*武田薬品の株価はタイトルの経営危機感とはチョット異なる、堅調な推移である、外国人経営者が14名の役員中10名といううのはヤッパリ異常感はある、だが、その異常な役員構成を作ったのは、今期退陣する、長谷川会長で、武田薬品の生え抜きのトップであったひとだ、世界化には世界規模の人材が必要だという長谷川氏の主張はもっともであるが、引き抜いてきた外国人役員の複数人数がトツゼンやめちゃう、というのは問題であろう、
武田は6月26日、大阪市浪速区の大阪府立体育館で定時株主総会を開いた。株主総会直前にフランソワ・ロジェ最高財務責任者(CFO)が辞任し、急遽、取締役選任リストから除外されるという事態が起こった。フランス人のロジェ氏は今回、スイス食品大手ネスレの次期CFOに引き抜かれた。
総会ではロジェ氏の辞任について長谷川会長が陳謝したほか、ウェバー社長も「企業のグローバル化を図る中でヘッドハンティングは避けられないが、(就任から)2年で辞任は短すぎる」と遺憾の意を表した。ウェバー社長がロジェ氏の転職を知ったのは総会4日前の22日。株主に配布されていた株主総会の取締役選任議案にロジェ氏の名前は入っていた。
ロジェ氏が総会直前に退任を表明したことに、株主からの質問や意見が相次いだ。15問あった株主からの質問や意見の3分の1が、「社内の人材を育てていくべきだ」など突然の辞任に関連する内容だったもよう。外部から招かれ昨年6月に就任したウェバー社長に対しても、株主が「骨をうずめるのか」と詰め寄る一幕があった。
こうした質問が出るのには、大きな理由がある。昨年12月下旬、「ウェバー社長を世界3位のメガファーマ、フランスのサノフィが次期CEO候補に挙げている」との報道が欧州で駆けめぐった。ウェバー氏は「私は辞めません」と社内サイトで社長を続ける意思を強調したが、社長に就任してわずか半年で「当然、予想される事態が起こった」(武田役員OB)。
「長谷川氏がヘッドハンティングしてきた外国人役員たちには、もっと条件の良いポストが提示されればすぐに移籍する“腰かけ”なのでは、との不信の目が向けられている。それが現実となったのが、ロジェ氏の総会直前の転職だった。“敵前逃亡”と非難の声が上がるのも無理はない」(証券アナリスト)
人事のグローバル化を担う経営幹部3人が退任
武田のグローバル化を推し進めてきた長谷川氏は、欧米のメガファーマと競争できる体制を整えるために、経営幹部に外国人を多数スカウトした。新設したCFOに招いたロジェ氏は、25年超にわたり食品、通信、医薬品業界に身を置いて大型合併を経験し、メキシコから南アフリカ、ルクセンブルクと世界を駆けめぐってきた人物、
14年6月にウェバー体制が船出し、同年10月にグローバル経営強化のために経営幹部で構成するコーポレート・オフィサーを結成。メンバー14人のうち10人が外国人で、日本人は4人だけだった。ところが、チーム発足後わずか8カ月で3人が退任した。ダグラス・コール米国事業ユニット長は今年3月末に退任し、研究開発部門トップの山田忠孝取締役も6月26日の株主総会で退任した。山田氏は日系米国人の医師だ。そしてCFOだったロジェ氏の退任がトドメを刺した感じである、
「経営幹部は典型的な寄せ集めの集団であり、相次ぐ経営幹部の退任は経営陣がバラバラであることを露呈させ、長谷川氏が推し進めた人事のグローバル化は、あっけなく頓挫した」(業界筋)
取締役(社外取締役を除く)8人の役員報酬合計は14億900万円と過去最高だった。ウェバー社長は5億700万円、ロジェ氏も3億400万円の役員報酬を得た。
【過去3年で1億円以上の役員報酬を得た役員の一覧表】(単位:百万円)
※以下、役員名:給与額は単位100万円
長谷川閑史:277、305、301
クリストフ・ウェバー:507、-、-
本田信司:108、-、-
山中康彦:101、121、-
フランソワ・ロジェ:304、-、-
山田忠孝:908、835、708
フランク・モリッヒ:809、969、722
吉田豊次:-、-、115
デボラ・ダンサイア:-、-、776
外国人役員は、日本人と比べて破格の高給で遇されていることが見て取れるが、それでも、「他社から良い条件を提示されれば、ロジェ氏のようにすぐに移籍してしまう可能性も高い」(市場筋)との見方もある。
ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2015/07/post_10708_2.html
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