民放テレビのドラマをみていると、合間に政党の広告が出る。回数の多い自民、民主、公明党のものが目立つ。各党首の熱のこもった表情が、いやおうなしに飛び込んでくる。政見の中身はともかく、それなりにイメージアップの工夫はしているようだ。広告専門のプロの手が入っているからだろう。同時に、相当に高くつく筈のコマーシャル代、どうして工面しているのだろうか、「探索」したくなる。各党首は正直に言って欲しい。「この政党宣伝費は、国から支給されている政党助成金で賄っております。つまり国民の税金でございます」と。そうなれば広告代の出所についての疑問は解ける。だが納得するわけではない。怒りがこみあげてくる。人の税金をなんと心得ているのか。
毎年、国民一人当たり250円、総額300億円以上の政党助成金が組まれる。嫌な政党にも自分の税金がとられる。憲法違反のこの制度ができて13年、3800億円の税金が、議員数と得票数に応じて各政党に山分けされている。自民党1800億、民主党840億、公明党270億、社民党290億、共産党は受け取り拒否で0円。05年度の全収入に占める助成金の割合は、自民60% 、民主83 %で、いずれも100億円を超える。高いテレビ広告代も苦にならない筈だ。政党の活動資金は、国民一人ひとりに訴えて集めるべきもの。その苦労をせず、「ぬれ手にアワ」式に国民の税金を懐に入れる。貰うのも使うのも平気、その感覚麻痺が怖い。助成金制度は政党を堕落させる、麻薬 というべきか。
企業・団体献金も麻薬だろう。財界・大企業が利益を確保するためのワイロ、政治の買収である。日本経団連は、献金と引き換えに、自民・民主党が財界の要求をどれだけ実行するか、"通信簿 "をつけているという。自民か民主か、政権がどっちに転んでも何ということはない。二大政党制は財界の手のこんだ戦略なのである。テレビ局などの収入源・スポンサーも二大政党だ。報道の偏りもこれ故だろうか、そう思いたくないが、気になるところだ。"事務所費疑惑 "など政治とカネのスキャンダルで騒がれるのも、主として、この二つの党に属する政治家である。改革・実行! 生活が第一! テレビに映る党首の呼びかけも、空しく聞こえてならない。政界浄化のためには二つの麻薬一掃しかない。