彦四郎の中国生活

中国滞在記

「日語口語4」の授業❺学生感想から、学生が会話授業で求めるものとは何だろう?と考えてみた―

2018-07-15 07:16:20 | 滞在記

 中国福州の6・7・8・9月は超暑い。35度以上の猛暑日が連日続く。外に10分ほど出れば汗が止まらなくなるほど、体が熱せられる。38度を超す日も多く、体温より高い気温には熱中症の危険もある毎日。この季節、ハイビスカスと日傘の花が咲く。5・10月も30度を超える日々。半年間は真夏日や猛暑日の、中国全土の省都で最も暑い都市・福州。

🔴汪佳漪―寺坂先生の授業はとても面白くて、好きです。しかし、私の日本語のレベルは限られていて、先生と話すことが よくできないのは本当に残念です。夏休みの時、私は一生懸命 日本語を勉強して、次の学期にも先生の授業を受けたいと思います。いつもお世話になりました。 🔴黄雲潔―寺坂先生は私たちに授業を受けてから、半年ほどの時間になった。授業中、日本に関係があることも学んだ。たとえば、日本のアニメを紹介したり、日本の昔話を語ったり、日本の『伊豆の踊子』という映画も見た。いろいろな知識を得た。クラスと会話するのがいいと考える。クラスの仲間関係が良くなった。それに、会話の能力がちょっと上達になった。

🔴余瑞淩―本学期、私は怠惰になりました。授業をサボる。勉強もあまりしない。それは大変と考えます。寺坂先生は本当に立派な先生です。私のことを心配する。本当にありがとうございます。来学期、私は必ず一生懸命に頑張ります。 🔴王嘉駿―寺坂先生は本当におもしろい先生ですね。授業中で楽しいです。私たちにたくさんな会話練習をしてくれました。会話の能力がだんだんよくなりました。日本についていろいろな話を聞いて、詳しい日本の勉強になりました。本当にありがとうございました。 🔴王天天―この半年以来、本当に楽しい時間を過ごしました。心から先生に感謝する。先生の励ましのためで、私はもっと日本語会話に勇敢になった。実は私の日本語が下手でしかたがないです。でも、先生に褒められました。徐々に自分の意見を発表する。ありがとうございました。 

◆以上、64人中の学生のうち、40人程度の授業感想でした。

 ―学生たちの授業感想から、「学生たちが、会話の授業に求めているものとは、何なのだろうか?」を考えてみた—

①授業に行くのがけっこう気が重いというか、初めて中国の大学で授業をするに際して感じた学年だった。なにせ、学年の学生たちのクラスや学年の雰囲気が暗く、「授業に対してどう感じているのかがさっぱり分からない?」という学生がとても多い学年だったからだ。それほど不気味な静けさを持っている学生たちだった。「私の授業がなかなか通用しない!」と挫折感みたいなものを感じたりもする16回(※2クラスで32回)の授業だった。授業全体を通じて、前半は日本語で話しかけてくる学生は少なく、「日本語で話し掛けられることを怖れている」という感じの学生が大半だった。

②大学の日本語学科に入学して1年半を経過していたこの学年。そのような原因は何なのだろうか?と考えてみると、思い当たる節はいくつかあった。まず、とても学生の数が多すぎるということである。(通常の1.5倍の人数。1クラスあたり、現在の1回生は20人程度、2回生は32人、3回生は18人、4回生は19人。)  これが最大の要因かと思う。

③そして次に、これまで担当していた日本人教員が、個人的な会話を学生とする場合に「日本語ではなく中国語を多用してきていたのではないか?」ということだった。これは、日本人教員がしてはならないNGなのだが…。3月当初、学生たちのほとんどが、「日本語で話しかけられることを極度におそれているなあ…」と感じることが多かった。

 学生たちは、「もっと日本語会話が上手になって、日本人の先生と日本語会話が少しでもできることを目標にがんばりたい」という気持ちで、日々の学習に努力をするものだが、中国語で個人的な会話を1回生の時からしてしまうと、「先生と話す時は日本語を使わなくてもよい」になってしまうので、全体的に日本語学習のモチベーションが低下することは間違いない。(私の場合はたまたま中国語ができないので、使いたくても使えないのであって。これが学生の会話能力向上にはプラスになっている。もし、かなり中国語が使えたら、使ってしまう可能性もあるが、やはり、使わないようにブレーキはかけるだろう。これは、数年の経験を経た今だから思うことだ。)

④ ①~③の結果と、学年の学生の個人的な性格(恥ずかしがりやが多いなど)などとが相まって、極端に「非積極的な学年・学級集団」になっていたように思う。

 ❺学生の集団的なクラスの雰囲気は、授業過程の中盤より少し変化を見せ始めてきたかとも今思う。学生のたちの授業感想を見る限り、「1・会話能力が伸びてきた。2・人前で発表することに恥ずかしさが減ってきたと書いていた学生が多くみられた。これは、教室の前で全体に向けて「会話発表」を多くとった成果かと思う。それと同時に、学生たちのグループ発表のための話し合いを多くとったため徐々にクラスの雰囲気が変わり始めたことが大きい。(グループは、最初は親しい者同士、徐々に発表になれてきたら、教師がグループを指名して、人間関係の流動化を図った。)

