スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

能登半島支援・玉藻杯争覇戦&不確実性

2024-02-20 19:27:04 | 競輪
 高松記念の決勝。並びは菊池の後ろで佐藤と東が競り,浅井に井上,町田‐松浦‐香川‐福島の中四国。
 松浦,菊池,浅井の3人がスタートを取りにいき,松浦が誘導の後ろに入りました。しかし菊池が引かず,ずっと松浦の外で併走を続けたため,町田を迎え入れることができなかったので松浦が引き,菊池の前受けに。その後ろは周回中から内外を入れ替えながらの競り。4番手に浅井,6番手に町田の周回に。残り3周のバックの出口から菊池が誘導との車間を開け始めました。後方になった町田はホームに入ってから発進。菊池はおそらくその腹積もりであったのでしょう,突っ張りました。競っていたふたりが離れてしまったので,菊池の後ろに叩きにいった町田が入って打鐘。離れてしまった佐藤は内から上昇しようとしましたが,位置は取れませんでした。ホームに戻って町田が発進。あっさりと前に出て菊池は後退。バックに入ると浅井が捲り発進。これに合わせて松浦が番手捲りを敢行すると,浅井がうまくスピードを緩めて松浦の後ろに入り,松浦‐浅井‐井上の隊列になって直線。脚を残していた浅井が松浦を差し切って優勝。松浦が4分の1車輪差の2着で浅井マークの井上が半車輪差で3着。
 優勝した三重の浅井康太選手は昨年11月の四日市記念以来の優勝で記念競輪33勝目。GⅢは34勝目。高松記念は初制覇。このレースはラインが長い中四国ラインの番手となった松浦が圧倒的に有利。町田は菊池を叩くことはできませんでしたが,番手に入って残り1周のホームからは先行になりましたので,悪い展開ではなかった筈です。浅井はよいスピードで捲っていき,松浦が発進したところで香川を阻んで番手を奪ったのですが,これが見事な走行でした。結果的には町田はもう少し遅めの発進でもよかったかもしれませんが,中四国勢の作戦どうこうよりも,このレースは浅井の走りが素晴らしかったと思います。

 スピノザがいう確実性certitudoという概念notioが積極的で,デカルトRené Descartesがいっているそれは消極的であるということは,仮にその反対概念を想定してみれば分かりやすく理解することができると思います。確実性の反対概念ですから,ここではそれを不確実性と表現して,それがデカルトおよびスピノザにとって,それぞれどのような概念として想定されるべきなのかということを考えておきましょう。
 デカルトの方法論的懐疑doute méthodiqueは,デカルト自身が疑い得ない事柄を探索する試みです。したがって確実なものは疑い得ないことということになりますから,それとは逆に,疑い得ることは何であっても不確実であるということになります。実際にデカルトは,自分の身体corpusが存在するということはもちろん,平面上に描かれた三角形の内角の和が二直角であるということも,これは当座の事柄としてはという前提をつけるべきかもしれませんが,疑い得ることとしていて,それらを不確実であるとして,疑い得ないこと,いい換えればデカルトにとっての絶対的な真理veritasとは認めなかったのでした。ですから少なくとも方法論的懐疑の過程においては,不確実性はデカルト自身が疑い得ることと等置されているということになります。
                                   
 これに対していえばスピノザの思想にははっきりとした不確実性という概念はないのです。もちろんスピノザも,ある観念ideaについてそれを疑い得るということは認めます。少なくとも混乱した観念idea inadaequataというのは疑い得る観念であるということをスピノザは認めていますが,第二部自然学②要請三によって,現実的に存在する人間の身体humanum corpusは外部の物体corpusによってきわめて多様の仕方で刺激されるafficiのであり,そのときには第二部定理一七によって,自身の身体を刺激するafficere外部の物体の表象像imagoという混乱した観念が自身の精神mensのうちに発生するのですから,そうした疑い得る観念は,現実的に存在するすべての人間の精神mens humanaのうちにあるといわなければなりません。ところがこの場合の疑い得るというのは,それが不確実であるということと等置することができるわけではありません。等置できるとすれば,それが十全な観念idea adaequataであるか混乱した観念であるか分からないということとです。

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