彦四郎の中国生活

中国滞在記

四川料理、湖南料理—辛い料理のオンパレード、豚の脳、カエル、ザリガニなども食べる―「一般的な中国の居酒屋」とは

2023-06-03 05:37:14 | 滞在記

  閩江大学卒業生の王さんから、一カ月ほど前に、「今度一緒に辛い四川料理などを食べに行きましょう」と言われていたのだが、5月31日(水)の夜に、同じく閩江大学卒業生の林さん(福州市内にある日本語学校教員)や、王さんの彼女の甘さんらと一緒に行くこととなった。

 夜の7時30分に、福州市内を流れる大河である閩江(びんこう)沿いにある「台江万達(タンジャン ワンダ)」地区の「李哥倆大排档」という名前の店に入る。王さんたちの行きつけの店のようだ。付近には四川省重慶の名前が書かれた四川省料理の店などの看板も密集している。店に入ると一階入り口には、生きたザリガニやカエル、動物の内臓や脳などの食材も置かれているではないか。私はこれまでに中国で、犬や蛇やカエルやネズミなど、日本人がほぼ食べないものを、学生の田舎(故郷)に招かれて、「先生、これはこの地方での名物料理です。どうぞ食べてください‥」と勧められ、何度か食べたことがあったのだが‥。

 店には林さんと甘さんが先に入店していて、すでに料理が注文されてテーブルの上に並べられていた。「これは湖南省の魚料理です」「これは最近、中国でたくさん食べられるようになっているザリガニです」とのこと。食べてみるとかなり辛いが、とても美味(びみ)。味付けがとても美味しいのだ。ザリガニは辛さの中にも甘辛いというか、絶妙なおいしさだった。ただ、透明で薄いビニール手袋をして、ザリガニを解体し食べなければならないので、手間がかかる。食べられるところは、ほんの少し(人間の小指の第一関節までくらいまでのザリガニの肉片)。

 湖南省の魚料理は、川や湖の魚だが、臭みはなく、少し辛く味付けもよく、けっこう美味しい。ザリガニの甘辛さにビールがどんどん欲しくなる。ビールの小瓶は、4人それぞれの席に10本入りのケースが注文され、7〜8本はあっという間に飲んでしまった。しばらくして、テーブルの上に置かれたのは、「これは、豚の脳味噌です。豆腐のような味ですよ」というもの。恐る恐る食してみると、まあまあ美味しい。ほんと、豆腐を甘辛くしたような味だった。

 中国風の長い串の焼き鳥もまた甘辛いが美味しい。定番のピーナツも美味しい。長いナス🍆の実をすりつぶして、ナスの皮の上に置かれた料理も出てきた。

 1時間半ほどして、店を出ると、平日だが、付近一帯の歩道にはたくさんのテーブル席に人々が座り、料理を食べ酒を飲んでいた。台江万達付近はビジネス街でもあるので、仕事帰りのサラリーマン(一般的に中国の男性サラリーマンはネクタイはしない。多くが家にいるような平服の人がほとんど。)たちで、これらの野外の飲食テーブルは賑わっていた。

 中国の居酒屋は、一般的に先ほど私たちがいた店(個室もある)や、この野外路上のテーブル席が一体化した形式がよくみられる。店の入り口に食材がたくさん並べられ、客は店の人にその場で料理を注文する。特に私は、この野外の中国風居酒屋文化が好きだ。とても開放感があり、お酒がすすみ話もはずむ。

 次はカラオケ店に行くことになり、歩いて7〜8分ほどかかるらしい場所に向かう。いろいろな飲食居酒屋の前を通る。果物店には、季節の果物である「楊梅(ヤンメイ)」が置かれてもいた。日本の「ヤマモモ」を大きくしたような果物で、甘酸っぱくてとても美味しい。長いナス、ザリガニ、焼き鳥の具材なども店先に並ぶ。この辺りは、いわゆる「四川料理などの「辛いもの系」の店が数十軒余り密集している福州市内の一つの「ビジネス・居酒屋街エリア」のようだ。

 久しぶりに中国のカラオケ店に入った。まあ、数年前とは違って、カラオケ店内の内装の豪華絢爛になっていることにまず驚いた。2018年頃までの中国のカラオケ店は、店内の受付付近にあった売店で、ビールなどの飲食物やお菓子などの食べ物を買って、カラオケの個室に入る形式だったが、そんな売店はなくなって、個室から飲食物や料理などが注文できるシステムに変わっていた。王さんたちがさっそく注文したのが、ビールとカエルの料理だった。日本人歌手、キロロの歌う「未来へ」の中国語バージョンに初めて挑戦してみた。(※中国でこの歌の題名は「后来(ホウライ)」。中国では2015年から16年頃にこの中国語バージョンはかなりヒットした。大学の2回生の「日語視聴説2」の授業で今、「ほうら足元を見てごらに あれがあなたの歩む道‥」で始まる「未来へ」と、「春を愛する人は‥」で始まる「四季の歌」を、先週と今週、学生たちに紹介し歌わせてみた。)

 私は翌日は授業があり、早朝の6時にはアパートを出て大学に向かわねばならないので、午後10時頃には一足先にカラオケ店を出て、彼らとさようならをして、タクシーでアパートに戻ることとなった。

■昨日(6月2日)は、日本は台風の影響により「線状降水帯」が大発生し、洪水被害が大きかったようだが、台風が来なかった福州は、二日連続の熱波の40度の最高気温となった。大学の授業を終えて、暑さの中、ヘロヘロになってアパートに午後5時頃に戻る。朝出かける時、あらゆる窓のカーテンを閉め切って、太陽光が室内に入ることを遮っていたが、室温は35度の高温を記録していた。夜の8時頃になり、突然の集中豪雨が1時間余り続いてくれたが、気温はほとんど下がらなかった。寝苦しい33度〜35度くらいの熱帯夜が最近は続く。