともこうした貧困の増大と格差の進行は
ここ数年、顕著になっていました
毎年自殺者は3万人をこえ、保険がないため医療を受けられない人が増え
餓死者さえ出る始末
21世紀になって日本はまるで
発展途上国になってしまった観さえあります
これは自民党政権を(特に小泉政治に浮かれていた)なんとなく許し続けてきた
われわれ国民の責任でもあります
今こそ日本のピープルパワーの力で日本を変えていこうではありませんか。

【ヤメ蚊】
 結局は情報につきるわけです。金持ちは仲間内で設け話を回して儲け、それがだれにでも叶う夢であるかのように見せかけ、博打資本主義に対する異議を述べる声を封じ込ませた。例えば、インサイダー取引をしたら二度と立ち直れないくらいの罰金を科すとかしないと、卑怯なやり方で儲けることがこのまま通ってしまう。そう、本来、卑怯な儲け方とされるべき手法がもてはやされたのが、新自由主義経済だったわけだ。

 なお、橋本勝さんの新刊本が出来たので御案内します。この本を使った紙芝居が2月28日午後1時半から、市川市民会館で行われる《「憲法改正」と問う連続市民講座》で披露されます。メーンスピーカーは、金子勝・立正大学教授です。





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京品ホテルの自主営業に幕切れ~しかし、ターニングポイントにしよう!

2009-01-25 11:30:12 | 労働問題
 黒字経営なのにオーナーが投機で大損をくらったため、従業員を解雇して、不動産として売却することになった京品ホテルは、その後、買主が売買契約を解除したため、明け渡す必要がなくなったにもかかわらず、裁判所は強制執行を認め、ついに、1月25日早朝、強制執行が決行された。

 現場は支援者も詰めかけ、ピケを組む中、8時50分過ぎから警官隊が突入し、約150人が30分ほどで排除された。

 こうして、自主営業には幕が下ろされたが、労働契約は対等な関係にある者同士の契約ではなく、労働者には抵抗する利があることを世に問うた京品ホテル労働者及び支える仲間たちの声は今後、どう伝えられるのだろうか。

 幸い、若い支援者も多く参加しており、今後の労働運動の展開に希望が持てるような気がした。



 実は、私も、同僚弁護士の応援で午前5時ころから待機していたが、夜明けが近づくとともに警察車両が続々と集まり、不穏な空気。7時に現場に近寄ってきた執行官も実行する構えだった。

 現場での1回目の話し合いを終えて双方検討した後、2回目の話し合いに臨んだが、すぐに決裂し、執行官が現場に詰め寄るとともに、警官隊が乱入してきた。いったん、引いてから再度押し寄せてくると勝手に予想しており、ちょっと油断していたために、片手に持っていたパソコンにEモバイルがささったまま、いつの間にかピケの最前線…。

 というわけで、Eモバイルを現場で拾った人、京浜ホテル労組に届けて下さ~い。

 
 10時から事務所で打合せがあったので、排除された後、すぐに現場を離れたが、幸い、大けがをした人はいなかったようだ。

 それにしても、買手がいないのに、この執行を実行して一体どうするんだろうか…。 
 
 
 ※画像は、http://keihinhotel.blog49.fc2.com/ より





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格差固定社会~政治家は相続税「脱税」し放題の国日本

2009-01-23 16:20:26 | メディア(知るための手段のあり方)
 これまでは、なぜ、2世や3世が多いのか、政治家は儲かるんだろうな…ぐらいにしか思ってなかったけれど、なんと、政治家は、相続税を合法的に「脱税」することができるらしい。週刊文春の1月29日号の「麻生自民はこれだけ日本をダメにした」という記事(上杉隆氏、佐藤優氏、荻原博子氏の鼎談)の中で、上杉氏は次のように発言している。

