sachiclinic's blog

すこやかな毎日を迎える日のために

アトピー広場のご報告 6月11日

2022-06-13 10:41:34 | アトピー性皮膚炎
6月のテーマは、
「アトピーと感染症」
藤澤皮膚科院長 藤澤重樹先生のお話でした。

アトピー性皮膚炎の診断基準の1つに
”とびひやヘルペスなどにかかりやすい
細胞性免疫の障害”
があります。

バリア機能障害があるため
・ブドウ球菌・溶連菌による
  毛包炎と伝染性膿痂疹(とびひ)
・ウイルスによるヘルペス
・尋常性疣贅(いぼ)
・伝染性軟属腫(みずいぼ)
といった皮膚感染症がアトピーに発生しやすい。

人体は60兆個の細胞と
数百~千兆個の常在細菌が共生する
集合的有機体です。
表皮のバリア機能を破壊しないことが大切。





2009年Cork博士が論文の中で、
表皮のバリアを破壊する物質として
1)石鹸や界面活性剤
2)黄色ブドウ球菌などが産出する
  タンパク質分解酵素
3)ステロイド外用剤
の3つを挙げている。



◎人に感染するヘルペスウイルス
100種におよぶ様々なヘルペスウイルスが
真菌、植物、動物に広く存在。
ヒトでは、8種類のヘルペスウイルスが宿主となり、
多くのヒトが何らかのヘルペスウイルスを無症候のまま
唾液などに排出している。

・口唇ヘルペス
 ①風邪
 ②疲れやストレス
 ③日に当たるたびに、くちびるの周りに水疱ができる

日本人の場合、10人に1人が口唇ヘルペスにかかると
 推計されている。
ヘルペスに対する抗体保有率は、
症状が出ていなくても
20~30歳代で半数、
年齢が高くなるにつれて直線状に上昇し、
60歳代以上ではほぼ全人口が
抗体価を持つようになる。

皮膚バリア機能低下のあるアトピー患者では、
浴場などで感染しやすい。




◎カポジ水痘様発疹症
アトピー患者に多い単純ヘルペス感染症。
・小さい水疱が拡大。
・びらん(水ぶくれがつぶれてただれた状態)
・丘疹(やや赤みを伴い隆起)
数日後に高熱およびリンパ節腫脹(腫れ)がおこる。

◎伝染性軟属腫(みずいぼ)の治療は、
 専門家の間でも意見が別れる

◎湿疹・皮膚炎とは、
非自己の異物に対する排除反応。
異物を排除しようとするために、
その周囲に湿疹を起こし
かゆくなり、搔かせることで
自身に不都合な病原を自分自身で治そうとするもの

バリア機能を破壊しない生活
(石鹼、界面活性剤、ステロイド外用剤を使わない生活)が
大切だと感じました。

 
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1 コメント

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Unknown (やまだ)
2022-06-21 22:13:58
問い合わせメールがないのでコメントから失礼します。
さち先生、お久しぶりです。23年くらい前に長崎病院でさち先生にお世話になりました。ちょうど先生が開業される前です。
先日、広島の方とお話しして、さち皮膚科を勧めていたらなんだか懐かしくなりまして…また先生とお話ししたいです。
すっかり良くなったので、また広島へ帰る機会があればお邪魔します(^^)

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