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【欧米の資金援助額は少な過ぎ…】ウクライナ:債務不履行か?①

2014-03-13 00:04:38 | ヨーロッパ

 突然の政変とその後の混乱に揺れるウクライナですが、お金の視点で予想すれば、結局はロシアに頼らざるを得ないでしょう・・・。

 先月末、ウクライナの暫定(?)政府は、2013年末における同国の対外債務が1400億ドルに達したと発表しました。それらのうち650億ドルが支払期限の迫る短期債務とのことです。その一方、発表時点での外貨準備高約150億ドルにまで減少しまっているそうです。この貴重な外貨ですが、中央銀行による自国通貨フリブナの買い支えとか外貨預金の流出で、今後の短い期間にさらに少なくなることは確実でしょう。現に、ウクライナのいまの外貨準備高は120億ドル程度にまで減っているのではないかという見方も出ています。

 そして今月10日には同政府の財務相がウクライナは今年末までに100億ドルの債務を返済する必要があることを明らかにしました。でも実際にはもっと多くなりそうです。国営ガス会社などの借金を含めると、返済額は130億ドル近くになるという試算もあるもようです。いずれにせよ、現在の手持ちの外貨準備でまかなえないことは明白です。そんなわけで、早く資金繰りを何とかしないと、ウクライナは年末を待たずにデフォルトに追い込まれてしまいそう・・・。

 で、その資金の手当てのほうですが、何とも心細い限りです。たしかに今月初旬にEUがウクライナに対する総額110億ユーロの包括支援策を発表しましたが、すぐに実行できるローンはわずか6億ユーロとのこと。そしてEUに先立って同国支援を表明したアメリカの支援額も(失礼ながら)たった10億ドル・・・。ウクライナはいますぐにでも40億ドルほどの外貨が必要となっているそうですが、頼みの欧米諸国からの援助がこれっぽっちでは、お金のやり繰りはまさに綱渡り状態です。さぞかし同国暫定政府は「せっかく親欧米のスタンスを明確にしたのに、当てが外れた」と感じていることでしょう。

 そしてこうした国家の金融危機に決まって登場の国際通貨基金(IMF)ですが・・・一応、ウクライナの経済改革プログラムを支援する準備ができており、同国政府の決意を評価している、といった具合で、支援に前向きに思えます。しかし、実際に援助が開始されるためには、緊縮財政や各種補助金カットなどの厳しいプログラムの実行をウクライナがIMFに約束する必要があります。もっとも、そのハードルはいまの同国にとってきわめて高いうえ、現在の同国暫定政府の法的正当性に疑問符が付くことなどから、正式な資金援助は5月に予定されている新大統領選挙のあとになりそう。あと2か月「も」先です。それまでウクライナは持ちこたえられるのか・・・。

 「デフォルトを回避するには2014、15年の2年間で350億ドルの資金供与を想定する」―――欧州、アメリカ、そしてIMF等に対して同国支援会議の開催を呼びかけたウクライナ暫定政府の当局者はこう述べたそうですが、上記のような状況で同国がこれら3者からそんな大金を得られるわけがない―――そう思っています。

(続く)


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