明日につなぎたい

老いのときめき

ウソはばれる!

2018-05-31 16:35:50 | 日記

 「森友」「加計」疑惑で波立つ国会情景と安倍総理のこわばった表情を思い浮かべながら、いくつかの諺を重ねてみた。「驕る者は心常に貧し」。贅沢が身についてしまった者は、いつも心に不満を抱き、精神的にも満たされないという意味である。「恥を知らねば恥かかず」。恥ずかしいという観念のない人は、どんな不名誉なことも平気だという意味だ。「李下に冠を正さず」は、首相が党首討論の際に口にしている。疑われるようなことはしない方がよいという戒めだ。何を今更、もう遅いのではないか。

 

 とにかく、安倍首相たちにはウソが多すぎる。「嘘も方便」とか、時と場合によっては、嘘が必要だと信じているのだろうか。森友への国有地大安売りについての安倍昭恵夫人の関与は、どんなウソをついても否定したいのだろう。加計学園からの獣医学部新設についても、相談も依頼もうけていないと大ウソをついている。これでいくと、国会に報告書を出した愛媛県がウソつきだということになる。さすがに、そこまでは言えないから、持ち出したのが「李下の冠」だったのではなかろうか。

 

 だが、ウソはばれるもの。森友への土地売却について財務省は決裁文書を改ざんした。それがばれた。加計学園問題で「総理のご意向」と書かれた文科省の文書を、内閣官房長は怪文書だときめつけた。そのウソもばれた。国会では虚偽答弁を何回繰り返したのか。うんざりだ。苛々する。恥を知れ!国民の多くも嘘を見抜いている。もう辞めろよ。内閣支持率の下降は避けられぬ運命だ。「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」(親鸞上人)。嘘のない誠実な政治を。政府を。一日も早い実現を期待しよう。


ファインプレ―とアン・フェア―と

2018-05-28 11:16:27 | 日記

 昨日のプロ野球、オリックス対ロッテ戦をテレビで観た。3対2でオリックスの勝ち。安打数はスコアと逆で、オリックス3、ロッテ7。福良監督のコメントは「守り勝ちです」だった。観ていた私も、その通りだと思った。捕れそうにも思えない難球を処理した外野手、遊撃手の超美技、これが一人の野手が叩きだした3点を守り切ったのだ。このチームは中継ぎ、抑え役の投手がしっかりしているそうだが、これも勝因にあげられるだろう。緊迫した見応えのある好ゲ―ムだった。

 

 同日のセ・パ各チ―ムの試合結果を翌朝の新聞で視た。阪神・巨人戦は9対1で阪神の勝。ÐeNA・ヤクルトは5対3でヤクルト。中日・広島は8対7で中日。パリ―グの日本ハム・西部は10対8で日ハム。楽天・ソフトバンクは8対4で楽天。実戦内容を度外視して点差だけでいうと大味なゲ―ムが多かったようだ。翌朝の新聞では阪神・巨人戦は3段・60行もあった。他の試合は1段10行余り、オリックス・ロッテ戦に至っては8行の記事だった。別に腹もたたないが、いささか鼻白んだ。公平・公正はどこ吹く風か。

 

 新聞記事にファインプレ―までは望まないが、せめてフェア―であってほしいと思う。私は阪神、巨人に恩も恨みもないが、この両チ―ムが敗けたときの気分は悪くない。ファンの人たちには申し訳ないが。私の性格が天邪鬼だからなのだろうか。それもあるかもしれないが、偏ったマスコミ報道への反感が、そんな気分を誘っているのだと思っている。大したことではない。一老人の戯言(たわごと)だと片づけてもらって結構だ。だが、政治の世界のアン・フェア―は絶対に許せない。その権化ともいうべきなのは安倍政権だろう。つける薬はない。辞めさせるしかない。

 

 


ウソを重ねるな!

2018-05-22 16:59:52 | 日記

 近頃、子どもの中で”アベちゃんごっこ”とかいう遊びがやられていると聞く。無邪気なウソのつきあいらしいが、モデルにになっているのは内閣総理大臣・安倍晋三である。一国の総理大臣がウソつきの代名詞にされるとは、何と恥ずかしい、嘆かわしいことよ。このウソの代表例は「加計学園」の獣医学部新設の問題だろう。国民の多くが、うさん臭い目で成り行きをみつめている。いつまで国民を騙し続けるのか。だが「ウソも百まで」という諺もある。安倍首相の政治生命が尽き果てるのは時間の問題のような気もする。

 

 愛媛県は国会の求めに応じて「加計学園」の獣医学部新設をめぐる官邸や学園などとの面会記録を提出した。これが安倍首相らの虚偽発言を白日の下に晒すことになる。安倍首相は、親友の加計幸太郎学園理事長と面談し「新しい獣医大学の考えはいいね」と語っている(2015年2月25日)。だが、去年も今年も国会では「加計氏からの相談や依頼は一切ない」と虚偽の答弁。2015年4月に加計氏と会食した事実も否定した。柳瀬唯夫首相秘書官が「獣医学部新設は総理案件、何とか実現を」と語ったという記録もある。それでも関知せずというのか。

