万朶の桜

　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　見上ぐれば万朶の桜に吸はれゆくいつしらわれに浮力増し来て

　久々に雨が上がり桜の花が青空に美しかったです。雨に濡れる桜もいいけれどやはり晴れの日の桜はことさら美しいです。木の根元に立って見上げていると、不思議な感覚に襲われふっと体が軽くなって満開の桜の中に吸い込まれていくようでした。桜の花の一つ一つは可愛らしい花ですが、葉も無いままでかたまってわっと一斉に咲くせいでしょうか、なぜか妖しい美しさを感じる時があります。