白雲去来

蜷川正大の日々是口実

爆竹の声中、一歳を叙す。

2019-02-06 12:50:48 | 日記
二月五日(火)曇り。

昨日は、立春。春にふさわしく、四月の中旬ごろのポカポカ陽気となった。禅宗の寺やその檀家では「立春大吉」の札を門柱に貼って、「厄」が来ないようにと願った。旧暦の頃は、立春の日が一年の始まりと考えられており、立春の前日である「節分」の日に豆まきをして一年間の厄を払い、新しい一年の始まりである立春の日に厄が来ないように。という願いを込めて「立春大吉」のお札を貼った。

もう亡くなられてしまったが、お世話になった方より、毎年、立春の日に日比谷花壇から見事な蘭が「立春大吉」の言葉と共に届けられた。この日になると、その方を思い出す。

今日五日は、春節である。いわゆる旧暦の正月。日本人にはピンと来ないかもしれないが、中国では、この日が本格的な正月で、故郷に帰る人、休みを利用して旅行に出る人などで、まさしく民族の大移動が開始される。この旧正月を祝う習慣は、なにも中国だけではなく、台湾やシンガポールなど華人社会でも同じで、横浜の中華街でもこの日を祝う。

テレビのニュースで、中国では、この日に爆竹を鳴らして厄除けをするが、最近では「音」と「煙」が酷く規制をされていると聞いた。横浜の中華街でも、この爆竹が観光客の近くで破裂し、鼓膜が破れたと言うような事故から、今では、箱の中に爆竹を入れているが、それでもすごい音で思わず耳をふさいでしまう。もともとは、青竹をあぶって破裂させたとのことで竹が爆発するから「爆竹」。

春節と言えば、中国の人に一番膾炙されているのが、北宋の政治家であった王安石の「元日」という詩。

爆竹声中一歳叙 爆竹の鳴り響く中一年が終わる
春風送暖入屠蘇 春風が入って来て暖かい 屠蘇
千門万古瞳瞳日 都中の家で初日が昇る元日の朝
総把新桃換旧符 新年を祝って門のお札を新しくする
※『漢詩酔談』(大修館書店)より。

日曜日に、中華街へでも出かけてみようかと思っている。

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