抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

信頼を得るというのは騙すことではありません。

2013-11-25 | 歯科治療

【《抜く》か、《2年間何もしない》

歯医者がなにしろ増えています。本当に増えているのです。………!!……何故かわかりますか?】


「そこに銃があるから打ちたくなる。そこにインプラントがあるから歯を抜きたくなる。」……。

『えっ?!…本当に、この歯,、抜くと言われたのですか?……嘘じゃないですよね?……。』


「なるべく早くインプラントにしましょう。」と言われたのですか?……
本当に?本当なのですか!…?!……。』

思わず、
開いた口がふさがらないないような、


『患者さん!本当に、本当の事を言っているのでか?……』と疑いたくなるような…。

何しろ、
……インプラントが増えてから、【変な言い様=ヘンないいよう】が増えました。……そう、確かに増えたのです!…。

とにかく、奇妙なのは、全く、何らつながりも、年齢はもちろん、男女問わず、

いろんな地域から、歯を抜くと言われた患者さんが、口を揃えて、示しあわせたように言うのです。

私に言うのです。
【抜かないと癌になります。】と言われた。と…。

【…えっ?抜かないと癌になる。……?】

〔何それ?〕

で、インプラントにしようとするんですね。

どうも、歯を残そうとせず(残せず?…)
歯を抜こうとする歯医者の常套手段というか定石というか、決まり文句というか、決め台詞(セリフ)が、どうも、

【抜かないと癌になります。】のようなのです。…!……。


 インプラントも歯の治療の一環であり、もちろん、ひとつの立派な選択肢です。


  ただ、インプラントは、云うまでもなく、自分の歯でないし、
  さまざまな種類がある入れ歯の中のうちのひとつにすぎないのです。


 自分の歯のようには当然噛めません。
咬めるわけないのです。
           そのことは、此処でまた改めて繰り返しきます


インプラントは【入れ歯の中の選択肢の最終兵器】です。

 【素直に考えてください。コンタクトレンズが自分の眼ですか?】

 コンタクトレンズはメガネ(眼鏡)の一環です。
  コンタクトレンズはメガネです。

   インプラントは入れ歯です。

  「いや!私はインプラントは自分の歯だとは言ってない。《自分の歯のように噛めると推奨してるんだ》… …!」

  そうでしょうか?

 インプラントの(それも一流雑誌の)宣伝、広告には、《インプラントは自分の歯と変わらない》と、何かインプラントに満足した笑顔の患者さんの写真が大きく掲載されているじゃないですか。
   エライ広告料払って… …。

 《大切なのは患者さんとの信頼関係です。》
 《インプラントを薦めるのは患者さんの信頼を得て、薦めることが大切です。》

 患者さんとの信頼関係。  もちろん、大切、最も肝心なことです。

 《しかし、私には、信頼関係を得れば、患者さんを騙せるぞ。

    言いくるめられるぞ。
    インプラントを打ち込んで、儲けることができるぞ。》
  と、聞こえます。

  聞こえてくるのです。
 【信頼関係は基本です。】その通り。

 私の初心にも通じます。
  医学の倫理の基本は信頼関係です。

 でも、何か、
《歯では死なないから、患者を信頼させて、
  (騙して)、インプラントにしようぜ。
  抜いてインプラントにしようぜ。

  早く抜いてインプラントにしようぜ。

 骨のあるうちに、

 早く抜かないと癌になると言って… …。

 《歯では死なない。
 上手く信頼させれば、騙せるぞ。インプラントにして儲かるぞ。》

 私にはそう聞こえます。
 {信頼を得ることは騙すことだ。}
と。

 《信頼関係を得て(騙して)インプラントにしよう!》と、
  私には聞こえてくるのです。

《歯じゃ死なない。上手くやろうぜ。》

 【おそらく、本当に多くの歯がむやみやたらに抜かれてるんでしょうね?】

 【笑顔で、インプラントを薦められば、患者さんわからないですものね。】
   《こうしている間も、多く、残せる歯が抜かれているのでしょう。》

 【歯医者にとっては《抜く》と決めれば楽なのです。ストレスがなくなるので。】

 あとは、金額勝負です。
  金の払える患者さんにはインプラントを薦めて、
 金のない人には、ちゃちな取り外しの入れ歯をいれとけば… …。

 取り外しの入れ歯=義歯も自分に合ってきちんと作れば、

 インプラントに劣らない(インプラントに負けない)

 下手なインプラントより、ずっとずっと、噛めるし、噛み心地もいいですよ。


  もちろん、自分の歯ではありません。
  それはインプラントも同様、自分の歯ではありません。


 私の施す【歯を残す治療】は1時間はかかります。
  手術が伴えば、2時間です。


 その歯を抜く、と決めれば、30分かかりません。… …、かからないのです。

    歯医者向けの参考書にこう書いてあります。
  《何より大切なことは信頼関係です。

  (その通り!)

  それには、《歯を小さく削り、大きく削って被せ、覆い、いい材料を使用しましょう。》

   この意味わかりますか?

