何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

何にもつかまらず歩いてます

2016年12月30日 21時07分24秒 | Weblog
晴れ渡った東京の空は雲ひとつ無い透き通った藍だった。
年末という事か、グリーン道路を行き交う自転車も人も少ないかった。
僕の中では、退院してきて数日たっただけの寒い冬の一日にしか過ぎないし、一日一日がどれも大切な日だが、世間は区切りを付けたがる。

今年うまくいかなかった人は来年こそは、今年うまくいった人は来年はそれ以上にと、今年と来年に区切りをつけて成長するための比較反省材料にするのだろう。
でもそこには、当たり前に生きている自分を信じて疑わない自信があるからで、多系統萎縮症は眠っている間に命をなくす人もそれなりにいると医師から宣言されている身では、次の年が約束されない所か明日の朝起きれるかどうかも分からない僕にとって区切る日など無い。

でも、明日が来る事を信じて生きたい。
出来るなら、今日より素敵な明日であって欲しい。
現実には、病状が悪化するばかりで治療すら出来ない事はわかっていても。
検査入院で2年ぶりにMRIを撮って脳の断面図を見せてもらい確実に小脳が小さくなっているのと脳幹が細くなっているのが確認出来た。
進行が早いらしく医師は他の病気も疑って検査入院が延びた。

そのおかげでリハビリ期間も延びて、体感、バランス感覚の強化ができて自信をつけ、何もつかまらず二本の足だけで10mを往復出来た。
間違ってはいけない、歩けるようになったんじゃなくて、歩ける力が残っていたんだと思う。
リハビリでその力を引き出せたんだと。
まだ眠っている力があると信じてリハビリを続け、より長く歩こうと思う。
ファンタジー・マジカル・ウォーキングツアーはその大きな目標だ。
最後まで歩き切ることより、歩こうとする気持ちが大切だ。
こけては大変なので部屋の中では極力、何にもつかまらず歩いてます。