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旧佐伯邸見学会

2023-06-21 | 建築巡り・街歩き【その他】
昨日は、ワールド航空サービスさんの
「おおさか旅さんぽ」というツアーで、旧佐伯邸&松柏美術館見学会へ訪れてきた。
旧佐伯邸は昭和40年村野藤吾設計により建てられた、元近鉄社長、佐伯勇氏の自邸だった建物。


奈良の近鉄学園前駅から2kmほどの住宅地、松柏美術館と同じ敷地内に建つ。見学者の皆さんで、手配して頂いたタクシーに分乗しやってきた。
建物は三千坪の敷地内にあり、現在は茶室の貸出時や茶会などの催しの際、お庭のみ公開されていているそう。
塀の外から見ると、屋根の高さが低く、ゆったりとした平屋建てに見えるが、
一部二階建てになっている。

門から中へ。
庭を囲む回廊がとても雰囲気がいい。





庭側から入口に向かう回廊と建物を。


茅葺屋根の建物は裏千家の茶室、伯泉亭。庭には丹頂鶴のオブジェ。







邸宅は、大淵池に面していて、どの部屋からも池が眺められ、周囲の景観を取り込めるように、雁行して建てられている。


池の手前に造成された松林。


こちらは表千家の茶室。


手前畳と客畳の間の中板に炉が切られている。


炉の蓋は指一本が引っかかるように小さなツメが取り付けられているなど
細かな工夫と細工が。



網代天井に、下地窓が風流。


ランダムに編まれているが、バランスよくまとまっている。




襖紙は唐長のもので、村野好みの渋めのちりめん模様。



障子につけられた小さな格子窓は、障子の後ろに置かれた空調設備の為につけられたものだとか。
大工泣かせの細工があちこちにみられる。


茶室と茶室の間にある水屋。


四畳半の裏千家の茶室。


少し暗めの室内、化粧屋根裏の突上窓には、光を補う為に蛍光灯が入れられている。



自然なつながりを意識した和室と応接室の洋室との境。


蛍光灯の配置が面白い応接室。
天井クロスは川島織物製。


壁と床の境目は、窪みがアールに施されていて、掃除のし易さが考えられている。


続く部屋には、障子が入れられているので、和室として、又、障子の内側にカーテンレールがつけられているので、カーテンをつけると洋室として使用することもできるようになっているそう。


壁には川島織物製のクロス。


キッチンはラワン合板の造り付けの食器棚が入っている。





シンプルな真鍮の金具が、いい味わい。






レンジフードの造りも美しい。


当時最新式のビルトイン食洗機の搭載されたシステムキッチンもついていた。


外に面する窓の格子は、木製と思いきや、中の芯には鉄筋が入れられ、
防犯面も考慮されている。


お風呂は意外に質素で、浴槽も小さかった。


2階は立入禁止だったが、娘さんのお部屋の襖が見え、桜色だったのが可愛らしかった。



旧佐伯邸を高台から。


旧佐伯邸をたっぷり見学させて頂いてから、松柏美術館も学芸員さんにより
ご案内して頂いた。



松伯美術館は、村野藤吾の設計ではないそうだけど、この外壁が、村野藤吾のシャモットタイルというのに似てなくもないなあと。
バルコニーのデザインもなんとなくそれっぽかったのだけど。


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