名色互縁証の理由について説明がされます。少し読んでみます。
「謂く彼の経の中に自ら是の釈を作(ナ)さく、名(ミョウ)と云うは謂く非色の四蘊なり。」(『論』第三・三十四右)
非色は色蘊を除いた他の四蘊である、受・想・行・識で非色蘊と云う。
「名」とは非色の四蘊である、と。
「色」とは何であるかと云いますと、
「色とは謂く羯邏藍(コンララン)等なり。」カラランとも読みます。Kalalaの音写。胎内の五段階の所説になります。詳細は『倶舎論』及び『瑜伽論』巻第二に説明がされています。
五段階説は『倶舎論』の所説です。
第一段階が、受胎です。精子と卵子が結合した直後の液状体の胎児のの状態で、最初の七日間を指します。この状態を羯邏藍(コンララン)と云います。
第二段階が、第二週目の七日間で、額部曇(アブドン)と云います。
第三段階が、第三週目の七日間で、閉戸(ヘイシ)、「若已成肉仍極柔軟、名閉戸」(『瑜伽論』巻第二)この段階での胎児は、体内に於いて肉は出来ているが、いろんな機能が定まっていなく、柔らかくしなやかな状態の胎児のことですね。
第四段階が、第四週目の七日間で、健南(ケンナン)、肉が堅く厚くなり、手でこすっても耐えることが出来るようになった胎児の状態。
第五段階が、第五週目の七日以降の、出までの三十四の七日を鉢羅奢佉(ハラシャキャ)とされます。この第五段階を更に三段階に分けて説いているのが『『瑜伽論』巻第二の所説です。
この第五の段階に於いて、諸の器官が形成される初期の段階とされます。
第六段階が、髪毛爪(ハツモウソウ)で、髪や毛や爪が出来始めてきた状態ですね。
第七段階が、根(コンイ)、眼根などの器官が形成された状態、
第八段階が、形(ケイ)、人間としての諸機能が整って出産される胎児のことで、ここで命の誕生となります。
ここまでが胎内の五位、或は八位になり、出産されて以降を胎外の五位として説明されます。ここで阿頼耶識の存在証明がなされるのです。 又。