「じつは、親の政治資金管理団体から子の政治資金管理団体に資金を移すときは、寄附という形であればすべて非課税なんです。世の中には相続税で頭を悩ませている人たちがいっぱいいるのに、政治家は何億円という遺産を事実上無税で相続できる唯一の職業ということになります。年末、このことを『週刊文春』で書いたら、何人かの世襲議員から『あれだけは書くなよ』と苦情が来ました」

 どえれぇことでっせ。金持ち優遇にもほどがある。

 世襲議員が相続税を納めてくれたら、年越派遣村をいくつ、何日、運営できることだろうか…。

 これだけでも、世襲議員を落選させる価値がありそうだ…。

 
 なお、佐藤氏は、上記発言に続けて、政治家は「億単位の蓄財も可能だ」と述べている。続きは、週刊文春今週号で…。


※画像は、http://www.kyudan.com/data/seshu2.htm より


 

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格差固定社会~学費が超高い日本:奨学金返還滞納者ブラックリスト化に賛成反対?

2009-01-22 05:21:59 | 教育基本法・やらせ質問
 昨年末に発表された、奨学金の返還滞納者について信用情報機関に報告する=いわゆるブラックリストに掲載する=という日本学生支援機構の方針に対し、反対の声が上がっている。25日には、東京と大阪でデモや集会が行われるという(下記参照)。

 いやぁ、私自身、高校、大学と奨学金を使わせてもらったんですがね、もし、奨学金制度がなかったら、と考えると、人生がずいぶん違っただろうなと思わざる得ない。まぁ、それでも、親は何とかしてくれたかもしれないが、正直、大学を卒業することは難しかったかもしれない。
 
 ほかにもそういう人は結構多いと思う。だから、利用者はこの制度の存在に感謝しているし、余裕があれば、返済するつもりはあると思う。

 それにもかかわらず、「平成19年度末の返還状況について見ると、延滞分を含む要返還額3,175億円に対して、2,515億円が返還され未返還額は660億円となって」いるのが現状のようだ(日本学生支援機構ウェブサイト)。なぜ、これだけ滞納されているのかは分からないが、大変な額であることは間違いない。

 日本学生支援機構は、独立行政法人化したことで回収もきっちり行うようにとの政府からの指導が行われるようになり、ブラックリスト化まで行うこととしたようだ。

 まぁ、返すことができるのに返さない人がいるのだろうから、それは問題だが、信用情報機関への通報が、わずか、3ヶ月の滞納でなされてしまうというのも、ちょっと早すぎるようにも思う。

 …な~んて考えつつ、下記の集会案内を読んでいたところ、そもそも「日本の学費が高い」という問題をスルーすることはできないと思い至った。

 そう、素晴らしい学生を育てることは、その人だけでなく、社会全体にとってメリットがあることだから、学費を限りなくゼロに近くして、できるだけ、多くの人に大学で学んでもらうチャンスをもってもらうことは重要なことだ。

 それなのに、日本は学費がどんどん高くなっていく。

 そもそも、中学受験だなんだって、金持ち優遇社会になっている。それに加え、大学の学費まで高いというのは、かなり厳しい。経済的理由で、進学を断念する人も多いのではないだろうか。

 もちろん、少子化によって、進学率そのものが低くなることはないのかもしれないが、もし、当たり前のように大学進学をするようになるのだとしたら、それこそ、無料にしたっておかしくないわけだ。

 キーワードは、多様性。いまの学費では大学に進学できないような人も望めば大学に進学し、社会に役立つ人材となってもらう…そういうことで、多様な人材が育つことになる。

 学費の高さは、「俺さえよければいい度」の高さを表しているように思う。そのことを私たちは恥じなければならないし、そのような情報を市民に伝えず、格差社会の維持を図ろうとしている政官財の連中には厳しい批判の目を注がなければならない。