❻私の方で、授業中「日本語での個人的な会話―短い会話―」をできるだけ、一人一人ととることによって「日本人と日本語で話す」ことへの怖れを少なくしていった。

❼「無駄話」の効果―個人的なことや今までの人生での出来事などを教師が学生に毎回の授業で語ることは、かなり教師に親密感をもってもらうには重要な要素かとも思う。教室にたまに笑い声が起きる雰囲気は大切だ。

◆今、「日本語会話授業」で、教師が修練する必要があるなあと感じていることは、おおまかには次の3つの要素であるように思う。

1、日本語に関する「日本語とは何か」ということに関する(文法的にも、日本語の特徴などや日本語と日本文化の関係性などなど)基本的な学問性をどれだけ習得しているか。どれだけ研究しているか。

2、どれだけ、学生の日本語習得状況に応じて、「学生に無駄話」ができているか、人間性や人生経験を持っているか。それに、「日本という国はどんな国なのか?」「日本人ってどんな民族なのか?」ということを研究し、学生に語れる力量を持っているか。これは中国に関しても。

3、日本語会話能力を高めていくための、いろいろな学習・訓練・習得の授業方法の「引き出し」をどれくらい豊かに持っているか。

◆私の場合、1〜3はどれもまだまだだが、特に3はまだ弱い。中国の大学などで教えている多くの日本人教員の場合は、それぞれどうなんだろう? 3の引き出し、つまり授業方法論ばかりを学ぼうと教員も多いように感じてもいる。私が思うに、1が50%、2が25%、3が25%の割合で、修練が必要なのではないかと思っている。授業は1〜3の総合だ。3ばかりを追求したがる教員は、1の「日本語の何を教えるのか」「日本語とは何なのか」の基礎研究をしていない人が多いのではないか?と考えたりもする。1に自信をもたないと、やおら3に頼ろうとする傾向が強いのかな?と推測したりもする。やはり、基本は1が重要なのだ。「教えることとは学ぶこと」(ルイ・アランゴン)の言葉通りだと思ったりもする。

◆一人一人の学生の感想文をブログに書きながら、学生の顔や思いを浮かべる。そして、学生の気持ちを考えてみる。

 


「日語口語4」の授業❹学生の感想から④―学生が授業で求めるものとは何だろう?と考えてみた―

2018-07-15 03:29:25 | 滞在記

🔴杜莎―今学期はもっといろいろな日本語についてのことを学んでいました。敬語とか、共感詞とか、助詞とか複雑な文法が、前よりちょっと上手になって……。寺坂先生のおかげで、発表の会話を通じて、私は日本語の述べるのが上手になりました。それでも、大きな声で話すことはまだできません。 🔴李莉―この授業を通じて、いろいろなロールプレーができてとても面白かったです。みんなのロールプレーもそれぞれ違って、勉強になりました。ロールプレーをすると、クラスの雰囲気は変わります。元気も出せます。とてもいいと思います。先生もいつも自分のことをみんなにシェアして、とても嬉しかったです。先生の授業は、いつもクーラーの温度を最も下げ過ぎで、いつも寒いけど、来学期もどうぞよろしくお願いします。 🔴何海麗―寺坂先生の授業をもらえる以来、私の日本語の会話は少しずつ進歩しています。問題があれば、先生も教えてくれます。そして、授業の中で楽しかったです。特に、日本のアニメの文化について、少し知りますが、先生の紹介はとても面白かったです。つまり、先生のお世話になり、ほんとうにありがとうございます。 🔴陳芸婷―先生の授業はいつも楽しいです。中国人の先生の授業と違うのは、寺坂先生の授業で、もっと発想ができて、授業の雰囲気が楽になって、いつも皆さんの笑顔を伴う授業だと思いますわ。先生、いつも世話になっております。ありがとうございます。

🔴陳月穎―本学期の授業は、本当におもしろかったと思います。寺坂先生の教え方は上手ってすごく感じました。全日本語の授業が、つまらないものとは感じられません。私、本を読むのが大嫌いだから、こうやって自由に日本語を勉強するのは大歓迎です。これからもよろしくお願いします! 

 🔴袁華玉―2学期以来、教室で友達と違う問題を話し合った。発表によって、演技も勇気も上がってきた。そして、学んだ知識物語と結びつける、とても面白いです。陳月穎さんは漫画家で、私は編集者です。自分の考えや経験を日本語で話すことができる。先生の二学期のお世話になりました。お疲れ様でした。  🔴羅万珠―日本語の勉強も2年になりました。日本語が難しいと思って、日本語を嫌いになっているわけではありません。私は中国の文化が好きで、日本の文化も好きです。勉強しているうちに面白いことがたくさんある。私は今、口語が上手ではありませんが、きっと頑張ります。 🔴劉悦―寺坂先生、こんにちは。今学期にはいろいろ勉強になりまして、ほんとうにありがとうございました!先生は授業の時、ちょっと厳しいだけど、真面に日本語を教えてくださって、本当に申し訳ございませんでした。来学期も先生が授業をしていただきたいんですが、もし授業しなければ、私は先生のことを思っています。いろいろお世話になってほんとうにありがとうございました。