*中国人は竜が好き、という単純な認識は中国史への浅薄な教養、中国人の教養への軽蔑と認識された、
ヴィクトリアズ・シークレットは先日、パリで開かれたファッションショーで、中国人消費者を引き付けるために、ドラゴンをテーマにした下着を披露した。スーパーモデルのエルザ・ホスクは体にドラゴンを巻き付けて登場。アドリアナ・リマはドラゴンが刺繍されたスチレット・ブーツを身に着けた。
しかし、中国人の若者の目にこの趣向は低俗で不格好なものと映ったようだ。中国のミニブログ微博には「本当に醜い」、「中国の文化を分かっていない」などと辛辣なコメントが並んだ。
コスモポリタンのライフスタイル編集者のヘリン・ユングは、ショーを“人種差別的”とすら表現した。彼女は、「ヴィクトリアズ・シークレットはドラゴンをモデルに巻き付ければ、中国の若い消費者とつながれると思ったようだ。とんでもない見当違いだ」と批判した。
ヴィクトリアズ・シークレットのやり方の何が悪かったのか。
まず、中国文化に対する理解があまりにも表面的だ。中国文化においてドラゴンは、皇帝の威厳を象徴している。皇帝が着る服は龍袍(ドラゴンローブ)、皇帝の玉座は龍椅(ドラゴンチェア)と呼ばれ、皇帝の体は龍体(ドラゴンボディ)と呼ばれる。中国人は自身を龍の子孫と考えている。
下着に龍をあしらうなんて非常識、つまり龍は神聖なシンボルで、崇拝の対象だ。セクシーなモデルの下着姿にドラゴンを合わせることは、不愉快で不適切だ。*WSJ、