25日(日本時間)、米国ホワイトハウスで行われた日米首脳会談にはげっそりした。オバマ大統領は「核抑止力を含む対日防衛を約束する」と言明した。両国首脳は「在沖縄海兵隊のグアム移転にかかる協定の実施を含む在日米軍再編を『ロードマップ』(行程表)に基づいて実施していくことで一致した」という。グアム協定とは要するに米国領土であるグアムでの米軍基地費用負担を日本が受け持つ約束のことである。在日米軍再編とは米軍がアジア地域に限らず、中東、インド洋、世界のどこへでも出動できる体制にすることだろう。自衛隊がそのなかに組み込まれる。抑止力とは強大な武力を誇示して、どことも分からぬ相手国をひるませることのようだ。日本はその傘の下で恩を着せられる。
沖縄にいる米海兵隊のグアム移転は、海兵隊がインド洋方面に出動しやすいようにする”再編”である。地元負担の軽減にはならない。高い立ち退き料を押しつけられた。海兵隊が出たあとには別部隊がくる可能性があるともいわれている。普天間基地返還合意は13年たっても実現していない。こうして日本はいっそう強化された日米同盟の金縛りにされているようだ。日米安保体制が出来てもう50年近い。このお陰で日本は平和で安全だったと信じこまされている人も少なくないようだ。だが迷信である。沖縄はじめ基地あるところの狂暴な米軍犯罪の数々、膨大な財政負担、アメリカの侵略戦争への協力、加担、自衛隊の海外派兵なとなど、犠牲のみ大きい安保体制である。事実が証明している。
政府・与党、それから野党の民主党もだが、日米安保(軍事同盟)で金縛りにされ、屈辱の道を歩み続けていることへの自覚が全くないのだろうか。抑止とは抑えとどめるという意味である。その相手はどこの国だと想定しているのだろうか、抑止力論は朦朧(もうろう)としたものである。これに固執して相変わらず迷信をふりまくつもりなのだろうか。「相手のない喧嘩はできぬ」ということわざがある。喧嘩の相手になるなという戒めである。国と国との関係もそうすればよいのにと思う。仮想敵国などつくるなということである。完全な中立であれということである。軍事同盟は敵をつくって世界のどこかに出かける。それが危ない。武力による威嚇はもう時代遅れ、戦争放棄の憲法9条、外交こそが平和の力、これが世界の大勢ではなかろうか。