 歯医者向けの参考書です。歯医者にはすぐ理解できます。

    【歯は抜かない、削らない、できれば何もしない。】がいいのです。
先の参考書の、小さく削り、大きく削って被せる… というのは、

  小さく削り、までは 正しいのです。

   《問題は大きく削って被せる…》の記述です。
  これは、なんとか歯を残す時は、

歯にこしらえる柱は小さくして、

   その柱は大きく削って、大きく被せろ!と言っているのです。

    おかしいと思いませんか?素直に考えて、おかしいと思いませんか?
   単純におかしいでしょう?

  《 家を建てる時、柱を小さくして、屋根を大きく作りますょう。》
  なんて、馬鹿なことありますか?

   そんな家、すぐ壊れてしまうのは、小学生が考えても、
自明でしょう。

   歯も同様です。
 柱が小さく屋根が大きい作り方、設計したら、壊れますよ!

   壊れたら、《インプラントにしましょう。》
  と、その参考書は続けているのです。

   で、《抜いて、インプラントに、すんなり、もっていくには、

 患者さんとの信頼関係を築いておくことだ、と、強調しているのです。》
  詐欺師の重要な騙しのテクニック、手口は、


   信頼関係だと云います。

  この歯医者の向けの参考書(医学書の出版では、定評のある出版社です。)

  には、要は、《抜いて、インプラントにするには、いきなり、抜かず、
  いずれ、抜けてくるように、作り、

 (その間に、信頼関係を築いておけば、

   いざ、インプラントにする時に、

   すんなり、インプラントにして、(儲かる?)   と、教えているのです。

    ただ、それには、ひたすら、インプラント治療は、上手くなっておけ!と… …。

  こうして、インプラント予備軍を貯めておけ!と。

  それには、何より大切なことは、

  患者との信頼関係だと… …。

   一見、大切なことを言ってますが、

  歯科の初心、原点を見失っています。

 特に、この参考書は、意図的です。

 《…抜くにあたっては、
  できれば、マイクロスコープ、CT等の先端機器も、駆使しろ(勉強しとけ。)と… …。

  巧妙ですよね?

   【私は欠点だらけのつむじ曲がりです。が、正直患者さんを選びはしますが、患者さんを差別、区別はしません。騙しません。】

 とにかく、人間、何事にも初心を見失ってはいけません。

 歯では死なないからって… …。

 信頼関係は騙すことではありません。

  信頼関係を得られれば、騙せる、と、

 医学書に記述してはいけません。

  医者も、その手術の上手い外科医は、地味な手先の修行、修練を積んでいる外科医が、先端機器も使えるのです。

    ましてや、歯科は、狭い口の中を複雑にして、磨きにくくしてはいけません。

  素直にシンプルに、です。

 マイクロスコープ、なんて、あんなでかくて(高価なもの)普通の開業医には、

 現状では断じて無用です。

  地味に、治療技術=スキル、

  その優れた、治療技術=スキルこそです。

     優れた歯科医、歯医者の目(眼)は、

   その手先、指先にあるのです。

 歯では死なないからって、騙して… 信頼関係?

  で、抜いて、インプラントですか?

 それが、有名な出版社の医学書に記述してあるなんて… …

  出版社の人は、医者、歯医者ではありませんけど… …。

  で、ひたすら、インプラント治療は巧くなっておけ! と。

 インプラントを私は全否定しているのではありません。

  インプラントは医学的問題がある(もちろん、優秀な医者は警告しています。)

 最終兵器だと言っているのです。

繰り返します。
 【歯科の初心は、まずはその歯が残るか、残せるか】なのです。

  歯医者は過剰です。       行き過ぎるのも、問題ですが、(もちろん、ネットは参考だけ)

 焦らず、抜かず(抜かれず)

   症例によってはセカンドオピニオンも、大切です。

 【初心不可忘】

 … … …。

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名医は少ないです。だけど、真面目に探せば、なんとか見つかるものです。

