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日銀の金融緩和は万能薬にあらず①

2012-05-01 00:00:44 | 日本

 4月27日に行われた金融政策決定会合で、日銀は資産買い入れ基金の総額を5兆円増やして70兆円とする追加の金融緩和を決めました。長期国債の購入額を10兆円増やすほか(一方、固定金利の共通担保オペは5兆円減額)、買い入れ対象の国債の残存期間をこれまでの1~2年から1~3年に広げることも決定し、さらに長期間の金利の引き下げを促そうとしています。

 こうした日銀の対応について、安住財務相は大いに評価するとしたうえで、為替相場の安定に良い影響をもたらすと語るとともに、物価目標1%の達成に向けて日銀が引き続き果断な対応を取ることに期待を示しました。

 一方、金融市場ですが、外為市場におけるドル/円相場は日銀の発表直後こそ50銭程度円安ドル高に触れて1ドル81円台半ばとなりましたが、その後は徐々に円高となり、30日のNY外為市場は1ドル80円10銭前後から取引が始まっています。日経平均株価のほうも為替と同じく一時的に100円程度上昇したもののその後は下がり、結局、終値は前日比41円程度マイナスの約9,521円となりました。これらをみるかぎり、今回の日銀の決定は直前のマーケットに織り込み済み程度の内容だったということができそうです。

 さて、今回の日銀の追加緩和が実体経済のほうに与える影響はどうでしょうか。結論からいうと景気へのポジティブな効果は期待薄と思います。

 本来、経済低成長時の金融緩和の目的は、低金利の資金を市場に供給して企業の設備投資等を促すことで景気に刺激を与えようとするものです。ところが、以前にもここに書いたように、わが国は長年にわたって需要不足が続いていて、企業には新しい資金ニーズがないため、こうした効果はほとんど期待できません

 また民間金融機関にとっても、企業への貸し出しが増えないなか、日銀に国債を引き受けてもらって得た現金の運用先に悩んでしまうはずです。多くの場合、外債などのリスク資産は敬遠され、結局、ふたたび日本国債が買われることになるでしょう。

 といったわけで、緩和マネーは金融市場をぐるぐる循環するだけで、実需を喚起するなどの景気活性化の効果をもたらしてくれそうにありません。

(続く)


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