 そして、学費無料化に逆行する、学生支援機構の滞納者ブラックリスト化には、やはり反対せざる得ない。

※グラフは:http://www.dylj.or.jp/site/special/student/gakuhi_1.html
 

■■ シンポジウムのご案内 ■■

「ブラックリスト化反対!学費を無料に!」

 2008年末、日本学生支援機構が「奨学金滞納者のブラックリスト化」を発表しました。

 これは、奨学金返済が三ヵ月以上滞った人を金融機関に通報し、クレジットカードを作ることや銀行ローンを組むことを困難にするというものです。さらにこのようなリストが出まわれば、アパートを借りることすらままならなくなるでしょう。

 そもそも大学生の半数が奨学金を借りているのは、学費が高いからです。日本にいるとついつい忘れがちですが、世界的には学費が無料でないことがおかしい。高等教育は誰でも受けられるはずのものです。

 大学では教員ばかりでなく、学生も研究活動という仕事をしています。だから、ほんとうは学生が大学に学費を支払うのではなく、大学が学生に賃金を支払うべきです。

 しかし日本学生支援機構は、奨学金によってこの不払い労働を是正するどころか、たんなる借金として返済をせまり、滞納者をブラックリスト化するとまで言っています。どこが「学生支援」なのでしょうか?

 大学のこと、学費のこと、奨学金のこと。ちゃんと話が聞きたい、しゃべりたいことがたくさんあるという皆さん、ぜひご参加ください。


[出演者]
 入江公康:大学非常勤講師、著書に『眠られぬ労働者たち』(青土社)
 岡山茂: 早稲田大学政治経済学部、アレゼール日本(高等教育と大学の現在を考える会)
 矢部史郎:著述家、著書に『愛と暴力の現代思想』(青土社)他

[日時] 1月25日(日)、13:30(13時開場)
[場所] 早稲田大学26号館(大隈タワー)702号室
     地図: http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

*  大隈講堂の隣にあるタワーです。

[主催] ブラックリストの会in東京

* 問い合わせは、栗原まで。(yasushi@ki.rim.or.jp)

* なお同日に、関西ではブラックリスト化に反対するデモと集会が行われています。
 詳細はこちら → http://kanekaese2009.web.fc2.com/index.html








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「なぜ無実の人が自白するのか  DNA鑑定は告発する 」の衝撃的事実

2009-01-21 04:16:34 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 取り調べの可視化が全州で実現していない米国では、日本と同様、冤罪がまだまだ多発しているという。日本と状況が違うのは、警察が証拠物をきっちりと保管しているため(※1)、DNA鑑定を行うことによって、冤罪事例が次々と明らかになっているということだ。この一連の冤罪発覚によって、米国では改めて、取り調べの全面録画・録音を導入しない限り、警察の不当な取り調べ(犯人検挙というプレッシャーに押されたもの)を防ぐことはできないという議論が盛り上がっているようだ。

 この一連のDNA鑑定鑑定による虚偽自白発覚事例などを取り上げたのが、スティーヴン・A. ドリズィン氏とリチャード・A. レオ氏の新著「なぜ無実の人が自白するのか  DNA鑑定は告発する」だ。

 この新著では、警察のとる行動がいかに国境や文化を超えるものかが、よく分かる。

 31頁に次のような記述がある。

 【米国の警察官は、しばしばねつ造された証拠を被疑者につきつける。たとえば、存在しない目撃証人や虚偽の指紋、偽造されたビデオテープ、偽物のポリグラフテスト結果等である。警察官が既に被疑者が有罪だという証拠を所有している場合は、そのような証拠の種類、量、強さを誇張する。このテクニックは、被疑者に対する訴追側の立証が、いかなる疑いをも超えて有罪を立証するほどに説得力あり、不変であること、それゆえ、逮捕、訴追、有罪判決が避けられないことを被疑者に確信させることを目的とする。これらのテクニック-弾劾、否認の切り崩し、アリバイ崩し、実物で荒れ存在しないものであれ証拠を突きつけること-は、しばしば取調べの圧力をエスカレートさせながら繰り返される】

 そのような【現在の取調べ技術は、真犯人を自白させる目的で構築されてきたものであるが、心理学的にみて、無実の人から自白を引き出すほどに強力なものである】(33頁)という段階にあるという。


