情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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柳条湖事件を反省しつつも佐藤正久「巻き込まれてでも戦争に参加する」発言を批判しない朝日は歴史評論家?

2007-08-15 03:36:33 | 有事法制関連
 
 
 朝日新聞は、夕刊で「新聞と戦争」というシリーズを掲載しており、太平洋戦争におけるメディアの「戦争責任」を見直している。この企画を読んで朝日新聞のジャーナリスト魂に期待していいかなぁと思っていたりもした。調査報道も心なしか増えたようにも思えていた…。現在、上記シリーズは、「柳条湖事件」を題材に「社論の転換」について取り上げ、柳条湖事件までは戦争拡大に反対していた朝日新聞の論調が一気に好戦的なものに変わっていったことを検証しつつある。ああ、それなのに、現代の「柳条湖事件」(未遂だったが)ともいえるヒゲの隊長・佐藤正久議員の「イラクでオランダ軍が攻撃されたら巻き込まれてでも正当防衛を理由に戦争をするつもりだった」発言については、いまだに、ひと言も触れていないのはなぜだろうか…(佐藤発言については、ここここここ←ご参照ください)。


 新聞と戦争シリーズで、朝日は、柳条湖事件について、次のような事実を指摘している。


①柳条湖事件の直前に(8月)、陸軍幹部と新聞社幹部が会合した際、東京朝日編集局長・緒方竹虎は、軍部の「満州独立論」の説明に対し、「時代錯誤もはなはだしい。もしそんなことをたくらんでも、今の若い者は一人もついて行かぬだろう」と指摘した。これに対し、軍幹部は、「いや、日本人は戦争が好きだから、火ぶたを切ってしまえばついて来るさ」と答えたという。

②柳条湖事件の1ヶ月半前(8月4日)、陸軍大臣南次郎が満州の状況が重大化しているため教育・訓練に励むよう軍司令官を集めて訓示したことについて、当時の東京朝日は「この上満州問題が軍人の横車に引きずられていくのを許さぬ」と、大阪朝日も「軍部が政治や外交に嘴を容れ、これを動かさんとするは、まるで征夷大将軍の勢力を今日において得んとするものではないか」と厳しく批判した。

③ところが、満州旅行中に殺害された参謀本部中村大尉の件について、中国が中国は関与していないとして謝罪を拒否したことを受けて、東京朝日は、柳条湖事件の直前(9月8日)、「共存共栄の原則」が中国側から蹂躙されつつある、「国策発動の大同的協力に向かって、その機運の促進と到来を…切に希望」すると一気に好戦的報道に転じた。

④柳条湖事件(9月19日)の翌日の社説で、朝日は、事態の拡大を避けるよう求める社説を掲載したが、現地の暴走で、(日本の)朝鮮軍が事件を起こした(日本の)関東軍に参加して拡大路線が始まると、東京朝日は、「帝国政府としての声明を発して、…国民に国軍の行動を徹底せしむるところがなければならぬ」と述べ、軍を批判しないで政府にハッパをかけたという。大阪朝日も批判せずただ沈黙を貫いたという…。

⑤柳条湖事件を中国が起こしたとの号外を読んだ安岡章太郎の母は、「こんども本当は日本軍が爆弾を仕掛けたに違いない」と話した。

⑥柳条湖事件の直後(9月23日)、幣原外相と駐日中国公使蒋作賓が会談した際、「幣原外相が事件の責任は日本にある旨繰り返し述べた」との報告を蒋公使が本国にしたことを、ロイター通信が報道していた。


 すばらしい検証記事だと思う。新聞がいかに権力に弱いか、世論がいかにコントロールされやすいものであるか、よく分かる。そして、歴史には幾つかの岐路があることも…。朝日は、この検証を通して、弱さを知ればこそ、「今、朝日は、権力監視機能を放棄しない決意を固めている」ことを社内外で宣言しているのではないだろうか。

 それにもかかわらず、本来、議員辞職や推薦した自民党の責任までも問われなければならないほどニュースバリューが高いはずの佐藤正久発言を無視する姿勢には、皮肉の1つや2つも言いたくなる。

「どうせ、歴史批判は死んだ人の批判だから、怖くないよね。朝日新聞は歴史評論しかできないのか」

「大阪朝日が柳条湖事件を機に戦火が拡大することについて沈黙したことを反省しているのに、なぜ、佐藤正久発言について、再び、沈黙を守るのか」

「佐藤正久なんて小物の発言はいちいち取り上げてられないってか?小物もたたけないで大物をたたけるはずがない」

上記検証記事では、朝日新聞社内でも、ミニ柳条湖事件があったことを伝えている。

【19日未明、満鉄線爆破の一報が朝日に入った。東京朝日の編集局長緒方竹虎は、「出先の出来ごとだから」小さく扱うよう指示した。ところが、さきの8日付の社説を読んで、「朝日が対中国強硬論に変わったと受け取った整理部員が、「日支両国戦端を開く」のニュースで紙面を大展開した。整理部デスクが始末書を書いた。ほどなく朝日は大きく社論を転換する】

この内輪話を載せたのは、反省なのか言い訳なのか…。

このシリーズの6回目で、朝日は、「謀略のレールの上を軍部が独走した。その背中を新聞が押した」と真摯に反省している。

佐藤正久発言にみるように、いま、自衛隊は謀略のレールの上を走ろうとしている。朝日は、また、その背中を押すのか?

佐藤正久発言を批判しないままでいることは、上記朝日新聞社内ミニ柳条湖事件が実は、整理部単独の判断ではなく上層部をも巻き込んだ「謀略」だった、という印象を与えてしまうように思うが、いかがでしょうか…。










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2 コメント

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後、一向に報道されてなくて、驚いた事があって…」 (田仁)
2007-08-16 15:24:40
「8月10日、麻生外相とシーファー駐日米大使の署名により「日米軍事秘密一般保全協定」(GSOMIA)の締結が強行された」そうです。
詳しくは「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」をご覧下さい。
国会承認すらしない、違法なものです…。
GSOMIA>警察官僚が次官就任>統合「憲兵隊」創設 (ゴンベイ)
2007-08-22 05:12:16
一連の動きです。
AbEndフォーラム
-> 締結された同盟軍の証:軍事情報に関する一般保全協定(GSOMIA)
http://atbb.jp/abend/viewtopic.php?t=724

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