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「黒田日銀」にも求められる貧困軽減の理念①

2013-03-13 00:04:19 | 日本

 「わたしたちの目標は貧困の軽減です。

 以前、とある機会で聞いたアジア開発銀行(Asian Development Bank:ADB)のプレゼンの冒頭の言葉です。シンプルだからこそそのメッセージはとても印象的なものでした。

 当時は、その数年前にアジア諸国を襲った通貨危機の影響で、アジア諸国の経済・社会にはさまざまな混乱が残っていました。その中でいちばん目に付いたのが激しい物価高です。タイバーツやインドネシアルピアなどのアジア諸国通貨の対ドルレートが、最悪時ほどではないにしても、まだまだ低い水準にとどまっていたことや、各種の補助金が撤廃されたことなどもあり、ガソリンをはじめとする生活必需品の値段が高騰し、市民生活を圧迫していました。インフレやそれがもたらす貧困の蔓延は当時のアジアでいまよりもずっと身近で深刻な脅威だったように記憶しています。

 あれからずいぶんたった今日、アジアの国々の多くは危機から立ち直り、高い経済成長を成し遂げ、主要都市では中間階層も徐々に形成されて、市民の生活もより豊かになったように感じられます。

 とはいうものの、都会の目抜き通りの発展ぶりのほどには、これらの諸国では、まだまだ公共インフラは十分に整備されてはいないし、年金や保険などのセイフティーネットの構築も進んでいないのが実情。「トリクルダウン仮説」のようにうまくいくわけもなく、多くの人々が発展の恩恵を得られないまま、以前と同じような環境で、現状への不満と将来への不安を抱えたまま、その日暮らしに近い生活を余儀なくされています。

 先日チェックしたADBのHPには、その目的として「アジア・太平洋地域の貧困からの解放」が引き続き掲げられていました。時は移っても貧困の脅威は消えることがない―――アジアに限らず、経済の発展を貧困の軽減につなげることがいかに難しい課題かということをあらためて感じさせられます。

 そんなADBのトップとして2005年からの8年間、アジアの貧困に向かい合ってきた方がまもなく次期の日銀総裁に就任されます。黒田東彦氏―――元大蔵官僚でおもに国際金融畑を歩み、同分野の要ポストである財務官を務められた方。ADB総裁のキャリアを含めて国際業務経験も豊富で、内外の知名度も高く、日銀の次期総裁にふさわしい方のように感じられます。

 「デフレ脱却に向けてやれることは何でもやる」―――その黒田氏は国会衆参両院の所信聴取で日銀総裁候補としてこのように語っています。そのために「グローバルスタンダードとして2年程度で2%のインフレ目標を達成することが何よりも重要な使命」と述べたそうですが・・・。

(続く)


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