作りたるわが考案のストラップの「魔除けの猿ぼぼ」なかなかに佳し
ストラップ取り付けたればケイタイに小さな「猿ぼぼ」真赤に揺るる
作って並べていた飛騨の高山の民芸品「猿ぼぼ」を見ていて、ストラップを作ってみようとふと思いつきました。刺繍糸を編んでひもを作り「猿ぼぼ」を付けてみるとなかなかいいではありませんか。可愛い上に魔除けのお守りになると思い、友にもあげようと３つ作りました。その中の一つをさっそくピンクいろのケイタイに付けてみると、魔除けの赤い猿が可愛く揺れてわれながら大満足です。（笑）
庭先に見るは何年ぶりなるや土をもたげて光る霜柱
温暖化ゆゑと酷暑を耐え来しにこの極寒は何ゆゑなるや
今日も一日めだかの水槽の氷は融けないままでした。庭先の畑の土が盛り上がっていると思ったら、霜柱でした。霜柱なんて長い間見ていません。数年来の寒さと報じられていますがなるほどと思いました。昨年の酷暑は温暖化の影響と思い、これも文明を発達させた人間のせいと諦め、そのかわりに冬は暖かいだろうと思っていたのですが、この寒さは何故なのでしょう？単純な私の頭ではまったく理解できません。
優勝に「うれしいありがとう」繰り返す栃ノ心のブルーの瞳
何かと不祥事が続いた角界なので今回の優勝を気にしていた人は多かったはずです。私もその中の一人でしたが、なんとジョージア（グルジア）出身の栃ノ心の優勝で初場所を閉じました。彼の優勝インタビューを聞きながら、堪能な日本語で「嬉しいです」「ありがとう」を繰り返して言う謙虚な姿勢に好ましさを感じました。アップに写った顔はなかなかのイケメンで、ブルーがかった瞳が澄んでとて綺麗でした。
嫋やかな日本舞踊に我が国の国民性を重ねて眺む
高校の男子の踊る「潮汲」に女以上の色香漂ふ
岡山日本舞踊協会公演を観に行きました。同じ舞台の上に長唄、三味線、囃子の舞台も在り、音と踊りがみごとに融け合った日本舞踊を鑑賞することが出来ました。どの演目も舞台と衣装が美しく日本の美を堪能しました。たおやかにしなをつけて踊る独特の動きを眺めながら、ふとそれは優しくてファジーな日本人の国民性のように思えました。なかでも特にすばらしかった「潮汲」は高校生の男子生徒と後で知り驚きました。
風花の舞ひたる後に突としてしばし霰の降りて止みたり
ルッコラとかいわれ育つ庭畑に降りし霰は砂糖の如し
今朝もまたすごい冷え込みでした。午前10時ごろには寒晴れの澄んだ空からふわりふわりと花のように雪が舞うように降ってきてとても綺麗でした。そうしているうちに風が強くなり、風に乗った雪が斜めに激しく降ってきました。今日は積もるかなと思っていたらすぐに止んでしまいました。庭が少し白くなったので降りて雪をよく見ると小さな粒の霰でした。庭畑に降っている霰はまるで白糖をまき散らしたようでした。
氷点下の朝の中川に陽射し浴び餌をついばむ鴨の一群
父果てしシベリアの地より来し鴨と思えば一羽一羽愛しき
このごろ氷点下の冷え込みが続いて日本列島は震えています。そんな冷え込みの中、近くの中川沿いを歩いていると元気に動いて餌を啄んでいるものが居ました。鴨です。調べてみると鴨は冬鳥で、シベリアの方から渡ってくるということです。どおりで氷点下の川辺でも元気なのだなと思いました。シベリアといえば父が捕虜として亡くなったところなので、鴨たちが他の鳥よりもなんだか愛おしく感じられました。
枯れ色の田の一隅の水溜りが白く凍てつき朝日に光る
空澄みて木枯らしの吹く川土手を行けばにはかに初雪の舞ふ
今朝はよい天気でずいぶんと冷え込みましたが仲間とする太極拳会場へ歩いて行きました。途中に見える枯れ色一色の広い田んぼの中の水溜りが白く凍って朝日に美しく光っていました。帰り道も気温は上がらず風の中を歩いていると、にわかに雪が降って来ました。やった～岡山に初雪です。風に舞う雪が太陽の光にキラキラ光ってこれもまた綺麗でした。寒いけれど冬には冬の美しさがありますね。
木枯らしの中に緑の葉を広げ香りを揺らす蓬の新芽
サシモグサ、モチグサ、モグサ、タレハグサ、サセモ、ヤキクサすべてが蓬
枯草の間にふと見つけた蓬の新芽です。その気になってよくみると道端のあちこちに蓬の新芽が見られました。こんなに寒い真冬に蓬は芽吹いてきぎざぎざの小さな葉を伸ばしているなんて・・・びっくりしました。そばを通ると蓬の葉が木枯らしに揺れて匂ってくるようでした。蓬について調べてみると沢山の別名を持っていることを知り、これもまた驚きでした。
ふと入りしローソンの棚になんとまあ『星の王子さま』在りて贖ふ
氷雨降る小暗きひと日言の葉を噛みしめて読む『星の王子さま』
「星の王子さま」の本は娘が小学４年生くらいのころ買い与えて長く娘の本棚にありましたが、今は娘が持っているはずで我が家にはありません。私も一度読んだ記憶があるのですが、もう一度読みたいと思っていたところ、なんと近くのローソンに文庫本となって売っていました。嬉しくなって買ってきて読みました。歳を重ねて読むと同じ本もまた違った感動で、言葉の一言ひとことを噛みしめながら読みました。
山ほどの薬入りたるレジ袋を菓子袋の如さげて帰りぬ
出来るだけ薬は飲まないようにして生きてきた私ですが、脳梗塞を発症して以来３年近く山ほどの薬を飲み続けています。ほんとうは飲みたくないのですが、倒れた時の恐ろしさを思うと飲まないわけにはいきません。いつも8種類の薬28日分をレジ袋に入れてくれるので、外から見ると中には駄菓子が入っているよう見えます。そんなレジ袋を提げて帰りながらお菓子だったらいいけど・・・と、いつも思います。
