sachiclinic's blog

すこやかな毎日を迎える日のために

絵に人がでてこない

2016-11-28 21:16:45 | 日記
さちです。
先日、京都にあるみつばち菜の花保育園にいってきました。
そのことを、お伝えしたいと思います。

広島から6歳の男の子とお母さんもこられました。

きっかけは、僕(6歳の男の子)の絵に人がでてこないのです。
「絵は子どもの言葉」
子どもは頭に思い浮かんだことを絵にかきます。

お友達と砂遊びをした
お母さんと朝パンをたべた
みんなで、山に登った
あのね、あのね、と語りかけることが頭にうかび、それが絵に表れます。

3歳くらいになると、〇を書いて「これパパ、これママ」というでしょ?
それがとても大切です。心にお母さんお父さんお友達が入っておられます。

僕の絵に、人がでないので、保育園の元園長先生に絵を見ていただきました。
絵からいろいろなことが分りました。
それで、お母さんも一度みつばち菜の花保育園を訪れたいといわれたのです。

園につくと、保育士さん、園長先生、近くの保育園の先生方、小児発達専門の小児科医の先生など総勢8人の大人に囲まれました。
僕は「遊びは嫌いや」と一言。「遊びは嫌いなんだ」ともう一度繰り返します。

それから野上元園長に、いろいろ話かけられて、広い園の床の雑巾がけをしました。
一往復して「もういやや」
「だったら、こっち、まだこっち拭いてないのよ」
場所をかえて、もう一往復。大人もみんな、はーはーと床の雑巾がけです。
次に、足首、股関節のひっかかり、膝まがり、固さ、力の抜き方、ひっかかりなど園長は僕を床にねかせて、
「どう、そうそう、ちょっとおすよ、じょうずじょうず、あっ、痛かったな。力入ってるね。天井見てじっとみて。そうそうそう。上手、ここ回してみるよ。あー、右にひっかかりあるね。よし、これでよくなった。」
僕は、何一つ嫌がらず、天井をみて、両手は万歳のまま、野上さんに足関節、股関節をゆっくりとまわしてひっかかりを、取ってもらいました。

次に、リズム体操です。
リズム体操は、戦後埼玉県深谷市に「さくらさくらんぼ保育園」を創設された斉藤公子先生の考案された乳幼児期の成長発達に基づく体操です。子供達は、リズム体操を通して、体を正しく整え、歪みをとり、力を抜き、そうすると心が優しく育っていくのです。
大人8人と僕一人。
ピアノが鳴ります。1グループの人がピアノ合わせて、金魚のゆらゆら。
僕は固い表情で、じっとみています。
「僕はできない」と顔に書いてありました。
1グループの金魚がおわりました。
次は2グループ(僕のグループ)です。野上さんに付き添われ、金魚のゆらゆら。
「上手上手。そうそう。それでいいんや」
それから、お馬さん、燕、両生類のはいはい、つんつんメダカとどんどんリズムがつづきます。
いつのまにか、僕は野上さんが付き添わなくても、誰に促されなくても、ピアノがなるとさっと立って駆け出していました。
つばめのリズム、ピアノの音と一緒にたちあがると、さーーーと、両手を伸ばしてホール一杯に全速力で走ります。
「すごいね!僕は上手。足がとても良く伸びてるねー」
そりのリズムは二人組、保育園の先生と手をとって、スピードだしてソリをしました。
最後の仕上げは、8人で歌っておどる7色首飾りです。
どんどんどんどん、進んでいくピアノに、僕は全身をつかって走っています。
大人も息がきれますが、皆さん大きな声で歌って、輪をくぐります。最後の枠繰りは僕です。
すっかり自信をつけて、僕が輪をくぐりました。
「すごーーい。すごいね。上手ね。」大人たちは、笑顔で僕をほめています。
僕はやさしい顔で、初めての場所や人であることも気にせずにリズムを終えました。

一休憩。
お茶をご馳走になりました。
「のどかわかん」と僕。
「お茶はな、ごくんごくんって、こうやって飲むのよ」
野上さんにつれられて、ごくんごくんと、僕はお茶を飲み干しました。

リズムも終わってほっとした空気のなか、「園舎の探検にいっておいで」野上さんの言葉に、僕は眼がきらきら。「遊びはきらいや」はどこかに消えていました。
広い園舎で、すべてヒノキの床です。お庭には蜜をもつ花も咲いています。2階の部屋では、カプラ遊びもできます。あちらこちらに探検に勇んで出かけました。
大人8人は、一階のホールで輪になっていろいろと絵の話や、僕の話や、リズムの話。

気が付けば3時、広島に帰る時間です。
帰る前、人に触られるのを嫌がる子だった僕は、床に寝ころび、頭は保育士さんの股に挟まれ、足首は、小児科の先生にぐるぐるまわされ、横には園長さんが取り囲み、されるがまま、天井を見つめ床に転がっていました。

僕の帰った後で残ったのは大人8人。
日曜日の1日「勉強勉強」「自分の勉強にお邪魔にきました」
と駆けつけて下さった皆さん、有難うございます。
皆さんがおられるので、僕は見違えて帰っていきました。
子どもへの声掛け、「遊びはきらいや」と言う子に、どうお話しするのか。
「もう、雑巾がけはいやや」といったのに「こっちがまだふけてないのよ」と、ちょっと場所を替えたら、もう一回できました。
知らないリズムに不安な顔で、固く緊張していたのに、皆の声掛けに調子がでてきて、
じっとみつめて、ピアノにあわせ、自分で飛び出していくほど、変わりました。
子供が変わっていく、その場面に立ち会うと心が響きます。

広島から、新幹線で2時間弱。
また通います。

コメント
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