sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

ワイングラス

2018-07-31 | 小さいもの
時々飲む千円代のワインに足のないグラスが付いてた。かわいい。
足がなくて小ぶりだと持ち運びにとても良いので
(紙コップやプラコップでお酒を飲むのがすごく嫌な人です)お外で飲みたいな。

最近ちょっといいワイン(小売で1万円くらいまでだけど)を飲む機会が続いたので
千円くらいのワインを飲むの久しぶりだったけど、
このグラスの付いてたワインは前から割と好きなワインで、やっぱり飲みやすい。
ぶどうはシラーやグルナシュなどですが、
いい感じにまとまったブレンドになってると思う。

家で飲むのは、せいぜい月に2、3本くらいなので(1本を3日くらいかけて飲む)
もうちょっといいワインを飲んでもいいかなぁと、
この頃は2〜3千円台のワインを飲んでいるのです。
そうすると、せっかくなので、グラスももう少しいいのがほしくなる。
震災でほとんど割ってからは、まともなワイン用のグラスがなかったけど、
去年くらいから、ちゃんとしたグラスがほしくなって
シャンパーニュ地方で作られてるグラスで、
リーデルより安いよと勧めてもらったグラスなどを見ています。
ワイングラスは種類が多くて選ぶの難しいけど、楽しいなぁ。









落語で宝塚(エリザベート!)

2018-07-30 | 芸術、とか
神戸は新開地に出来たばかりの喜楽館に行ってきました。
今回は、宝塚がテーマの夜席。いろんなものがあるなぁ。





前半の、宝塚歌劇に関する落語はよかった。
たまに歌劇に詳しくないとよくわからないところもあったけど、かなり笑えた。
特に、宝塚大歌劇場への行き方の説明を落語にしたのが、地元民としては楽しかった。
客層も、普段の落語の寄席とはちがって、さほど年配じゃない女性も多かったので
宝塚ファンの方で来られてる人も多かったのかも。

でもエリザベート名場面集は、も少し工夫が必要。
このものすごい下手な素人芝居に90分は長すぎ(^_^;)
よく頑張ってるのはわかるけど。w

あんまり美しくないエリザベートやトート・・・。



最初と途中、ナレーションを浪曲と生の三味線で語る演出はとてもよかったので
基本的にそれで話を回すことにして、
歌と踊りは有名な場面と面白い場面だけを選んで、うんと減らして、
60分弱の尺にすると、いい感じになるんじゃないかなぁ。
幼稚園並みの舞台で笑えるのは30分くらいよねぇ。

とはいえ、なんかほんと、変なもんを見た面白さはある。
古典落語が好きなんですけど、たまにはこういうのもいいかもしれません。笑

ペンキ塗り:和室編

2018-07-29 | Weblog
冬の終わりにピアノの部屋の壁を塗ったことは書きましたが、
今度は、息子の部屋だった洋室を和室にリノベした部屋を塗りました。
4畳ちょっとくらいの小さい部屋なので、ピアノの部屋より早くできるかなと
じっと壁を見ていたんだけど、なんか前と違うことしたくなったのと、
脚立に乗って塗るのが大変だったことを思い出して、上の方は塗らないことにした。
 
クロゼットの壁の面は塗らないけど、ドアと窓の壁の両端と、普通の壁との三面を
床から180センチの高さで区切って塗ることにしてみました。
つまりツートーンね。脚立に乗らないで、腕を伸ばせば濡れる範囲なのはラクだった。



去年のリフォームで張り替えた壁のクロスがすこし浮いて?
3ミリくらいの隙間ができてるところあるけど、塗っちゃえば目立たないかなあと強行。
 
多分これ、リフォーム屋さんに言ったら絶対補修するレベルの隙間なんだけど、
また連絡して約束して予定組むのめんどくさいし、まあいいや、と塗ったら
案外目だたくなったので、これでいいか(テキトー)。

今回塗った和室は、玄関すぐ横のエアコンのない部屋。
リビングのエアコンひとつで、ときどき廊下開け放して間接的に冷やしてるんだけど、
2週間くらいエアコン24時間付けっ放しなので、エアコンひとつでも、
エアコンのない部屋まで、家の中はそんなに暑くない。動くと汗かくけど。
(首にかけたタオル3枚ぐっしょり。翌日なぜか足腰が筋肉痛に)
ペンキは2度塗りしますが、冬に、ピアノの部屋のペンキ塗った時は、
1度目と2度目の間に4時間くらいはおいたけど、今の季節は1時間で十分みたい。
2度丁寧に塗って完成。
養生はいつやってもめんどくさいけど、ペンキ塗るのは楽しいなぁ。
 

