世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【トランプノミクスのドル安で石油リンク仮想通貨の魅力は増す?】興味深い?ベネズエラの石油リンク型仮想通貨⑤

2018-03-07 00:01:18 | その他の地域

前回からの続き)

 これまで綴ったような状況から、ベネズエラがこのたびスタートさせた石油リンク型仮想通貨「ペトロ」(Petro)の前途は何とも視界不良といった感じがします。もし同国政府が本気でこの不透明感を払しょくさせるつもりなら、1ペトロ(今回は60ドル)で同国産原油1バーレルの交換を順守しなければならないと思います。まあ前述のとおりこれ、相当にハードルが高い目標のはず。債務支払いに充当するドルをかき集めたいばかりに同国はインフレに頼りたくなってしまう、つまりペトロ過剰発行の誘惑に耐えられそうになさそうだからです・・・

 それでも万に一つの確率で(?)、ベネズエラがペトロの価値「1ペトロ=1バーレル」を忍耐強く守り続け、かつ他の産油国もこの枠組みに加わったりしたら・・・これ、ドルに勝る「石油交換券」となり、同国は所期の狙いのとおり(?)原油市場におけるドルの存在感を低下させることができるかもしれません。繰り返しますが、アメリカ人以外にとっての米ドルアメリカ以外の国々の原油との交換券です。その「アメリカ以外の国々」が上記のような安定的なレートで自身の原油交換型仮想通貨を流通させることに成功すれば、実質的な石油交換券が欲しい中国や日本のような国々は、これとは入れ違いに石油引換機能を喪失していくドルのかわりにこれらを外貨準備として保有するようになるでしょう(?)。

 これに関連して指摘すると、ベネズエラのような産油国にとって、こちらの記事等で記したように、米「トランプノミクス」(歳入減少[大減税]・歳出拡大[財政出動]による財政収支悪化でドル安必至の?政策)の発動でドルがますますインフレな通貨になっていくのも、一定の交換率を保った石油リンク通貨を発行、流通させるうえでは好都合です。当該通貨産油国はドル減価リスクのヘッジができるし、石油を買う国々は、ドルよりも価格保存力の優れた、すなわち1単位当たり1バーレルの原油交換が保証された同通貨のほうを持ちたいでしょうからね。

 おそらく今後、上記事情からドルは安くなるいっぽうで、逆にドル建て原油価格は高くなっていくでしょう(?)。こうなると、より多くのドルが手に入るベネズエラのような産油国はトクをするように思えます・・・が、じつは必ずしもそうとはいえません。これによって、たとえ原油ドル建て輸出額が2倍になっても、食料品や医薬品とか自動車などのドル建て輸入額が3倍になって、差し引きではドル安の前よりも実質ではソンをするおそれが生じるためです。ドル安で日本、中国や欧州からの輸入品のドル換算価格は上昇してしまうので、実際にそうなる可能性のほうが高いような気がします。産油国の多くは原油以外の産品のほとんどを外国からの輸入品に依存しているので、こうなると苦しいところです・・・

 ―――と考えていくと、これから先、産油国はドルを使うよりも1単位=原油1バーレルみたいな交換レートを固定した独自の仮想通貨を流通させたほうが有利、ということになりそうです(?)。「当該通貨>ドル」(実質価値の高い順)が成り立つからです・・・って、あくまでもこのレートを守り抜く限りは、という条件付きになりますが・・・

(続く)
金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする