昨日は定期診察の予約日。穏やかな日和だ。自転車で往復する。この日は検査なし、月初めに済ましていたからだろう。問診でも異常を指摘されることはなかった。前回、脳梗塞の痕跡ありと言われていたので、その後の進行はあるのかと聞いたが、医師の表情は「たいしたことなし」のように伺えた。別の異常があった。財布を持ち忘れて無一文だった。薬局で気がついた。ぼんやりの本格化か。薬局では「後日できるだけ早く」でその場はしのげた。診察料は自動支払機だから問答なし。この病院に行く機会のある長女に電話、支払いを頼んだ。
夜、我が身にちょっとした異変が起こった。風呂から出た途端、突然、頭がふらつき、吐き気を催す。我ながらびっくりした。上半身裸のまま蒲団に横倒れになった。妻があわてて枕元に洗面器とタオルを置いてくれた。何分か何時間か、時間の経過とともに平常に治まる。一体、何だったのだろう。私は「カラスの行水」といわれるくらい、長湯はしない。昔、長く浸かり過ぎて、のぼせ上った苦い経験があるからだ。何でや、何でや、自問自答しながら、薬を飲んで寝入ってしまった。
翌朝は、普段と同じ体調になっていた。強いていえぱ頭がやや重たいような気がする。今日の午後は、あるサ―クルの定例の会合がある。小さくとも黎明期の文学組織だ。私のような枯れ木も山の賑わい、そのつもりで出る気だったが、大事をとって休ませてもらうことにした。それでもパソコンを前にする。孫の操作で表紙が美しくなっている。去年の夏に訪れた四万十川の優美な流れが目に入る。「自然がこんなに美しいのに、人生に別れを告げるなんて難しいよ」。92歳まで生きたフインランドの大作曲家・シベリゥスが言った言葉だそうだ。私の心境も同様だ。
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