翌朝見たら、ツートーンは、思ってた以上にカジュアルになりすぎたし
天井が低く見えて圧迫感がある気がするし、普通に一面だけ塗ればよかったかなぁと
少し後悔があるけど、またいつか塗ればいいや。
ツートーンの上の白いところをグレイやクリーム色に塗ったりしたらどうだろう?
他の部屋も終わったら、いつかやってみよう。

そして、次は寝室の壁を塗る予定です。
今まではブルー系だったけど、ここはピンク系にします。
グレイッシュな淡い色にしようかな。

ペンキ塗りって、恋人とやったらものすごく楽しいだろうなぁと思うけど、
夏の今、よれよれの古いTシャツで首にタオル巻いて(汗だくで、もう3枚目)
スッピンで汗流しながらの肉体労働なので、
やっぱり一人でやるしかない気がしました。まあ、いないんだけど。
とにかく、今年は、もう2部屋塗ったし、ピアノの調律も13年ぶりにやったし、
もうこの1年でやるべきことは全部した感。
あとは、痩せさえすれば悔いはないけど、このあとすぐにビール飲みました。
1日がかりで、ペンキ2度塗りして、マスキングも外して、道具もか片付けた後の、
冷えたビールおいしいし、ペンキ塗りはやめられないなぁ〜

ディック・ブルーナ展と棺桶

2018-07-28 | 芸術、とか
ミッフィーちゃんじゃなく、主にペーパーバックの装丁デザインの展示。
原画はほんの少しだけだで、ほとんどが装丁などのデザインの模写展示で、
こじんまりしてるけど、さすがのセンス、ディック・ブルーナはいいなー。

彼はもともと親の会社を継ぐことになってて経営を期待されてたけど
絶対無理と思ってデザインをやるようになった、とかそういうことらしい。
ディック・ブルーナ晩年の、すごく機嫌のいいかわいいおじいさん姿には品があって
なるほど元々ぼっちゃんなのね〜と思った。
そういう風に思われるのが、きっとすごく嫌だったかもしれないけど。
二十歳そこそこのときの、室内かなんかの線描が2、3枚あったけど、
その頃から、すごい清潔でセンスのある線を描く人だったのがわかって驚いた。

以下3枚は、ディック・ブルーナへのオマージュ作品の展示より。






美術館に行くと、チラシで封筒を作る趣味があるのですが、
ディック・ブルーナのデザイン展では、本が好きすぎて読みすぎて
目が赤くなってるブラックベアの小さい封筒ができました。

今回のポスターもブラックベアですね。

そして、ディック・ブルーナ展で買った手ぬぐいは、ミッフィーちゃんにみえるけど、
どうやらミッフィーのお婆さんらしいうさぎが棺桶の中?で眠る姿の絵。

ん?と、二度見して、買ってしまった。
でも。全体の雰囲気は、いつものミッフィーとなんら変わりがなくかわいいので、
すごいシュール。

気に入って、もうハンカチ代わりに使ってます。

続・ホットサンド

2018-07-27 | お弁当や食べ物
そういうわけで、ホットサンドを時々作っています。
こんな風にサンドイッチにしたら網を上からもかぶせて金具を留める。

そのままオーブントースターに入れて5分くらい焼いて、網を外すとこんな感じ。
(これは別の時の違うパンだけど)

半分に切るとトップの写真のようになります。
これの中身はサラダチキンとレタス、紫たまねぎと薄焼き卵かな。

ホットサンドは、出来立ての、中身がとろーりなってる時がおいしいけど、
お弁当にも持って行きやすいです。

これは、息子が小さいころ使ってたサンドイッチ袋の残り。まだあった。
懐かしいな。楽しいな。
ホットサンドが冷めたらペーパータオルで包んで、これに入れて
切らずに持っていけばこぼれないし汚れないし、冷めてもおいしかった。
パンは、これはあんまり美味しい高いパンでなくてもいい気がする。
いや、そりゃいいパンの方が美味いだろうけど、いろんなパンで試してみます。

これは目玉焼きと、キャベツソーセージ炒め。


これは甘酢生姜と、キャベツの甘酢漬けとツナ。甘酢好き。

ゆで卵つぶしたマヨ和えと紫玉ねぎを和えたものも作ったけど
とろりとした卵のフィリングはホットサンドのベーシックかな。
生まれて初めて食べたホットサンド(30年くらい前、大阪の喫茶店だったと思う)の
中身がこういうので、とろりと熱くなった中身が美味しくて
感激したことを思い出します。
わたしの世代だと、子供時代にはなかったもので、
もう少し大きくなってから初めて食べたようなものの記憶はたくさんある。
チーズケーキ、クリームチーズ、ティラミス、たらこスパゲティ、
スパゲティ以外のパスタ、薄いピザ、どれも中学以降に、初めて食べたなぁ。

