林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

兼好法師の正体

2016-09-23 | 拍手

徒然草と兼好法師を知ったのは高校生の時だった。
あの頃の兼好法師は、毎日が退屈でうんざりしている坊さんだった。

  家は夏向きに建てるべし、

とかなんとか小うるさいことをいう坊主だなぁ、ぐらいしか印象はなかった。

ところが、随筆家・酒井順子の随筆兼解説本「徒然草REMIX」によると、全然違うんですね。

兼好は、周囲の人々の言動を鋭く観察し、自分のことは棚に上げ、批判悪口雨あられ。
大変な毒舌家なのだった。

自分が属する貴族階級以外の人間はごみ同然。
何とも嫌味な坊さんだった!

ただ著者の達者な筆捌き。
隣はご免だが、何軒か先にはこういう偏屈じいさしがいるのもいいと思えてくる。



兼好法師が一目も二目も置いている清少納言を登場させ、対談をさせているのには吃驚した。
二人は直ぐ仲良しになったが、兼好法師は清少納言に押され気味。

  紫式部さんが「自慢ばかりする嫌な女だ」と貴女をボロクソに書いてますね。

と清少納言を挑発する。
清少納言は受けて立ち、紫式部と兼好法師を散々に切り刻み、

  書いてしまった悪口は残るからね。
  
あなただって本当は自慢したがりなのよ。
  私みたいに素直に自慢すればいいのよっ。
  あの紫式部だって、もっとオープンに自慢していればよかった。
  後世の人に「性格悪~っ」って思われないですんだものを。

  だ
んだん紫式部さんが可哀想になってきた。

  なんですって?

  いや、何でも........(落涙)

と、こんな調子。

また著者は徒然草をばらばらに分解して、

  あらまほし・愚か・わびし・あはれ・くちおし・心にくし・はかなし・
  をかし・つれづれ

など多用されている言葉から、兼好法師の本音に迫っている。同じ手法で、

  女・老い・いにしえ・子供・自慢・身の程・仏教

などからも、根は女好き、子供嫌い、特権意識が強い保守主義者。
などと兼好法師を裸にする。

酒井順子の文章はイマ風で、例えば有名な冒頭の「あやしうこそものぐるはしけれ」は、

  何をしてるんだかなぁ、俺。

となるんでした。

また兼好法師とブロガーとの共通点の考察も、ドキッとさせられる。
僭越ながら森生だって、兼好法師と同じ動機で「林住記」を書いているのである。

ただ「徒然草は」何百年も残り「林住記」は1日か2日しかもたないのね。
勿論、教科書なんかに載るはずがないよ。

著者によると、それは〇×をはっきりさせないのがいけないらしい。

 

この本を実はあまり期待していなかった。酒井順子という随筆家を知らなかったので。
ところが読み始めるとぐいぐい引き込まれ、大いに笑うことができた。
じじばばブロガーは、読んでおくべき本です。

160923A


愛ちゃん

2016-09-23 | 拍手

    

   愛ちゃんが結婚していた。

ニッポンのオリンピック選手は、弱虫のくせに態度がデカイし、オリンピックが嫌いだから関心はない。
しかし、愛ちゃんは別である。

福原愛ちゃんは、泣き虫愛ちゃんの頃から見ていて、よその子だけど可愛い子だなぁ、と思ってた。

そしてこの頃、随分逞しくなったなぁ、と少し眉を顰めていた。
でも、記者会見に臨んだ和服の愛ちゃんは、吃驚するほど綺麗になっていた。
眩しいほどアデヤカになっていた。

お互い、随分と長い年月が過ぎ去ったんだなぁ........。
とすこしホロリとする。

隣にいたオット君が、これまた若くて美形で、いささか不愉快である。(だからカレの姿は記念写真から削除します)
嗚呼、ニッポン卓球界は何をモタモタしてたんだぇ?

でもまぁ何はともあれ「おめでとうございます」と書かなくてはなるまい。

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