 …適正手続きを重んじるはずの米国ですら、全面可視化が実現するまでは、あるいは、まだ実現していない州では、日本と同じような状況なのだ。

 もちろん、警察に悪意があってそのようなことをしていると言いたいわけではない。警察の事件を解決しようという熱意が真実を発見することよりも、「犯人」とされる者を逮捕し、自白させるということを重視することにつながっているという。この点も日本と同じ状況だ。

 で、驚いたのは、実は、虚偽自白をするまでの取調の時間を分析した結果だ。

 通常の取調の90%以上は2時間以内に終了しているのに対し、虚偽自白だった事例のうち、時間まで把握できたものの平均は16.3時間。時間帯別では、6時間以下が16%、6時間~12時間が34%、24時間~48時間が7%、48時間から72時間が2%、72時間~96時間が2%だという。

 びっくり! しませんか。あまりの時間の短さに…。そんなに簡単に人は虚偽自白に追い込まれてしまうんだ…。

 日本では、否認をしたら、一日6時間~12時間の取調を実質14日間くらいはしてしまう。そうすると何時間になりますか…。

 米国では、わずか、平均16.3時間で虚偽自白をする。それと比較して、日本での取調時間の長さから、日本での虚偽自白の多さは容易に想像できるというもの。


 裁判員候補の通知が来た人にお薦めの一冊です。


※1:日本では、現場に残っていた「資料」を科学的に分析する際に、なぜか「全量消費」してしまい、後で追加テストを行うことができないことがよくある。







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「否認事件 難しさ浮き彫り」って無罪にすることは「難しさ」の顕れ?~毎日裁判員記事

2009-01-20 07:21:18 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 毎日新聞が、当初検察が起訴せず、検察審査会の不起訴不当を受けて起訴した横領事件が無罪になったことを受けて、「否認事件 難しさ浮き彫り」との見出しの解説記事を1月20日付朝刊に掲載している。

 ダメだよ~、毎日新聞、これだけ裁判員について報道され、裁判の原則だって、結構、読者は詳しくなっているんだから、無罪になることを否定的にとらえるような表現をすることが問題があることくらい、もう、徹底しないと。

 毎日新聞(http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090120ddm041040155000c.html)によると、双方の主張は、

【起訴状は、武蔵被告が99年4月に組合名義の預金口座を無断で解約して6億円を引き出し、成瀬被告名義の口座に送金して着服したとしており、検察側は武蔵被告に懲役7年、成瀬被告に同5年を求刑。弁護側は、保養所として使う土地建物の取得交渉の報酬として組合側が成瀬被告に6億円を支払ったと反論、無罪を主張していた。】

というもの。


 起訴に至る経過は、

【東京の屋外広告業者らでつくる「東京屋外広告ディスプレイ健康保険組合」(東京都豊島区)の定期預金を解約して6億円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元常務理事、武蔵克之(71)と元会社役員、成瀬輝修(61)両被告に対し、東京地裁(三好幹夫裁判長)は19日、無罪を言い渡した。東京地検は両被告をいったん不起訴としたが、検察審査会の「不起訴不当」議決を受けて再捜査し、一転して起訴していた。】

というもので、

判決は、

【「組合理事長らが成瀬被告に交渉を依頼した。金額は常識の範囲をはるかに超えているが、暴力団など『影の力』を期待したと言える」と認定し、業務上横領罪には当たらないと結論付けた。】という。


 この流れには何の不思議さもない。

 暴力団がらみの事件を検察が不起訴とした。これに対し、一般市民がおかしいのではないかと、判断し、起訴に至った。しかし、結果的には有罪とまでは認定できなかった。

 極めて普通のことであり、これをことさら取り上げて、【起訴議決は裁判員制度と同じく、司法に民意を反映させる目的があり、審査会の権限を強化するものだ。だが、今回の判決のように、審査会の強制的な起訴判断が最終的に、判決で無罪に覆るケースも想定される。】などと書くのは、極めておかしい。

 この解説の裏には、いったん起訴されたら、有罪にならないといけない、という価値判断が前提にある記事としか思われないからだ。

 起訴されても有罪までの認定はできないということを不思議に思わないような記事を書かないと、裁判員に起訴された人は原則有罪という予断・偏見を与えることになりませんか?