 

 安倍首相が加計側の意向を知ったのは、新設が決定した2017年1月20日だと答弁している(2017年7月・閉会中審査)。ウソ言うな。2015年の2月にには「いいね」と言っていたではないか。何で1年以上もウソをつきとおしたのか。「森友学園疑惑」に続く度重なる疑惑で、国民の怒りを恐れたのか。そのために虚偽の手を使ったのか。それは恥の上塗り、火に油を注ぐことになる。国民の不信と怒りを倍増させた。もうウソも隠しも通用しない。安倍内閣は進退窮まったはずだ。国民に謝って身を引くべきだ。この稿は獣医学部の是非を云々したわけではない。政治からウソをなくせというだけである。

 

 


ある女優の話し

2018-05-19 12:26:09 | 日記

 昨日、フェイスブックを開けたら、女優・夏川結衣さんについての投稿が目に飛び込んできた。夏川さんを大きく取り上げている「赤旗」・日曜版(5月20日号)の写真が添えられてている。「・・大好きな女優さんです」「○○さん、結衣さんとどんな関係ですか」「まじ好きです。私のお母さんと年齢同じくらいやったよ」「一方的によだれ垂らして見つめている関係です。もちろん写真ですよ」「一回ぐらい実物を見たいよね。どこかで調べられるかな」「読んで考えよ(日曜版のことかー筆者)」。微笑ましい感じがした。躊躇なくイイネを押した。

 

 私もテレビ・ドラマで何度か見ている。印象に残っているのは「壬生義士伝」(原作・浅田次郎)での新選組隊士の妻役と「孤高のメス」(原作・大鐘稔彦)の看護師役だ。「孤高のメス」では、患者第一を貫く、出世欲も利己心もない外科医を支える。母一人子一人の暮らしである。同じような母子家庭を身近に見てきている私は、文句なしに親近感を覚えて「孤高のメス」に見入った。DVDも持っている。ドラマの題名は忘れたが、結婚の遅れたOL役の彼女を見たことがある。よく似合っていたようだ。優れた演技力を身に着けた人だと思った。

 

 「赤旗」・日曜版のインタビュ-記事に戻る。「モデルだった自分は、商品を美しく見せるために存在していた。でも、女優は人として見せなきゃいけない」「なんて難しい仕事だろう。でも、それがあったから女優を続けることにした」「できないことに甘えられなくなった。やらなきゃいけない。その頃、充実感を覚えるようになった」「・・長い停滞は、前進するための準備期間。何一つ無駄なことはなかった気がします」。困難から逃げない、これに挑戦してこそ充実感が得られる。 この人生観は大したものだと思った。

 


恥じよ!人間失格といわれる前に

2018-05-15 13:33:48 | 日記

 「恥の多い生涯を送ってきました・・・人間の営みというものが未だにわかっていないのです」。太宰 治が書いた『人間失格』(1948年)の冒頭にある一節である。彼は戦前、学生の頃、非合法下の共産党支持者だったことを警察に名乗り出た。倫理上、とかく問題視される女性遍歴も重ねてきた。おそらく良心の呵責に耐えきれなかった後半生だったのではなかろうか。強い感受性の持ち主だった彼は、それを隠そうとはしなかった。「恥の多い生涯」との述懐に嘘、偽りはなかっただろう。この正直さを多としたい。

 

 石川啄木の詩集を見た。自然、故郷を謳うだけではない。人間を、自分をみつめている。「あの頃はよく嘘を言ひき。平気にてよく嘘を言ひき。汗が出づるかな」「もう嘘を言はじと思ひき―それが今朝ー今また一つ嘘をいへるかな」。嘘を恥じる、正直な詩人である。その目で政治も見ている。「珍しく、今日は、議会を罵りつつ涙出でたり。うれしと思う」「宰相の馬車わが前を駆け去りぬ拾へる石を濠に投げ込む」は現代人の心にぴったりだ。「目さまして直ぐの心よ!と年寄りの家出の記事にも 涙出でたり」は今の高齢者の感涙を誘う。

 

 何で二人の文学者の話を持ち出したのか。今の政治の世界に、ひどい虚構があるからだ。”もりかけ疑惑”のことだ。あったことをなかったことにする。知っていたことを知らなかったことにする。森友学園への格安の国有地払下げについての財務省の決裁文書は改ざんされた。安倍昭恵夫人の名を隠すためである。安倍首相の親友がいる加計学園の獣医学部新設について、柳瀬唯夫元首相秘書官は、学園関係者と首相官邸で3回も面談しているのに、安倍首相らは関与していないという。正直さ、恥じる心が疑われる。この人たち、太宰や啄木に触れたことあるのだろうか。