抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

改めて、強い誇りを持って、私の治療技術(スキル)

2012-03-31 | 歯科治療

改めて、強い誇りを持って、私の治療技術(スキル)

で施術してる事。

 一軒は勿論、二軒以上の歯医者で「抜く以外に方法はない。」と、言われた歯を残してます。開業して21年、2年以内に抜いた、抜けてきたのは、10例はないでしょう。
 大方、10年以上、噛めてます。(ここで、噛めてと、強調するのは、抜かなくても、使いものにならなかったら、意味がないので…。)
 更に私が2年に拘ったのは、歯は、2年以内に、治療をやり直しをする事になったら、《原則、無料で治療し直す事。》という《法的な縛り》があるからです。

 当然、2年、保存する自信がなければ、《抜いた》方が得策です。
 この《法的な縛り》ができて10年以上、そして、リーマンショックのあった2008(H20年)以降、歯医者の収入は激減しました。なのに、毎年、歯医者は増えるばかり。病院の歯科は採算が取れず、なくなり、あぶれた歯科医は開業するしかありません。

 そこで、台頭してきたのが《インプラント》です。
 インプラントはある意味《救世主》でした。
 1本埋め込めば、30萬円から40萬円、片顎で、200萬円から400萬円の収入が得られる事もあります。
 別にそれはそれでいい事だとは思います。

 ただ、1歯(1本)、歯を残す治療は、せいぜい1萬円程度。(保険だから患者さんの負担はそれ以下です。)

 インプラント1本に対して、30歯から40歯(本)の治療を施さないと、追いつかないわけです。
 これでは、《2年の縛り》を考えると、歯を残す意欲も萎えるわけです。
 抜いてインプラントが最も今は採算が合うし、安くしたい人には「義歯=取り外しの入れ歯」を勧めればいいのです。
 私が、《取り外しの》と強調したのは、インプラントも、取り外さないだけで、あくまでも《入れ歯》だからです。断じて、(宣伝文句のように)自分の歯のようには噛めません。

 保険の治療が、低すぎるのです。

 日本は、決して医療費が多い国ではありません。
 大新聞もテレビも事実を伝えません。
 何故か?!ースポンサーが政府だからです。

 例えば、官僚にも問題はありますが、日本は、公務員は多くない国なのです。

 それより、議員の数です。人数比で、アメリカの3倍も居るのです。       議員定数は半分にしても充分なわけです。
 話が逸れましたが、何しろ、ここ数年、《歯を残す治療》、インプラントのやり直し、トラブルの歯、尻拭いが増えました。本当に増えてます。

 ありがたいし、治療のしがいもあるし、遠くからも通院もしてくれるし……。
 でも、その手間、ストレス、謙遜もせず、言わせて貰うと、勉強、その技術(スキル)に見合う収入はありません。正直、苦しい位です。

 ある種、不謹慎な意味ではなく、(趣味の域)までと、気持ちを高めないと、全く採算が合いません。

 人間、《趣味》は、金の為や儲けではやらないですよね。真の《趣味》には損得勘定はありません。(まあ、金は宗教ですから、金儲けが趣味という人も居ますが、それは趣味とは違いますね。金に憑かれているわけで、病気です。)

《歯を残す治療》は1時間以上かかる事はざらです。10時間働いても、当然、1日10人も診療出来ない事など、しょっちゅうです。医者のように、検査して投薬してすぐ終えるわけにはいきません。歯は薬だけで治る臓器ではありません。

 大多数の歯科医は、週休2日は取れません。診療はしてない日でも、別個、働いているのです。(祝日以外、日曜日も働いている人も多いです。)
 決して儲けたいからではありません。そうしないと、《食えない》のです。親の財産を受け次いでいる人以外、週休2日は取れません。

 それでいて、初診料、再診料は医者の半分位です。

 言うまでなく、潰れていく歯科は少なくありません。
 最近は、試験等、治療技術のハードルを上げて、歯科医を減らしつつありますが、インプラントには、今のところ、《縛り》はありません。