 同時に検察審査会のメンバーにもプレッシャーを与えかねない記事だと思う。



 …正直、この時期の記事としては、ちょっとお粗末なような感じがする。

 
 ※画像は裁判所ウェブサイトより。



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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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陪審の持つ「法律を無視するパワー」…「アメリカ人弁護士が見た裁判員制度」より

2009-01-19 03:07:37 | メディア(知るための手段のあり方)
 最後発集団として、裁判員本を出版する予定の身としては、ほかの本を宣伝するのは共同執筆者に怒られるかな(笑)って思いつつ、さすがに陪審員の本場の国の制度は違うなってことで、ぜひ、「アメリカ人弁護士が見た裁判員制度」(コリン・P・A・ジョーンズ/平凡社新書)を手に取ってみてください、と言ってしまおう。

 いやぁ、いかに日本と米国で市民の権力観が違うかよ~く分かる。

 特に「陪審の持つ『法を無視するパワー』」は圧巻だ。

 簡単に言うと、権力が法を無視して、あるいは、法を利用して、市民に刑罰を押しつけようとするとき(=つまり、人権侵害が起きようとしているとき)には、陪審制なら、その人権侵害を止めることができるというのだ。

 なぜなら、陪審員は理由を告げることなく、有罪ではないという評決をすることができるから。

 英国では、馬泥棒には死刑が科されていたころ、ウサギ泥棒という認定をした陪審員たちがいたという。

 そして、米国では、奴隷制を持つ州が残っていたころ、他の州で奴隷の逃亡を助けた者に対して、有罪の認定はしなかったそうだし、ベトナムの良心的兵役拒否に対する裁判も有罪にならないことが多かったという。

 それに比べ日本はどうか?

 ビラまきをしただけで、何十日も拘束した挙げ句、罰金刑の有罪になったりしている。

 ビラまきをしただけで、ですよ。一日拘束すれば、もう十分懲りるでしょう。それ以上拘束したのだから、もう、それだけで刑罰としては過当であり、本当は無罪にするべきものであるはず。

 だって、そうしないと、今後も警察や検察は、平気で気に入らない奴を軽い罪で長期間拘束していじめ抜くことができる。

 米国では、こういう場合には、陪審員は無罪の評決をすることだろう。そして、無罪に対する控訴はできないため、直ちに身柄が解放される。

 それに引き替え、日本では、表現の自由といえども他の人の権利を侵すことはできない…なんて言って有罪だ。

 バランス感覚ってものがまったく感じられない。裁判所は、ビラ配りで、数十日も拘束されることの人権侵害性は、まったく感じないのだろうか?
 
…いや、ついつい興奮して判決批判の方へ流れてしまったが、陪審制度のすごさ、そして、裁判員制度の不十分さが分かる一冊。もうじき現代書館から発行される
「裁判員制度と知る権利(仮)」と併せて(笑)、お買い求めください。




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日本が無条件降伏~現代の視点で振り返る太平洋戦争

2009-01-18 10:31:23 | 有事法制関連
 日本が無条件降伏~この活字が踊る上記新聞は、新聞労連が作成した平和新聞の創刊号だ。「あの戦争をわたしたちが今日の視点で報道するならこんな風になるだろう」と考えて書いた記事だという。

 発行されたのは、2005年8月15日だが、ふとしたことで、昨日、この新聞をはじめて読んだ。

 驚いたのは一面の写真。国会議事堂がきれいに残っている。周りの建物は空襲に遭っているように見えるが、国会議事堂だけは、無傷なのだ。

 占領軍が統治する際に必要な建物は残したという話は聞いたことがあるが、これだけ、はっきりした写真を見せられると…。

 米軍は、占領後の統治まで考えて、日本をピンポイントで空襲していたわけだから、国力の差に改めて驚く。

 この米軍に対し、日本軍は、竹槍で戦うべく、市民を訓練していたというのだから、「無能」というほかない。

 いや、「無能」ではなく、責任を取らされるのが嫌で、敗戦をずるずる先延ばしにしたというのが実際ではないのか?

