鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

少子化における地域行事の見直し

2019年04月17日 | 議会活動

平成31年4月17日(水)

 

 少子高齢化は社会生活のいたるところに影響が出ています。地域行事は特に子どもの数が減ることにより、縮小や廃止などに追い込まれるケースが増えてきました。

 

 私が住む町内の役員をされている若い婦人は、数年前に町内に引っ越しをしてきました。ご主人と小さな子ども2人の家族構成で、ご主人は子どもの頃、この地域に住んでいたそうで、その頃の思い出が印象的だったということもあり、実家近くに移り住んだということでした。引っ越した当時は、休みの日になるとご主人が子どもの世話をする姿をよく見かけ、組合の会合にも小さな子どもを同伴し、夫婦揃って地域行事には必ず参加されています。そのような姿を見て、地域の住民も、子どもをあやしたり、普段の生活でも声がけをするそうで、地域の優しさに感謝しているという話を聞くことができました。世間話の末、彼女の本題は、地域のお祭り開催について意見を聞きたいというものでした。

 

 さて、私たちの地域では、毎年7月の第2土曜日に、天王祭という子どもが神輿をかついで練り歩くお祭りが行われています。暑い最中、午後3時頃から8時過ぎまで、小学生の高学年から中学生までが対象で、地域の伝統行事として古くから引き継がれてきました。氏神様との関連もあり、かつては男子だけが神輿をかつぐという習慣でしたが、少子化が始まった頃から、女子の参加がなければ祭りが継続できないこともあり、今では男女の差はありません。

 さらに、少子化が深刻となり、大人の手助けが必要で、それも実施していますが、基本的には子ども神輿ということもあり、大人の参加は最小限に留めています。

 

 祭りの企画担当の間では、少子化に合わせ練り歩く場所を絞るなど、規模の縮小を検討しているとのことでした。やむを得ない処置だとも思いますが、長年にわたり、各家庭の前を神輿が練り歩く姿を見てきただけに、また、家内安全など神輿が通ることによる意味が尊重されてきただけに、どこかに集約されことになれば、様々な意見も出てくるだろうという配慮から、役員として一軒一軒訪ね歩き、意見を聞いているということでした。丁寧な対応に頭が下がる思いです。

 

 私は、子どもの頃、このお祭りを通じて近所の先輩や後輩となる子どもたちとの交流を図ってきたことや子ども同士の絆について感想を伝えました。

 先ほども触れましたが、役員のご主人がなぜこの地域に住みたいと思ったか、彼女は私の話を聞きながら、夫婦の会話に通じる共感を覚えたといいます。私の子ども世代の夫婦が、地域に抱くイメージが私と同じことに感動しました。

 

 少子化は避けて通れませんが、都市部や新興住宅地の中には、子どもたちに対する郷土愛を伝えようと、わざわざ神輿をつくり、規模は小さくても地域とそこに住む子ども達の交流の場をつくっているところをいくつか見てきました。少子化を理由に失ってはいけないものもあることを、改めて感じています。

 

 地域の伝統行事は、先輩達が長い時間をかけて培ってきたものであり、その価値は後世に繋げていかねばならないと思います。大人が考えている以上に、子どもたちの心の中には大切な思い出として刻まれているようです。

 そのためには、子どものいる世帯だけでなく、そうでない家庭も含め、地域全体で何ができるか考えることが大切ではないでしょうか。「地域で子育てを」という県の方針は、このような場面でも地域力が試されているようにも思えます。

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