そういえば、子供の頃は「よその国」は遠かったなぁ。
気楽に行くようになったのはバブルくらいからでしょうか。
わたしの大学時代くらいからで、それまでは本当に遠かった。
洋行という言葉の響きが、まだほんの少しだけど残ってた頃。
そういう頃に初めて喫茶店で食べたホットサンドを思い出します。

ホットサンド始めました

2018-07-26 | お弁当や食べ物
わたしはパンより断然米派として半世紀以上ぶれることなく生きてきたけど、
ホットサンドを作って食べたい欲が限界を超えそうで、作ってみることにした。
良いパン屋があるのは文化度の高い街だと思うけど、
うちの界隈は残念ながらそうじゃないので、ホットサンドも作るしかないのである。
いいパン屋があったら、自分であれこれ作らなくてもいいもんな。
とはいえ、ホットサンドを食べたいだけでもないのよ。
作ってみたいの、作って食べたいの。
(でも米への愛が減ったわけではありません)

まずはホットサンドメーカーを買わねば、ということでググってみたら
おおまかに3つのタイプがあるようです。
まず、古典的なバウルーと呼ばれるもの。
四角いフライパンのような2枚の鉄板的なものでパンを挟み、直火で焼くタイプ。
今はIH対応のもあるのかな。(うちはIHじゃないので関係ないけど)
それから、家電タイプ。電気バウルーとでもいうか。
うちにある、ワッフルメーカーは、このタイプ。仕組みはバウルーですが。
最後に網タイプ。鉄板ではなく網で挟んで、グリルやオーブントースターで焼く。

最初は電気タイプのこじんまりとしたかわいいやつに心が動いたんです。
でも電気タイプの手ごろな価格のものは、
電源スイッチがなくコンセントにつないだらオンになるとか、
鉄板を外して洗えないとか、いくつか不自由なところがあって却下。
そしてバウルーはガスの前にいないといけないし、案外場所をとりそうだから
結局網タイプのものにした。
2枚が蝶番のようなものでくっついてるのではなく、完全に外れるやつに。
なんでも構造はシンプルなものが好きなので。値段も安い、二千円弱でした。

食パンは一人暮らしだと余るし、冷凍しようにも冷凍庫のスペースは少ないし
何より米を愛しすぎてて、そんなに毎日パンを食べたくないので
あまり買わないのですが、
サンドイッチは好きで、それのために12枚切りを買うことは時々あります。
でも、ホットサンドで12枚切りってあまり聞かないのよね。
調べてみたら8枚切りがスタンダードみたいで、6枚切りだとやや厚めらしいけど
8枚切りってあんまり見たことない。関西だから?
結局、よくホットサンドを作られてる人の勧めに従って4枚切りを半分に。
どうせ真ん中辺は押されて薄くなるので、薄いパンでやってもいい気がして、
こんど12枚切りで試してみようと思いますが、とりあえずは安全な方を選びました。

具は、最初はシンプルにハム、レタス、卵焼き、カマンベール少し、で作ったけど、
玉ねぎとかシャキシャキするものも欲しかったかな。
すごく簡単に完璧に(自分比)できて、おいしかった。大変満足。

ネット上のレビューでは、焼いた後、パンを外す時にパンが網にくっついて、
ボロボロになったとか、網の掃除がすごく大変だったとか
そうならないために油をよくひいてとか書いてあったけど、
何も塗らずにそのまま焼いても、全くそんなことなくきれいにこんがり。
オーブントースターで1000ワットで5分。簡単、完璧。
その間にゆっくりコーヒーを入れます。大変満足。

その後、何度か作ってみたとき、一度だけパンが網にかるくひっついてたことがあったけど
少し間をおいたら、やっぱり簡単にすっと外れて、問題なかった。
パンが網にくっつくという人は何をどうしたんだろうな?
パンを外した後も、網は水気も油気もなく、パンパンと軽くはたけば洗う必要もない。
すごく楽しいし美味しいし気に入りました。買ってよかった。

嫌うのはエネルギーがいるからね

2018-07-25 | Weblog
母の日に、母親との大切な思い出を語り、母がどんなに大事か述べる文章を
Facebookなどでいくつも見て、母親も嫌いなわたしには、ほのかにつらかった。
ほんの、ほんの、ほのかにですけど。

