「森友」「加計」疑惑で波立つ国会情景と安倍総理のこわばった表情を思い浮かべながら、いくつかの諺を重ねてみた。「驕る者は心常に貧し」。贅沢が身についてしまった者は、いつも心に不満を抱き、精神的にも満たされないという意味である。「恥を知らねば恥かかず」。恥ずかしいという観念のない人は、どんな不名誉なことも平気だという意味だ。「李下に冠を正さず」は、首相が党首討論の際に口にしている。疑われるようなことはしない方がよいという戒めだ。何を今更、もう遅いのではないか。
とにかく、安倍首相たちにはウソが多すぎる。「嘘も方便」とか、時と場合によっては、嘘が必要だと信じているのだろうか。森友への国有地大安売りについての安倍昭恵夫人の関与は、どんなウソをついても否定したいのだろう。加計学園からの獣医学部新設についても、相談も依頼もうけていないと大ウソをついている。これでいくと、国会に報告書を出した愛媛県がウソつきだということになる。さすがに、そこまでは言えないから、持ち出したのが「李下の冠」だったのではなかろうか。
だが、ウソはばれるもの。森友への土地売却について財務省は決裁文書を改ざんした。それがばれた。加計学園問題で「総理のご意向」と書かれた文科省の文書を、内閣官房長は怪文書だときめつけた。そのウソもばれた。国会では虚偽答弁を何回繰り返したのか。うんざりだ。苛々する。恥を知れ!国民の多くも嘘を見抜いている。もう辞めろよ。内閣支持率の下降は避けられぬ運命だ。「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」(親鸞上人)。嘘のない誠実な政治を。政府を。一日も早い実現を期待しよう。