彦四郎の中国生活

中国滞在記

合歓(ねむ)の花がとても早く開花するも、蝉(せみ)いまだ鳴かず—異例の早さ、今年の梅雨明け

2022-07-07 07:49:03 | 滞在記

 今日は7月7日、七夕の日となるが、二十四節気では小暑(しょうしょ)の始まりの日でもある。暑気の季節に本格的に入り、梅雨明けも間近いころとなる。そして、7月23日には大暑(だいしょ)[夏の暑さが最も極まるころ]、8月7日は立秋(りっしゅう)[秋の気配が訪れるころ]となっていく。

 今年の梅雨明けは、私の70年余りの人生の中でも最も早いものだった。気象庁も「1951年からの梅雨明け記録では最早」とのこと。6月28日付朝日新聞朝刊には、「梅雨最短」の見出し記事。27日に関東・甲信越・東海・九州南部各地方の梅雨明け、28日には近畿・中国・四国・九州北部各地方の梅雨明けが発表された。6月中に梅雨明けとなるとは前代未聞。京都地方の今年の梅雨入りはこれも異常に遅く6月14日だったので、2週間だけの梅雨。例年は、祇園祭の山鉾巡行のある7月17日前後に梅雨明けとなるのだが‥。

 梅雨明け前の6月25日ころからは、猛暑日となり、7月上旬には京都市内の最高気温が38.6度と驚異的な気温を記録。合歓木(ねむのき)の開花も今年は早く、6月25日ころから開花が始まってきていた。だが、例年の梅雨明けとともに始まる蝉(せみ)の大合唱は、まだ、まったく聞こえてはこない。トンボもまだあまり見かけない。

 梅雨明けとなった28日の翌日の午後、大学の哲学科の先輩である小野さんの大阪府枚方市の自宅に、これも先輩である泉澤さんとともに行くこととなった。猛暑日だった。二十数年ぶりの小野先輩の家、先輩の奥さんの美的センスがちりばめられた室内だった。ペットボトルの水に青モミジを入れ込んで凍らせた氷柱と青のガラス器などなど、一服の清涼の室内コーディネートが素晴らしい。季節の花「半夏生(はんかしょう)」、季節をあしらった団扇(うちわ)、季節の藍染の暖簾(のれん)、季節の食べ物「水無月」などなど‥。3時間余り歓談する。話は多岐にわたる。

 6月30日、京都駅ビル8階にある「京都府旅券センター」にパスポートの受け取りに行った。新たな10年パースポートだ。この日も猛暑日。京都駅ビル3階にある喫茶店「英国屋」で一服する。外のテラス席は喫煙可能なので、「抹茶かき氷」を注文しながら、タバコをしながら、しばらく読書をする。

 京都駅からバスに乗り、京都大学農学部前バス停で下車。近くにある京大の図書館とも呼ばれる喫茶「進々堂」に入る。ここでも「いちごかき氷」を注文。暑い暑い、台風の雨が欲しくもなる。午後2時過ぎに銀閣寺・吉田山界隈の娘の家に行き、孫たちの世話のサポート。あまりに暑い日なので、1歳6か月の孫の寛太との散歩は、日が少し弱くなってきた午後4時半から。京都出町柳の小さな寺の門前に、「夏有涼風」の四字毛筆。

 7月3日(日)の午後、この日1年ぶりくらいに映画館に行った。6月17日から全国上映が始まった「峠—最後のサムライ」(司馬遼太郎原作)役所広司主演を観た。映画館からほど近い、喫茶イノダコーヒー本店に行き、外のテラス席(喫煙可能)で1時間ほど読書。

 京都市内の商店街には、3年ぶりの祇園祭前祭・後祭の山鉾巡行を控え、祇園祭の提灯がずらりと吊下げられ、コンチキチンと祇園囃子(ばやし)の音色が流れていた。8月の大文字の送り火、10月の時代祭りも今年は3年ぶりの開催が予定されている。だが、ここにきて、7月上旬より新型コロナオミクロン株変異種BA5による感染第7波が始まってきている。コロナ禍の状況の推移によって、これらの開催も微妙になっていくのだろう。

 7月2日から3日にかけて、台風の影響で京都地方も大雨となった。まあ、待望の大雨、3日には、四条大橋から見る鴨川は増水し茶色い激流となり、堰堤には人っ子一人としていなかった。翌日4日の夕方、四条大橋から見る鴨川は一転、清流となっていた。この日の日暮れ時、東京在住の陳佳秀さん(中国人)が京都に来ているので、京都南座前で待ち合わせし、久しぶりに祇園白川石畳通りの「侘助(わびすけ)」で乾杯をすることとなった。私の妻とも侘助で合流した。これもまた、「夏有涼風」。