母のことは嫌いだったけど、今はもう、好きではないにしてもそんなに嫌えない。
死ねばいいと思うほど嫌いだった人や物も、
長い間にそんなに嫌っていられなくなる自分が、嫌だし悔しいけど、仕方ない。
嫌ったり憎んだりするのはエネルギーがいるし、
ほんと自分にはエネルギーが全然足りない。
たまに、むかっとくることもあるけど、半日経つと、
相手が物を知らないんだから仕方ないなぁと思ったり、
悪気はないんだよなぁと思ったり。
エネルギーが、足りないのよねぇ。
そもそも、もう人をそんなに嫌いになるということがあまりできない。
気持ち悪くて我慢できない人や不快な人はいるけど、
それぞれの事情を考えると、その不快さもわたしの一方的で一時的な思いで、
相手には相手の世界があることだし。
そういうぼんやりした中で本気で憎んだのは親くらいなのに、それもうやむやだ。

何でも許してしまうって、優しい人のように思われるかもしれないけど、
許したくて許すわけではなく、自分の中では、気持ち悪いんですよ。
許したくないし、できることならずっと憎んで呪っていたい。
なのに、エネルギーが足りない。
もういいやって思って助けてしまう。
昔の自分に申し訳ない。
30年前の自分を思い出すと、いつでもどこでもすぐに、
おんおん泣けるくらいに、つらかったのに、
それを思い出の中にしまえるサイズにしちゃえる自分が悔しくて仕方ない。
30年前の自分がかわいそうで仕方ない。なんとかならんかなぁ。
なんともならんまま、目の前の快適と幸せでその日その日生きていくんだけど。
ごめんなー、死んでも死にきれないだろうなぁ、20代のわたし。
ほんまごめん。と思う。

好きな名前で

2018-07-24 | Weblog
>むかしのことだが、ある人からこんなことを言われた。
>「教会に来ると、名前を呼んでもらえるから嬉しい」。
>独居生活で社会的に孤立していると、人格として名前を呼ばれることが
>ほとんどないのである。
>ザアカイはなぜ、ただちにイエスに従ったのか。
>名前を呼ばれたからではないか。

わたしの若い時代は、〜さんのお嬢さんから、〜さんの奥さん、その後、
〜くんのお母さん、と呼ばれ、
自分の名前を呼ばれることがほとんどないというような女性が多かった。
今の若い人でもそういう人はいるかしらん。
そして差別のために本名を使えない人や、
本名を使って差別を受けている在日外国人も、今、まだいますね。
呼ばれたい自分の名前を呼んでもらえない人。呼んでもらいにくい人。

逆に、本名が嫌いで使いたくない人や、結婚後も別姓にしていたい人が、
何かの手続きの折に、呼ばれたくない名前(書類上の本名?)で呼ばれることも
まだたくさんあります。

みんな呼ばれたい名前で呼んでもらいたいだけなのにねぇ。

映画:レディ・バード

2018-07-23 | 映画


ああー、これって、「フランシス・ハ」みたいな自意識過剰のイタい女の話よねと
わかった時点で、ちょっとうんざりして近寄るまいと思ったのに、見てしまった。
「フランシス・ハ」の主演・共同脚本のグレタ・ガーウィグがここでは脚本・監督。
もう少し若ければ彼女が演じたらよかったような役。主演の子はグレタに重なって見える。
ヒロインは「ブルックリン」のシアーシャ・ローナン。
まだ24歳だけど、ややクラシックな顔立ちなので、ちょっと高校生は無理があったかな。
なんか、ドスドスした感じのイタい女子高生をやるには、美人すぎるし。
でも、微妙なセンスとか、美人を台無しにする髪とか、悪くなかった気はする。

ストーリーは、公式サイトにはあっさりとこれだけしか書いてない。
2002年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。高校生活最後の1年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17歳の少女の揺れ動く心情を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた超話題作!
いろいろなことは起こるんだけど、日常の話なのでこういう説明になるのは仕方ない。

ヒロインは、自分の名前が嫌で、レディ・バードと呼んでくれといつも主張してるけど
あまり誰もそう呼んでくれない。これだけで、かなり恥ずかしい思春期臭満載。
都会やセレブに憧れて、出身地や家について嘘ついたり、
大人ぶって知ってかぶりをしたり、そういうのがばれて恥かいたりもします。
自意識過剰で、自分は人と違うと思いたい気持ちと
コンプレックスが入り混じっているところもああ、なんか恥ずかしい、ほんと思春期。

