sachiclinic's blog

すこやかな毎日を迎える日のために

東洋医学会に参加して②

2009-02-02 11:28:55 | サロンド・アト
かぐや姫です 2月になりました。明日は節分、4日は立春。暦の上では春がやってきます。しっかり豆まきをして心や家を清め、新しい春を迎えましょう

今日は、東洋医学会のシンポジウムで発表されたお二人の先生のお話をご紹介します。
まずは、さち皮膚科クリニックの隅田さちえ先生。
「成人型アトピー性皮膚炎にならないためのスキンケア」

★アトピー性皮膚炎の現状
   頬の発赤と耳きれで始まり、肘と膝に限局していずれは治る小児の軽い皮膚病であったアトピー性皮膚炎は、近年、成人の難治性全身疾患へと変貌しました。
★クリニックの治療方針
   本来自然治癒する傾向をもつ疾患ですから、「アトピー性皮膚炎が自然治癒するために必要なスキンケア」を実践し治療を行っています。その実際の治療方法と症例を供覧します。
   自然治癒とは患者本来の皮膚の適応能力が育つことですから、「本来は頑強に続く湿疹病変さえ消えてしまう強力な作用を有するステロイド外用剤」は基本的には使用しません。薬で強力に免疫・炎症反応を抑制しても、患者の皮膚機能異常が修正されなければ、アトピー性皮膚炎は再発します。
   アトピー性皮膚炎の患者の皮膚に負担をかけない生活スタイルを指導し、免疫反応に影響する薬物を用いず、治療を行います。

ということで、保湿剤を使用しない。皮膚をふやかさないために入浴をしない。食事・睡眠・運動の充実。その結果自前の皮膚のバリア機能を育てる治療を行われていることをわかりやすく説明されました。なぜ、脱保湿・脱入浴が効果的なのかがとても理解しやすい内容でした。詳しくはクリニックのホームページの「成人型アトピー皮膚炎の方へ」のページをご覧ください。

もう一人はむろもとクリニック 栄養管理士の 森畠るみ 先生です。
「成人型アトピー性皮膚炎の治療における食事のあり方」

   むろもとクリニックにおける成人型アトピー性皮膚炎の治療は、内的な治療として食事療法・内服治療・心理療法を、外的な治療としてスキンケア・経絡治療・行動療法を行って成果を挙げています。
   そのうちの食事療法について紹介します。
   当院での、最近5年間の成人型アトピー性皮膚炎に対する治療を6か月以上受けた29人において、効果アリは21人、効果なしは8人でした。
   アトピー性皮膚炎の治療に対する食生活の方向づけをするために、日々の食事記録から統計的に考えてみました。
   今回は、指導前、指導後の三大栄養摂取量、おもな食品摂取量、PFC比、脂肪酸比率の変化を調べて、効果あり、なしにどのような違いがあったかをまとめました。
   指導後の効果ありの食事内容は、1960年代後半の栄養バランスに近いものとなり、効果なしの食事内容は、2000年代前半の栄養バランスに近いものとなりました。結論として、カロリー摂取を油でとるのではなく穀類でとり、蛋白源として肉類を減らし魚介類を多くとるようにするという日本古来の伝統食である和食ベースの食事にすることにより、アトピー性皮膚炎の治療に対してより効果が上がるようでした。
   アトピー性皮膚炎の食事療法の概念は、すべての疾病にもいえる「気候風土、伝統的な食生活、現代的食生活、体質、生理状態、心理状態、運動量なども考慮した上で食べ方を考えること」なのです。
   食事は、「バランスの良い食事をする」のではなく、「体のバランスをとる食事」でなくてはならない。除去食と考えず、バランスをとる食事と考えていただきたいと思います。
   体のバランスをとるために簡単な食べ方の呪文を唱えてみると、「一口の穀類、一口の蛋白源、二口の野菜」となるのではないかと思います。

◎蛋白源を肉中心から、魚介類や大豆・大豆製品にかえ、油はできるだけ使わず和食や和菓子を食べるようにする。
◎野菜を多めに、穀物中心に食べる
◎旬の食材をいろいろ組み合わせ、体を冷やさないように春や夏にも温かい物を食べる。
◎水分の取り方は季節によって調整する。
◎朝食と昼食は動くことを前提にして食べる。そのため、朝食は必ず取る。噛む食事を意識する。
◎間食を減らす。
◎夕食は、肉体も精神も一緒に休む夜を過ごす前の食事なので、油や肉類を控え、量も少なめに食べると良い というお話でした。

毎日の積み重ねである生活習慣・食生活が心も体も作っていくと改めて認識しました。あなたもできることから一つずつトライしてみませんか
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1 コメント

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Unknown (森畠るみ)
2022-06-24 15:08:47
随分前になってしまいましたが

取り上げて頂いてありがとうございました

皮膚の状態と、痒みの原因は、全く違います

ステロイド剤で皮膚を綺麗にしたところで、痒みは残ります。

体の中にこもった熱によって痒みが発生しますので、ステロイド剤を塗ったところで、痒みは残ります

アトピー性皮膚炎とは

掻くことにより、皮膚を劣化させ、加齢した、皮膚と同じようになってしまった皮膚をアトピー性皮膚炎と言います

掻きむしった皮膚を
ステロイド剤で綺麗にしても

痒みは残る

痒みに対して
対処していない現代医学です

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