sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

維新派「アマハラ」

2016-10-25 | 芸術、とか
音楽のライブは時々行くけど、こういう舞台にはあまり行かないのですが
今回は、舞台好きの友達がチケットとるけどいる?って聞いてくれたので、
それに甘え、見てきました。
奈良、平城宮跡地での、維新派の最後の公演「アマハラ」。

わたしのまわりでは、維新派見に行ってる人ってすごく多くて
誰でも知ってるものだと思ってたのに、
他の人と話すと案外「維新派?」と、きょとんとされるので、
あー世の中と自分の周りの世界との乖離を思い出し、認識を改める。笑
維新派(劇団維新派)は1970年、松本雄吉(大阪教育大学出身)を中心に旗揚げ。
劇団員総勢50名ほどが自らの手で1.5〜2ヶ月以上かけ巨大な野外劇場を建設し、公演が終れば自ら解体して撤収するという「scrap&build」の劇団として知られている。また公演時には様々なフードやドリンクを提供する屋台村を併設し、巨大劇場と併せ名物となっている。
作品は少年少女の青春群像劇を軸に、退廃的でノスタルジックな世界観を構築。会話によって語られることは少なく、セリフのほとんどを単語に解体し5拍子や7拍子のリズムに乗せて大阪弁で語られる独特の劇形態(「ヂャンヂャン☆オペラ」)を持つ。ヂャンヂャン☆オペラの名は大阪下町「新世界」にあるジャンジャン横丁から取ったものである。
日本以外に海外でも数多くの大規模公演を行っている。大規模公演の新作は基本的に年1回。まれに屋内での公演やプレ公演のような小規模公演を行うこともある。

(Wikipediaより。)
今回の「アマハラ」は、2010年に上演した「台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき」の
再演だそうですが、それも見た友達によると、
構成からかなり違うものになっていたようです。

20世紀初頭、アジアの島々を目指して出て行った移民たちの記憶や、
船、旅、航海、生活、などの断片が、繰り返しの多いシンプルな音楽と共に、
廃船の舞台上に散りばめられていきます。
なんだか夢を見ているような不思議な気持ちになる舞台ですね。
この動画で雰囲気は少しわかるかな。↓


せっかくだから奈良をぶらぶらしたかったのに、朝排水管清掃が来たりして、
早めに行くことができなかったのですが、
公演前に屋台村で軽くあれこれつまむことはできて、満足。


雨がたまにぱらぱらしたけど、公演中はほとんど降らず
落ち着いて観劇できました。
舞台は廃船を模して作ってある。海のない奈良に、船。

この写真の段々のところが観客席です。真ん中の真ん中へんでした。
そして、一番前の席よりこれくらいの俯瞰で見るのが良かったように思います。



夕方5時15分ぴったりに始まり、日が暮れていくのを計算しつくした照明に
とても気持ち良く乗せられました。
終わりの方では、気がつくと舞台の向こう側のすすき?キリンソウ?の草原が
すごくきれいにライトアップされ、
その手前の舞台にいる登場人物がシルエットになったり、消えたり、
草原との距離感もあやつられているようで見事だった。

さらにこういう広い場所なのに(奈良は空が広い)音響もすごくよかったので
大きな音がずーんと胸に響いても圧迫感はなく気持ち良い。そして
小さな音も耳まで澄んだまま届き、全くストレスなしで浸ることができました。
壁や天井や建物がないと、ぶつかる風に音を邪魔されることがなかったからかな。
それもこれも含めて
ずっと維新派の公演を観てきた友達が、今回のは最高だった!と言ってて、
いやほんと、よかった。近かったら何度も見たかった。

公演の後は屋台村で、少しつまみながら飲みながらライブやショウを見る。

この日はクロワッサンサーカス団。とても楽しい。

平城宮跡地って、駅から遠いんですが、帰りも駅まで戻ってから
近くのイワシ料理の店で、イワシ料理とカエルの唐揚げなど食べ、
終電前に帰宅しました。

古い維新派ファンの人たちは、今回は特別思い入れがあるようで、
本当に良い舞台だった。チケット取ってくれた友達に感謝です。