令和6年5月5日(日)
コロナ禍が去り、快晴の下、富士市大淵笹場にある茶畑と富士山の絶景で世界的にも関心が高まる、「おおぶちお茶まつり2024」が開催され、来賓としてお招きいただき、久しぶりの一服感を味わいました。
(お茶まつり会場の様子)
おおぶちお茶まつりは、新茶の季節を迎えた毎年5月3日に開催されてきました。しかしここ数年、新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、何よりも富士山と茶畑の景観を楽しむ屋外でのイベントであり、茶娘が新茶を摘む姿が一番の売りで、全国からこの光景を写真に撮る人たちが集まり、中には早朝3時には会場に来たという方もいました。
10年ほど前から始まったこのイベントは、放棄され荒れた茶畑の再生に取り組んできた、地元有志の方々による努力の賜です。この場所が評価された大きな理由は、茶畑と富士山以外の人工物は見当たりません。このような日本の原景色は今ではほとんど見ることができず、この場所の特権ともいえます。
富士山が世界遺産に登録された頃に始まったイベントで、構成遺産には含まれませんが、それに準じた光景といっても過言ではありません。
地元では、当時から今も続く茶業の衰退はかなり深刻ですが、茶畑を再整備し観光振興に役立て、地域に外部からの人の流れをつくりたいという思いが強くありました。その頃から私もこの地域の皆さんとの交流があり、環境に配慮した観光化に向け、県による駐車場やトイレの設置などで、側面から支援してきた経緯があります。
ここまで世界からも関心が高まった背景には、SNSなどによるこの景色や地域情報などの拡散があげられます。過去には米国大手マスコミのCNN取材をはじめ多くの海外メディアにも取り上げられました。
会場で地元の方に伺うと、お茶まつりのような大勢の人が集中的に集まるイベントよりも、混み合わない平日に外国人客が訪れているといいます。ありきたりの観光ガイド以上に情報が豊富なSNS効果に驚いています。
当日、私もこの絶景を見ながら野点を楽しみました。たまたま、私の隣にいた外国人カップルは、日本語がわからず、どのように楽しめば良いのか迷っていたので、お節介ですが私が少し助言をさせていただきました。
最初は緊張していたようですが、その後会話が弾み、聞いてみると、中国から個人旅行でこの絶景を一度見たいとの思いで来たといい、日本の茶文化も体験してみたいとのことでした。また、その他に気に入った場所や関心があった場所があるか訪ねたところ、大井川上流の川根本町にも訪れたと話していました。
話しには聞いていましたが、海外からの来訪者は、特に個人で来られる方は事前にSNSなどを活用して情報を集め、自ら日程を決めてオリジナルの旅行を楽しんでいることがうかがえました。
野点の後は、茶畑で茶摘みをする茶娘と富士山が移る場所に移動し、私が写真を撮って差し上げると何度もお礼を言われ、恐縮しました。
会場に足を運ぶ毎に、イベント内容や周囲のおもてなしの環境などが変化しています。しかし、ここの売りはシンプルに茶畑と富士山の絶景です。茶畑の整備は決して楽なものではなく、地元の皆さんが常日頃、努力されているからこそこの絶景が保たれていることを忘れてはいけません。改めて、感謝です。
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