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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

都筑道夫 「ときめき砂絵 いなずま砂絵」

2019-07-03 10:15:54 | 日記
都筑道夫「ときめき砂絵 いなずま砂絵」です。
サブタイトルに「連作時代本格推理」とあります。

神田の貧乏長屋 「なめくじ長屋」に住む センセーと呼ばれる砂絵師が主人公のお話。
長屋に巣食う大道芸人たち
河童の真似をするので、カッパ
幽霊の格好をしているので、ユータ
などなど 個性豊かな面々が、センセーの手助けをしながら、
事件の謎を解いていく物語。
下駄新道の御用聞き•下駄常こと常五郎は、彼らに頼りっきり。
この頼りない男も、作品の重要なスパイスになっている。

この本 タイトルから分かる通り
2作品の合本。
各々7篇 都合14篇の作品から成っている。
謎解きもさることながら、各作品の中に織り交ぜてある
江戸の風俗も大きな魅力で、
四季おりおりの暮らしが分かってくる。

私の好きな作品は
「子をとろ子をとろ」という子供たちの遊び唄が聞こえてくると
女の子が拐われていくという「子をとろ子をとろ」
髪結床で、客が殺される「幽霊床」
他作品とは趣きが違い、センセーの武芸者としての凄みが発揮される
「めんくらい凧」などです。