前回の続きです。
F: 藤澤先生
S: 隅田先生
Q:何年か前に糖質制限を10か月くらいやった。
始めるにあたって色々な本を読んだが、
中途半端な制限は意味がないと書いてあった。
その時は厳格にタンパク質中心+野菜でやってみたが
コレステロールかすごく上がってしまい、
別のことでかかっている先生から言われ止めたが、
今思うと何がいけなかったのか。
コレステロールがそんなに上がらない糖質制限とは
どういう方法があったのか聞きたい。
S: 糖質制限で普通コレステロールはそんなに上がらない。
言うならばコレステロールは高い方が長生きする。
アメリカでは1960年代にコレステロールが随分叩かれ、
当時卵は一日1個しか食べてはいけないとか言われていたが、
今アメリカではコレステロールの異常値は撤廃された。
もちろんとても高い人は別だが。
コレステロールをぐっとおさえると早く死んでいる、
死亡リスクが上がる。
コレステロールを下げるためにスタチン製剤を飲まされる人が多いが、
あれは副作用が多くやめた方が良い。
特に高齢者が圧倒的に飲まされるが止めた方がいい。
コレステロールは全ての細胞の膜を作る原料なので
それを薬で下げるとリンパ球や好中球などの免疫細胞も
うまく産生されないということになる。
色んなトラブルが出る。
ただ女性は閉経後コレステロールが確実に上がる。
私も閉経後300まで上がったが自然の成り行きなのでそれは病気ではない。
Q: 3,4年前、アレルギーの病院で黄色ブドウ球菌などを殺菌するということで
塗付用に超酸性水をもらっていた。
小学生の子に症状が出てきたので、ステロイドなしで超酸性水で治す方法は
良いのかお聞きしたい。
F:現在超酸性水をやっているところはあまりないと思う。
確かに某大学の皮膚科できつい塩素のお風呂に入浴させる
アトピー治療の研究をしていたが、ある程度清潔にすることは出来るが
色んな常在菌をダメにしてしまい、返って黄色ブドウ球菌を
付けやすくしてしまうことになり、今はあまり認められていない。
あまり皮膚を濡らさない方が良い。皮膚には常在菌がたくさんある。
表皮常在菌、マラセチア菌、デンプウ菌、アクネ桿菌など、
結構黄色ブドウ球菌をはねつけてくれる。
キレイキレイが日本をダメにするということが起こる。
S:子どもの治療に「何か塗って治す」はいらない。
子供が成長し強い身体を獲得するとアトピーは消える。
とにかくまず寝る、食べる、運動する。
体が成長して強くなるとアトピーは本当に小さくなる。
今それが出来るならその子供は全然心配ない。
昔は全身をイソジンで消毒して菌をやっつけようとか
本当に一生懸命取り組んでいたが、どれも効果があげられなかった。
Q:自分はアトピーではないが、痒い時にヒルドイド、ネリゾナを塗っても良いのか。
マイザーはよほど痒い時以外使ってはダメと言われている。
平素の保湿剤はヒルドイドだけで良いものか。
F:ネリゾナもマイザーもステロイド。
ステロイドの欠点は塗れば塗るほど皮膚の脆弱化、もろくなる。
血管ももろくなるので内出血も出来やすい。
そういうものは人間が塗るものではないと患者さんには申し上げている。
ステロイドは自分の肌で作られている。
外から塗ったら自分の肌で作れなくなってしまう。
かぶれや虫刺され等で一時的に塗るのは一つだが、
年を重ねて痒いからそれを塗るというのは…ネットでよく調べてみてほしい。
ステロイドの副作用はたくさん出ている。
保湿する位なら風呂の回数を減らす。
タモリ式入浴法がある。石鹸を使わない、それが一番。