 軍部が責任をとらされることを先送りしたい空気…それが日本の降伏を遅らせた根拠ではないか?そう勘ぐらざるを得ない。

 それにしても、もし、政府施設が徹底的に破壊されていたら、少しは早く降伏することができたのだろうか…。




 





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韓国労組・市民は新聞と放送の系列化をとめた~日本はどうする?

2009-01-17 08:18:19 | メディア(知るための手段のあり方)
 韓国与党は、新聞社がテレビ放送事業に参入できる法案を国会に上程し、成立させようとしたが、MBCが年末からストライキを続けるなどした結果、事実上、成立を断念した。すご~い、と思いませんか?


Innolife は、この件を次のように伝えている(http://contents.innolife.net/news/list.php?ac_id=2&ai_id=93625)。

【全国言論労組は臨時国会会期最終日の明日午前0時からMBCを始めとした言論労組支部と本部のストを一時中断すると明らかにした。言論労組のチェ・サンジェ委員長は与・野党が交渉の末、言論関連の6つの法案を期限を明示せず、合意処理のために努力し、整理したことと関して、一旦、悪法の通過を防止したのは、ストライキの成果として見るとし、このように述べた。】

少しわかりにくいが、新聞放送の兼営を認める法案については、与野党が合意しなければ議決に入らないということで、野党民主党がこの法案に反対しているため、事実上成立しないこととなる。

このニュース、きちんとフォローしていなかったが、実は、明日とは「8日」のことで、旧聞に属する。しかし、年末年始のストでついに、放送と新聞の系列化をとめたテレビ局の労働組合の力、それを支える市民の力のすごさを皆さんと共有したいと思って紹介しました。

ストの間、MBCは、労働組合に所属しない管理職によって運営されたが、人気番組が再放送になるなど、かなりの「効果」があったようだ。

しかも、このような状態になっても、市民は、「テレビが見られない」などと労組を批判するのではなく、政府を批判したようなのだ。

本当に、労組も立派だし、市民も立派だ。賞賛するとともに、隣国である韓国が反民主化の方向に流れることをとめてくれたことを感謝したい。

新聞と放送が系列化したら、お互いに監視しあうことがなくなり、放送・新聞が一体となって政府と癒着してしまい、政府を批判することができなくなってしまう。このような系列化は先進国では禁止されている。


ところで、日本のニュースはどうもこの件を無視しているようだ。検索したところ、スト突入のニュースは少しヒットしたが、中止の方は出てこない。

日本はすでに新聞とテレビが系列化しているから(繰り返すが、先進国ではほかにない)、恥ずかしくて伝えることができないのだろうか…。

このことを伝えないこと自体、日本で新聞とテレビが兼営化していることがいかに弊害であるかを示しているように思われてならない。


画像は、http://media.nodong.org/home_b/main.htm/ より




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-自衛の戦争でジェノサイド-橋本勝の政治漫画再生計画第153回