 改めて、傲らず、自惚れず、いい子ぶらず、油断せず、今後も、丁寧な治療に努めますが……。

繰り返します。
 私は《歯を残す治療》は、上手いです。

          反面、
勿論、相性もあるでしょうが、信頼関係も含めて、単純に《歯は大切だ》と思ってない人の治療はしないようにもなってきています。

私が残らないと言ったら、その歯は抜かざる得ません。私は抜くのも上手です。保存学の専門医は(歯の神経)の専門医と同様の事なので、麻酔も上手いです。皆さん、そうおっしゃってくれます。

私は、それくらい、自分の治療技術(スキル)に自信があります。
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食の好みが(たとえ、微妙でも、)変わった時。

2012-03-14 | 歯科治療

 私の高校時代の友人が、患者で居ます。
 酒が好きで、学生時代ほど、頻繁には会えませんが、ここ数年、3ヶ月に1度のペースで、定診を兼ねて、歯の手入れに来るので、年3回位は酒を共にしてました。

 彼は、特別、酒だけ飲むというわけでもありませんが、どちらかと言うと、少食で、つまみは控えめでした。

 ただ、ここ2年位でしょうか…、彼は、つまみを多く摂るようになりました。まさに、《食べる》ようになったのです。

 私は、何か、ある種の不安、虫の知らせめいたものを覚えましたが、彼は、いたってご機嫌でした。

 ところが、1年程前、彼は大腸癌を患い、まあ、内視鏡手術で、無事、退院しました。そして、また、彼と酒を共にしました。

 ますます、《食べる》ようになりました。

 そして、半年前、今度は、ぎっくり腰と、膝に水が溜まり、入院しました。

 太りもせず、CT、MRI等の精密検査もしたという事で、退院し、また、彼と飲みました。

 相変わらず、よく、つまみを食べるのです。美味い、美味いと…。


 私は、「もっと、外科と内科の連係がしっかりした病院で検査してもらえよ…。何かおまえ、少し食いすぎだよ!」と、結構、強く、しつこく進言したのです。
 彼は、しかし、「心配無用、美味いし、食欲があるんだから…、病院でもきちんと検査したし…。」と、ご機嫌、元気で、私の忠告を聞き入れませんでした。
 そして、今年の1月、今度は風邪をこじらしたという事で、歯の検診には来ないで、2月に飲もうと約束しました。

 しかし、2月になっても、咳が止まらず、(因みに、近所の医者で検査し、通院して薬も処方され、真面目に従ってました。彼は、医者をサボるという事はありません。)
 とにかく、咳がひどく苦しいので、 2月の末、病院でCT、病理検査等、精密検査をし直したところ、何と、《肺癌》でした。

 2月23日だかに手術し、私のところにもメールが来て、少し、安心して、私は、やはり、「食べ過ぎず、養生し、また会おう。」とメールを返しました。


 ところが、この3月5日(日)の朝、彼の女房から電話があり、彼が急逝したというのです…。

 私は、暫く、絶句し、めまいがしました。

 彼は、癌の進行が、予測を越える早さであり、医者も驚き、ショックだったらしいのですが、癌とは別に、《良性》ですが、背中に、《脂肪腫》があったそうです。

 友人の優秀な医者に聞いたら、「まず、風邪で通院してた医者が引きずり過ぎなのと、やはり、内科と外科の連係のしっかりした病院にもっと早く行くべきだったろうが、それにしても、癌と判明し、2週間もしないで、死ぬなんて…。」と…やはり、絶句してました …。

 私は、改めて思いました。医者は患者の生活習慣は知りません。毎日の食生活、ましてや、その好みの変化など、まず知り得ません。

 まさに、《癌ミステリー》なのですが、今の日本では、《何を食べ、どう食べるか。》では、絶対なく、

 《何を食べないか。どう食べないか…。》というまさに、《食べない工夫》が、本当に大切です。
 ダイエットなんて、甘いものでなく、第一ダイエットなんて、要は、《沢山、意地汚く、食べる》工夫の産物でしょう…。

 自身も、また、身近な人でも、たとえ微妙でも、《食の好み》が変わった時は、本当に、本当に、留意、要注意です。

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