逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

再燃したロス疑惑と赤いニシン「a red herring」

2008年02月25日 | 社会・歴史


一審で有罪になった時に、『この程度の証拠で無期懲役とは』と不愉快になり、
最高裁で無罪が確定した時には、もっと不愉快になるという、
不思議な体験をした事件でした。

テレビドラマの「刑事コロンボ」では、最後の場面で犯人が自白するからドラマが終わるし、観客も満足する。
アメリカの刑事コロンボと、日本の司法制度では、必ず犯人は自白することになっている。
ところがロス疑惑では、最後まで犯人が自白しないで、しらをきりとうす。
日本の「刑事事件の約束事」を守らない、(掟破りの)三浦和義被告。此れでは日本の警察では有罪に出来ない。


日本の刑事捜査では、鹿児島の選挙違反冤罪事件でも県議一人を除く、有権者11人中過半数以上の6人が、3~6日の任意の取り調べ?で自白している。

富山の痴漢冤罪事件でも、任意の取り調べ?3日目に自白して、裁判でも無罪を主張することは無く、有罪が確定し服役する。

秋田県藤里町の幼児連続殺害事件では、1ヶ月のあいだ24時間マスコミが取り囲み、軟禁状態で精神的に限界状態にした挙句に、18時間連続の任意の取調べ?で自白する。

日本の警察の世界的に凄いところは、捜査能力ではなく、容疑の有無にかかわらず容疑者を自白させる能力ですね。
それで『状況証拠では真っ黒』でも自白なしのロス事件は、有罪に出来ない。
アメリカ捜査当局には容疑者に対する自白の強要ではなく、伝家の宝刀『司法取引』がある。

田中角栄が有罪になったのもロッキード幹部との司法取引(コ-チャン証言)があったからで、日本では絶対無理な現役首相の有罪が勝ち取れた。

ロス疑獄が日本で無罪になったのは、実行犯の特定に至らなかった為です。
しかし、アメリカの刑事裁判のほとんどは、司法取引で行われ、凶悪事件なら実行犯は罰せられない。
今回も実行犯との司法取引が成立したから逮捕されたのか、それとも日本の裁判のやり直しなのか。?

今回、新証拠(新証言)の発見ではなく、アメリカ司法当局が20年前の逮捕状がまだ有効だからとの理由で、逮捕したのなら、限りなく『赤いニシン』である可能性が高い。





『属人主義と属地主義』

事件はアメリカのロスアンゼルス市ですべてが起こっており、明確な属地主義をとっているアメリカに、当初から事件の捜査権や、裁判権があった。
然るに、「属地属人主義」の日本側司法関係者がアメリカに頼み込んで日本で起訴した事情がある。

今回、一事不再理を理由として、日本側無罪の事件をアメリカのサイパンでの逮捕を不当とする論評もあるが、二重処罰は何も珍しいことではない。
パンツの内に麻薬を隠し持っていてハワイで逮捕、略式起訴された勝新太郎が、帰国後日本側の司法当局にも逮捕,起訴されたのは有名な話ですね。

最初から、アメリカで起こり、アメリカに捜査権がある事件での、海外捜査の苦手な日本側での裁判の方に無理があったようです。

26年前にも、個人的事件にもかかわらず、アメリカ軍の全面協力による被害者の日本への移送が行われたが、今回の日米合作はどの程度行われたのだろうか。?







『ブログ界での意見』

「事件の背景を考えるとき、それで得する者に目を向けろ」は、推理の基本。
昨日まで日本国民が何に怒っていたかと言えば、女子中学生に暴行した米国海兵隊員であり、漁船を沈めた海上自衛隊です。
奇しくも日米安全保障条約で結ばれた『両国軍隊の体質』が批判に晒されていた。

どちらの事件も、証拠隠しぐらいは出来ても、今更無かったことにする隠ぺい工作は無理だが、事件の影響力を薄めることは簡単に出来る。




『低気温のエクスタシーbyはなゆー』2月23日

「イージス艦事件が大衆メディア的には吹っ飛ぶ大事件が発生した」

★テレビのワイドショー、スポーツ紙、夕刊紙などの大衆メディアはこのニュースに飛びつくので、大衆メディアからイージス艦衝突事件のニュースは急速にフェードアウトするであろう。




☆『三浦和義元社長がサイパンで逮捕!』 イージス艦衝突や沖縄米兵レイプが吹っ飛ぶ『2008年02月24日』

http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/603.html

投稿者: ヤマボウシ
題名:三浦和義元社長がサイパンで逮捕!

ロス疑惑で知られる三浦和義元雑貨輸入販売会社社長が23日、旅行先のサイパンで逮捕された模様です。これにより、今日以降のTVのワイドショー、スポーツ紙、夕刊紙などの大衆メディアはこのニュースでほとんど一色になり、イージス艦衝突事件のニュースは大衆メディアから急速に消えていく可能性があります。

一方、mixiには三浦和義元社長本人が参加しており、その日記によれば、サイパンへ行ったのは18日で、その5日後に逮捕されたことが判ります。

サイパンは米国領土なので、おそらく入国時には例の日本と同じ悪名高い指紋と顔のチェック・システムがあるはずですから、以前から手配があれば入国時に逮捕されていたでしょう。
ということは、逮捕が決まったのは、ここ1~2日のことではないでしょうか。では、ここ1~2日の間の出来事と言えば……。

《おまけ~用語解説「スピン・ドクター(Spin Doctor)」》

スピンドクターとは「ボールにスピン(回転)を与え、曲がらせる技に優れた広報専門家」のこと。特に政界でメディア相手に事実をうまく自分の側に有利に広報する専門家をいう。
時の政権を揺るがす事象が発生すると、なぜか都合良く世間の好奇心をひくような事件が起きて、世間の関心はそちらに集中してしまう。