2009-01-16 08:59:19 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
第2次大戦中、ナチスドイツにより
600万人ものユダヤ人が殺されたという悲劇は
人類史上、類をみないものであった。
それは地上からユダヤ人の完全抹殺を図ろうとする
ヒトラーの野望の現実化であった。
無抵抗のままに殺されていった、国をもたない民、ユダヤ人の無念の思いは
大戦後、イスラエル建国という形で結実する
しかし、そこは無人の地ではなかった、パレスチナ人の暮らす所であった
彼らを強引に排除することによってイスラエルが作られたということが
この地を終わりなき戦いの地とする。
建国後、戦争のしっぱなしの国イスラエルは、
軍事力を際限なく強力なものにしていく、
核兵器を保有しているのは公然たる秘密である。
今回のイスラエル軍による苛烈な攻撃は
過激派ハマスからのロケット弾によるイスラエルへの攻撃に対する
報復であり、国の存亡をかけた自衛の戦いであるという
しかし、その圧倒的な武力の差をもっての、ガザへの攻撃は
パレスチナの一般住民に多数の犠牲者をだしている
だがイスラエルの国民の約90パーセントがこの攻撃を支持している
多くのパレスチナ人を虐殺し、その内の多くが子どもということは
この地からパレスチナ人を根絶やしにしようということになる
それは20世紀の半ばに、ヒトラーのナチスドイツがやった
ユダヤ人ジェノサイドの蛮行を
21世紀の今、こんどはユダヤ人がしていることではないか。


【ヤメ蚊】
彼の地にはもともと、民族にかかわらない形で両信者が共存していたという。もちろん、宗教的民族的紛争を抱えてはいただろうが、それでも平和的共存を図りながら建国する途もあったという。その原点にかえるように日本がイニシアチブをとって平和的解決を図ることこそが、真の国際貢献だと思う。



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【急募】いらない審議会、有害な審議会の実例~報酬:審議会改革への第一歩

2009-01-15 06:40:44 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 最近、あっと思ったらひどい法律や法案ができてしまっていたってことが多い。いま話題の派遣法だってそうだし、ちょっと前の教育法改悪、憲法改正国民投票法案だって、裁判員法だって、個人情報保護法だって、み~んな、あっと思ったら、もう形はできていた。そこから、一生懸命に引き戻そうとしても、もう間に合わない。

 これって、本来なら、市民のことを考えて検討するはずの審議会が省庁の一本釣りでお友達で固められていることが大きな原因だって思っている人は結構多いと思う。でも、だから、審議会制度を変えようという動きにはなっていない。それはどしたらいいかが明確ではなかったからだ。

 しかし、英国にはその答えがある。ここで何回か述べた公職任命コミッショナー制度がそれだ。この制度を取り入れ、審議会の委員を公募した上で、実力本位で採用することができたら、どんなに日本の社会が変わることだろうか。

 教育基本法改正だって憲法改正国民投票法案だって、批判するころには、すでに、形ができてしまっている。やはり審議会を本格的に「審議をする場」にして、その段階から市民の声に耳を傾けさせないといけない。そして、そのためには、聞く耳を持つ委員、ものの言える委員を送り込まなければならない。

 こういう審議会を結成しますとアナウンスをさせ、その委員に市民で活動しているグループの代表を採用させる…そういう制度になれば、変な法律が知らないところでできてしまうってことはなくなる。

 これまでは、審議会を省庁が選任すること自体はあきらめていたと思う。

 しかし、これからは、審議会のあり方から変えていくことを目指すべきだと思う。

 そこで、まずは、こんな審議会はいらないっていう事例を求めたいと思うのです。たとえば、こんなサイトがあるよって言う情報でもかまいません。非公開コメントでも構いません。

 審議会という魔法の杖を政府から取り上げ、市民のものにしよう!




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自由の権利には過誤の自由が含まれる~マスメディアに関する一般報告書

2009-01-14 06:24:32 | メディア(知るための手段のあり方)
 ニューヨークタイムズは、毎日第2面で2段組の訂正記事を書いている、と何度か書きました。その発想の源といえるような内容が「米国プレスの自由調査委員会」(ハッチンス委員長)がまとめたレポート「自由で責任あるメディア~マスメディア(新聞・ラジオ・映画・雑誌・書籍)に関する一般報告書」(日本語訳・論創社)に書かれているのを発見した。なるほど~と頷かされてしまった。

 頷いたのは、上記レポートの補論の8(日本語訳136頁)部分に書かれた「自由の権利には過誤の権利が含まれる」というタイトルの短い論述だ。ここには、次のように書いてある。