2013-11-02 | 歯科治療

(但し、ネットはひとつの参考です。加えて、口コミと何よりも直接の相性です。)… … …。 

 名医は居ます。正直、私もなりに、歯を抜かない名医だと思っています。

 実績も医学的評価もあるし、得てます。

 大学病院からの紹介もあります。

 しかし、何よりも、信頼関係です。

   理屈抜きに相性が合わなければ、駄目です。

 【私も患者さんを選びます。】


  さて、 私が今回、紹介し、ここに記するのは、私と息子が直接接した、【眼科の素晴らしい名医です。】

 私の名古屋にいる25歳の息子がコンタクトレンズの検査で、緑内障の疑いがあると言われました。
  私は優秀な医者の友人に聞き、横浜の眼科医を紹介されました。

  ネットも参考にしましたが、参考に過ぎません。
   診察は、平均四時間待ちということ。

  私は息子に、とにかく、直接行って、診てもらえ、と… …。

  で、息子の話を聞くと素晴らしい先生でした。
  検査結果と病状の説明、今後の対応… …等々、丁寧に説明してくれ、

 息子がメモを取ろうとすると、
  「わかるように説明するから、メモなど取らず、私の目を見て、話を聞きなさい… …!」
 と、言ったそうです。

  息子は感動したようです。

 で、
 「緑内障というより、近視の歪みもある。若いから、もう少し、精査します。
  2ヶ月後位にまた来なさい。

 市販の目薬ならともかく、緑内障の目薬をすると、一生目薬と付き合うおそれもあります。

 焦らず、薬は出しません。第一、まだ緑内障と確定したわけでもありません。」

 私は、とりあえず、と、市販と変わらない目薬をすぐ出す眼科医が多くいることを知っています。
  私は、流れ作業のように、説明して、薬を出しましょうと言ったら、

  【薬はもらわず、礼儀正しくして、帰ってこい。
   後は、おまえの直接思った、相性だ。焦るな。】と、忠告しておいたのです。

   息子の印象は良かったようです。

  信頼できる、親切な先生だったと。

 私も息子の話を聞き、そう思いましたが、
   直接会った、息子の気持ち、理屈抜きの相性が大切だと思ったので… …。

   信頼関係を築くこと、理屈抜きの気持ち、相性も大切なので。


   私は、ここで、名を出せば、おそらく、「ああ!あの先生。」
  と、誰もが言う有名な医者を知ってます。

  しかし、その先生ははっきり断言してます。
 「私に診てもらうのに、それなりのお礼の金を持ってこないのら、私はその患者は診ません!
   当然です。」
  と。

 私は、息子を診てくれた、その名医に、心ばかしのお礼はしました。

   誰もが知ってる名医が本当に、名医とは限りません。(もちろん、素晴らしい先生もいます。)
  ただ、有名な人は政治的な人もいます。(だからまた名を知られることも。)

  【尤も、たとえ親切で好い人でも、その治療技術=スキルがなかったら仕方ありません。】

 なんか、やな奴でも、その治療技術=スキルは優れた見事な医者を、私は何人も知ってます。

 【患者さんはよりよく治りたいに決まってますからね。】

  だからこそ、私は直接の理屈抜きの相性が大切だと強く思うのです。

    私の患者さんに、私が丁寧に説明したことを、
 「ネットで確認します。」という人がいます。

   冗談じゃない!逆でしょう!

 【ネットで調べたことを,私に確認してもらう。】というのが、筋(すじ)だし、まともな対応でしょう!

 私は30年以上、研鑽し、また、近頃、その治療技術=スキルで、医学的実績と評価を得ている【歯をできるだけ抜かない専門医=プロ】です。

  ネットはひとつの参考に過ぎません。


  直接聞いて、接することです。

 私の説明を,
 「正しいかどうか、ネットで確認します。」
  という患者さんは、私は正直、お断りします。
  【医者も患者を選ぶ、選んでいるのです。】

 もちろん、私にお礼は要りません。

  【ほんのわずかでも、感謝の気持ちを、ありがとうと示してくれると、私は嬉しく、恐縮します。とんでもありません。と… …。】


ネットのいけないのは、時に素人がプロになってしまう気分、気持ちにさせることです。

 俄プロを作ってしまうことです。


  どの世界でも、一流の優れたプロフェッショナルは、並外れた、研鑽、修行、勉強を、努力を日々しているのです。

  それが、今、ネットだけのせいではありませんが、政治家でも経済界でも、素人が多すぎです。

  国民は、いい迷惑です。


  かの大宅壮一(おおやそういち)は言いました。
  【50人味方がいて、50人が敵。それでいいじゃないか。全部を味方に引き入れることなんてできっこない。】

  その通りです。


  いつも通りです。
 【歯科の初心はまずその歯が残るか残せるか。】

 そこから、歯と口と全身の健康が始まるのです。

 何で、そんなに、すぐ歯を抜くのですか?

  抜かれるのですか?


 歯は、あまり早急に抜くと、元気がなくなりますよ。


  時に、精力をなくす副作用があるのです。

   それを、考えもなしに、インプラントにするなんて…。


    インプラントは自分の歯であるわけがないでしょう!

  失われた精力が、インプラントで戻るわけなどあり得ません。

逆に、インプラントをして、元気がなくなった人をよく見ます。

(高い金を出費して。)

 だから、私は時に云います。


  《性的不能=インポテンツ》にかけて、

  インプラントは《インポラント》だと。


   焦らず、早急に歯を抜くことはないのです。


  人生はまだまだ長いです。


 抜くのはいつでもできるのです。


    焦ることはないのです。


 【歯科の初心はまずその歯が残るか残せるか。】です。


私も患者を選びます。


私を信じ、きちんと、私の話を聞いてくれる人には、誠意を尽くし、とことん親切にします。


それには、何より理屈抜きの直接の相性が大切なのです。


だって、私は患者さんとはプライベートには付き合いはしません。(従業員とも。)


私も充分つむじ曲がりです。親切なつむじ曲がりです。


   初心不可忘… … …。…です。


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