彦四郎の中国生活

中国滞在記

京都、青もみじを楽しむ❶—『月刊京都』、『KPRESS』に紹介されているところ

2021-05-28 05:26:43 | 滞在記

 今年の桜開花は例年よりも10日ほど早く、京都では3月25日頃には満開を迎え始めていた。そして、今年の梅雨入りもまた例年より3週間も早く、京都では5月16日に梅雨入りしてしまった。新型コロナウイルスのパンデミック禍下、昨年春は、人気(ひとけ)の少ない時間やさまざまな場所の桜を8年ぶりにじっくりと見て廻って静かに過ごした。そして今年は、4月中旬ころから京都近隣の"青もみじ"の光景を見に廻って静かに過ごしている。

 "青もみじ"は、雨や曇りの日でも、それなりにしっとりとした美しさや落ち着きのある瑞々(みずみず)しさがあり、梅雨の季節でもその光景が楽しめる。 "青もみじ"という言葉や、"青もみじ"を楽しむことが流行(はや)りとなり始めたのは、ここ2〜3年のことかと思うが、確かに、秋のもみじの紅葉とはまたちがったしっとりとした美しさがある。

 昨年の春、一冊の月刊誌を買った。"地元発、京を楽しむ大人マガジン"、『月刊京都』という雑誌だ。毎月、さまざまなテーマで京都とその周辺地域の紹介をしている。昨年2020年5月号(826号)は、「青もみじを楽しむ」、青もみじの名所を紹介している特集だつた。そこに掲載されている「ここの青もみじの光景は見てみたいなあ」という何箇所かに今年は行ってみようと思いたち、4月中旬ころから"青もみじ"を見るために訪れ始めている。

 梅雨が続く日々だが、おそらく7月上旬ころまで青もみじは楽しめる。特に、「床もみじ」(黒光りのする床にもみじの緑が映る)は、晴れの日よりも曇りの日が最も美しい。『月刊京都』の特集「青もみじを楽しむ」に掲載されている場所はたくさんあるが、掲載されている中で特に今年行ってみたと思ったのは以下のところ。

 ❶永観堂(京都市左京区永観堂町)、❷真如堂(京都市左京区浄土寺真如町)、❸善峯寺(京都市西京区大原野小塩町)、❹興聖寺(宇治市宇治山田)

  ❺安楽寺(京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町)、❻常寂光寺(京都市右京区嵯峨小倉山小倉町)、❼大原野神社(京都市右京区大原野南春日町)、❽二尊院(京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町)、❿野々宮神社(京都市右京区嵯峨野宮町)

 ⓫天龍寺(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町)、⓬光明寺(長岡京市粟生西条ノ内)、⓭喫茶茂庵(京都市左京区吉田神楽岡町)、⓮吉田山荘カフェ真古館(京都市左京区吉田下大路町)、⓯さがの楓カフェ(京都市右京区小倉山堂ノ町)、⓰閑院宮邸跡(京都市上京区京都御苑)など‥。

※『月刊京都』のバックナンバー号は購入可能。京都市内の5箇所の書店や、大阪と東京のジュンク堂書店にあり。問い合わせ先は発行元の京都市左京区にある「白川書院」。

 京阪電鉄『KPRESS』(京阪グループ 沿線おでかけ情報誌)は、京阪電車の各駅に置かれている無料の情報誌。毎月発行されている。今年の5月号の特集は「初夏の風に吹かれて—青もみじを探しに」。京阪電車沿線の28箇所の青もみじの場所が紹介されているが、そのうち27箇所は京都、1箇所が滋賀県大津市、大阪はない。

 ⓱南禅寺(京都市左京区南禅寺福地町)、⓲哲学の道(京都市左京区)、⓳建仁寺(京都市東山区小松町)、⓴松花堂庭園(八幡市八幡女郎花)

※『KPRESS』でも掲載されている瑠璃光院(京都市左京区上高野東山)の床もみじは、それはもう見事だ。主庭の木々の緑が数寄屋造りの書院2階の黒光りする床や机を彩り、息をのむような圧巻の美しさを出す。秋の紅葉時もまた見事。が、しかし、京都八瀬にあるこの小さな寺院の拝観料が2000円とべらぼうに高い。ぼったくりのような料金設定には、圧巻の光景だけでなく驚かされる。だから、通常、❶~⓴の寺院などの料金は100円~500円まで。瑠璃光院も数年前までは500円だったが、住職の代が変わったのか‥。

 美術館の特別展拝観料金以上の2000円とは、光景の美しさとともに仏教の世も末かという感もして落胆もする。中高大生は1000円なので、それより年下の小学生などは拝観はできないのかなあ‥。身銭を切るような落胆の気持ちをもう経験したくはない。だから、この寺に再びいくことはないだろう‥。あの圧巻の美しさは見たくもあるが‥。

 床もみじの美しい、幻想的な光景が見られる寺院が京都にはもう一箇所ある。京都洛北の岩倉にある実相院だ。ここは料金500円。❶~⓴や実相院などは、学生時代から今までに何度も訪れているところだが、今年は、「青もみじを楽しむ」という目的で訪れた。次号以降、そこでの青もみじのことを記したい。