 【自由には実験的な側面があるし、実験というものには必ず試行錯誤というものがある。間違った意見でも、その時点では正しいと考える人たちがそれらの意見を正々堂々と提案できなければ、議論というものは成立しない。そうした社会的目的があるから、表現の自由権の最前線では、他人の間違いがわかっている、あるいはわかっていると考えている人たちにいわゆる「寛容」を求めている。だが、ここで求められるのは単なる寛容ではなく、さらに積極的なもの、つまり権利主義的に上から当たる矯正によらない自己修正のプロセスの尊重ということである。
 この点に関しては、間違いをおかした人は真実に到達しようと実際に努力するものだと考えられるし、そうした努力がその人が自由を主張するための根源になければならない。逆にいえば、意識的あるいは無責任に誤りをおかす権利は、道義的な権利の範疇には入らないということである】

 表現の自由を保障するためには、間違える自由も保障しなければならない、ということをこれだけストレートに書いたものに出会ったことがないような気がする(物覚えが悪いので忘れただけかもしれないが…)。

 そもそも、マスメディアが記事を書く際、常にパーフェクトを求めることはできない。間違いは必ずつきまとう。その際に、それを訂正して正しい情報を流そうとする努力があることによってはじめて、そのメディアは次の表現行為をなしうる資格を有するということだ。これをニューヨークタイムズは実践しているのだ。

 それでもマスメディアに間違いは許されない…そう思う人もいるだろう。表現の自由はマスメディアの特権ではない。クラスでの討論や会社での会議、家族内の会話などについて、意見を述べたら間違えていたことが分かり、徹底的に糾弾される場面を思い起こしてほしい。

 意見を述べた人は、もう二度と意見を言えない、そう思うかもしれない。特に少数派の人は、そのような立場に追い込まれることが多い。これをマスメディア用語でいえば、「チリングイフェクト(Chilling Effect)」(萎縮効果)ということになる。

 民主主義社会では、意見を述べない方が悪い。叩かれたって意見を言うべきであり、叩かれたら意見を言えないからって文句をいう権利はない…そう反論するかもしれない。

 しかし、よく考えてほしい。ある意見というのは、その発言者のみに役立つことだろうか。

 たとえば、光市事件で弁護団がバッシングを受けた。このときには、バッシングの源になった橋下弁護士の見解こそが間違っていると声を上げるとその人までバッシングされかねない勢いだった。

 「バッシングする側こそ間違っている」という意見は、弁護団に関係のない人が発する場合、自分のためにするわけではない。社会が間違った方向に流れるのを防ごうとして警告を発しているに過ぎない。

 こういう場合に、「橋下弁護士への批判を述べないのは、自分の弱さのせいだ」っていう批判があてはまらないのは、お分かりだと思う。

 つまり、意見っていうのは、自分のためだけに述べられるのではなく、社会全体のために発言されることもあるってことだ。

 同様に、仮に自分のためだけに述べたとしても、結果的に社会全体のためになるってこともある。

 そう、少数意見、発言力のない人の発言、属する集団では目立たない人の発言、差別されている側の意見、こういう意見の中に、社会全体のためになる内容が含まれていることもある。

 そういう意見を圧殺しないように、「間違える自由」を意識的に保障しなければならないと考える。そうすることが社会全体にとって利益があることだから。少しだけ、世の中全体が賢くなるかもしれないから。

 過誤の権利はマスメディアだけの権利でなく、市民みんなの権利なのだ。

 しかし、その裏には、発言した側も間違えたら自ら訂正する真摯な態度が必要となる。その真摯さがなければ、発言者の意見は間違いをおかすたびに徐々に支持されなくなっていく。そして、もう間違えないようにルールを決めよう、などということになりかねない…。

 ぜひ、家庭、地域社会、職場、学校などでもこの間違える権利とその真摯な行使を実践するよう心がけてほしい。っていっても、なかなか、できないことだけどね。

 
 このレポートかなり読み応えあり。ぜひ、お読みください。
 


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