そのような情報操作を「スピン」という。




『マッド・アマノのパロディタイムス』本音のコラム

2008年02月24日(日) 『 三浦和義氏逮捕はイージス艦不祥事隠しか? 過熱報道に歯止めをかけろ! 』

どーも怪しい。いや、非常にウサン臭い。何かがおかしい。
なぜ、このタイミングで逮捕なのか? しかも、「新証拠が見つかった」と米捜査局が日本の捜査当局に説明しているらしいが、その内容はまったく公開されない。こんなの、ありなんだろーか。どう考えたって日米共同謀議の疑いは濃い、と思うがいかがなものか。・・・・・

・・・・・福田政権すらも持たないことを両国政府は懸念しているに違いない。そこで“奥の手”を使わざるを得なかった。奥の手といえば耐震建築偽装隠しのためにライブドアのホリエモンこと堀江貴文氏を逮捕して異例ともいえる長期間、拘置所に勾留した、あのやり方を思い出させる。・・・・

・・・・ホリエモン逮捕によりさらなる追及に急ブレーキがかかってしまった。ついに真相はウヤムヤ、姉羽氏一人に罪をかぶせて一件落着となった。
 三浦氏も堀江氏や姉羽氏と同じスケープゴートにさせられたとしたら人権侵害もいいところではないだろうか。まっ、日米両国政府の国策捜査だとすれば人権など無視するのは朝飯前ということになる。







『二十数年前との類似点』

当時、アメリカはロナルド・レーガン大統領、日本側は中曽根康弘首相の下で、新自由主義が猛威をふるい「民間活力の導入」の旗印で国鉄民営化などが強行される。
国鉄民営化とは、『改革』の名の下に、政府自らが自国の法律や国連(ILO)勧告を無視、踏みにじると言う、法治国家の基本を忘れる暴挙である。
民営化の結果が、1985年度末の債務残高23兆6千億円が38兆円の巨大赤字へと膨らんだことや、国鉄時代には考えられない信楽事故や尼崎事故の様な巨大惨事の勃発であることは、言うまでも無い。

一番の問題点はモラルハザード。
政府自らが法律を破っておいて、誰に対して法の遵守を言うつもりだろうか。?
生臭坊主の説教は、誰も聞かない。
政府に順法精神が無ければ、保険金詐欺の様な事件が起きるのは、ある程度は予想された、仕方が無い事柄だろう。

そしてテレビなどの電波メディアは時間的な制約があり、このロス疑惑を報道することで、肝心の日本に何が起こっているかを報道しなかった。

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4 コメント

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得をするのは石原慎太郎 (kaetzchen)
2008-02-25 22:49:53
四半世紀前の「疑惑の銃弾」で,大騒ぎしていた文藝春秋とは裏腹に,静かに対決姿勢を取っていた者がいた.いわゆる石原軍団とテレ朝である.朝日新聞社が当時,統一協会と全面対決の姿勢を取っていて,それを諌めにかかったのが石原軍団である.石原慎太郎は朝日が折れなければ,今後テレ朝での番組出演を一切断ると脅したのだな.当然,統一協会から石原プロに裏金が流れていて,税金も申告されていない.

# そして,統一協会批判の矢面に立っていた朝日ジャーナルは潰され,以降朝日新聞の紙面からは統一協会批判の記事は消えていき,統一協会がでっち上げた「拉致事件」を全面的にバックアップするという恥さらしを行うこととなる.いずれ,拉致事件が統一協会の行状と官憲が発表した時に,朝日新聞は恥を晒す事であろう.

さて,21世紀の「ロス疑惑」,どうしてロス市警が捕まえたかと言えば;今度は石原慎太郎に「新銀行東京の赤字補填をしてやるから,東京に政府ファンドを作って事実上のカジノをやらせろ」という要求が,ブッシュ政権から示されたせいである.要するに新銀行東京の借金をバクチで帳消しにしてやるという甘い罠だ.その人質が水之江滝子の甥である三浦和義という石原ファミリーの出来損ないで(だから最高裁は政治的な圧力のために無罪を言い渡さざるを得なかった),今回の逮捕劇はそれだけの話に過ぎない.

こういう国家レベルの犯罪を隠すために,毒ギョーザでもイージス艦事故でも,二回目のロス疑惑でも,何でもやるのがこの国の政治家なのだ.
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a red herring (kaetzchen)
2008-02-26 11:41:51
a red herring とは A herring to which a red colour is imparted in the process of curing it by smoke. のことです.つまり猟犬を訓練する際,獲物が通り過ぎた臭いの残ってる道と交差するように,臭いのきつい薫製ニシンを引きずっておき,猟犬が正しい臭いと間違った臭いとをかぎ分けられるように訓練した,というのが語源でして,draw a red herring across someone's path などの言い方も使われています.この手の意趣逸らしって,多いんだよね.
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新しい証拠 (ブログ主)
2008-02-26 17:50:57
三浦容疑者は、これまでに何べんもサイパン旅行をしている。
今回も、経営している会社の慰安旅行とかだったらしい。
何べんも入国している人物を、今回逮捕した理由が、新証拠(証言)の発見でないなら、当然赤いニシンが疑われる。プンプン臭いますね。臭すぎるロス疑惑ポルノですね。



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慰安旅行と銘打って (kaetzchen)
2008-02-26 21:26:19
昔はキーセン観光なんてのもありましたね.かつて親父がゼネコンに勤めてた時,会社ぐるみで台湾へ旅行へ行った後,一ヶ月ほどおかんは親父に一切,口をききませんでした(笑) 20年も三浦たちの下半身を追ってきた老刑事は哀れだと思いますよ.
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