100分以下と短めな作りの映画なんですけど、中身はぎっしりしています。
少女が大人になるときの、初めての恋人、次の恋人、タバコ、お酒、パーティ、進路、
それぞれの問題が結構な濃度で描かれていて見ごたえはあります。
中でも、母親と娘の物語としての面は大きい。
とても強いパーソナリティのワーキングウーマンの母は、娘を否定ばかりして傷つける。
頭ごなしの否定が多く、遠慮のない厳しい言葉でずけずけ批判してくる。
娘も負けずに、反抗し、自立しようともがき、喧嘩に次ぐ喧嘩。
でもこれ、どちらも相手に愛されたいんですよね。
母は心の奥では娘の自立も受け入れているのに、なんか支配的になってしまう。
こういう母娘にはさまれた父親は、優しい優しい男で、鬱で失業中。
このお父さんは救いかもしれないけど、あんまり大きな役割は果たしてないです。
結局母娘の物語だな。

『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメくんが、キモいナルシスト男の役で
ほんまキモい。美形って、ひとつ違えばこんなにキモくなれるのねぇ。となんか感心。
その彼と付き合うようになって、その周りの派手な人気者グループに媚びるため、
人の家(豪邸)を自分の家だと嘘つくのは、まあかわいいけど、
自分によくしてくれる先生を裏切ったり、親友を軽く扱ったりするところは嫌だったなぁ。
ここで、主人公を好きでなくなっちゃった。
先生(カトリックの学校なので修道女のおばあさんです)も親友も暖かく許してくれて
また笑いあえるようになるので、関係ない観客のわたしも許せばいいのに、
わたしの心は狭い・・・。
保身や媚びのために、人を平気で傷つけられる人には、中々寛容になれないんだなぁ。

予告の中に出てくる、おかあさんのセリフは心にしみました。
I want you to be the very best version of yourself …
あなたの中の一番いいあなたになってほしいのよ、
あなた比最高のあなた、かな。
わたしも、それなりたいわ、と50歳過ぎても思うけど。笑

映画:羊と鋼の森

2018-07-22 | 映画


原作は少し甘いナイーブなところのある小説だけど好きでした。
そもそも、ピアノやバイオリンなどの楽器をめぐる話には、めっぽう弱いし、甘いです。
(「蜜蜂と遠雷」も映画化ならないかなぁと思ってます。
映画化になったら若手アイドル俳優映画にされる危険が高いにしても。)

映画の方は、まあ大体予想通りに普通にイマドキの邦画になってた。
安っぽい、のちょっと手前くらいかなー。
とはいえ、ああ今時のワカイコ向きお子様映画、というほどひどくないのは
恋愛要素がないせいかもしれません。
「恋愛」は素敵だけど、物語を安っぽくすることも多いですからねぇ。
これも、若い人の青春、成長物語ではあるけど、地味な世界の地味な子の話なので
チャラチャラ要素が出てこないのも、安心なところです。
(チャラチャラ要素も、盛大にやってくれてる映画は、わりと好きですけど)

印象的な音に森が見える気がした、みたいなシーンで
急に木の影がわさわさ大きくなったり
音を探して焦っているシーンで森の中を必死で彷徨うイメージがかぶさったり、
そういう、ベタというか安直なところは、演出もカメラもどちらにも多いけど、
キャスティングがかなりイメージ通りなところは、感心しました。
主人公も周りの人たちも、ピアノを弾く姉妹も、小説のイメージを壊すことなく
すんなり納得出来る俳優さんで、見るのが楽だった。

高校で、とある調律師の作る音を耳にして、自分も調律師になることを目指す青年。
北海道で育った彼は東京の専門学校を卒業した後、札幌の楽器店に勤めることになり
高校で出会った尊敬する調律師や先輩たちや様々な顧客の中、
調律を通して成長していく、というお話。

わたしは、目が良ければ修復士になりたかったし、
耳が良ければ調律師になりたかったし
自分の地味な性質には職人が向いてると思うけど、
若い頃にはそういうことがよくわかってなかったなぁ。
わかってても、どうしようもなかったけど。
いや、若い頃から自分が地味な人間なのはわかってたけど、
コツコツしたことができると思ってなかったのよね。
でも今やコツコツしかできないようになってしまった。
コツコツの楽しさもわかってきたけど、わかるのがちょっと遅かったな〜。

そして、映画見てると調律のあとでピアノの持ち主が華麗に何か弾いて、
これで良いと言ったり、音色を変えてと言ったりするのですが、
わたしはいきなり何か弾いたりできないし、
弾けてもソナチネポロンポロンレベルなので、いつもこの時が恥ずかしくて困る。
この映画見た時点で、家のピアノを10年以上ぶりに調律する予定があったのですが
なんか練習しとくべきか、悩みます。笑