m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

山形の旅2018【旧西村写真館他】

2018-09-13 | 山形の旅2018

 

旧西村写真館は大正10年に建てられた洋風建築で、当主自らが設計施工されたという。

先ほど、マップに載っていた連絡先に問い合わせると、見学させて頂けることになり、ご主人とこちらで待ち合わせしていた。

 

 

軒の飾りが華やかでかわいい。

写真館らしく華やかで夢のある外観だなあ。

 

 

外観を撮影していたら、ご主人が自転車に乗ってご近所から駆け付けてくださった。

 

  

玄関扉を開けて頂くと、カウンターが置かれた受付スペースがある。

 

 

外観の洋風さとうって変わって、玄関周りはこんな丸窓がはまっていて、和風の印象。

1階の生活スペースは和風の造りになっている。

 

 

外から見ると軒に隠れて目立たなかったが、玄関扉上部にはこんな色ガラスが入っていた。

 

 

写真館として使用されていた2階とのことで案内して頂いた。

 

 

 

 

階段を上がってすぐの部屋は待合室に。

 

  

細かく桟が入った明るく大きな窓と大きな鏡が壁面に貼られている。

 

 

モダンな家具と写真の見本が並ぶ待合室。

ここでお客さんは鏡を見ながら撮影前の身なりを整えたのかなあ。

 

 

当時のガラス扉。

 

 

こちらが撮影場。

撮影室は北向きの安定した自然光が入る造りになっているそうで、

室内は北向きに広く取られた窓からの光が入ってとても明るい。

 

 

当時使われていたカメラや

 

  

大きなスポット照明、

 

 

 背景のスクリーンも様々残されている。

 

 

自然の森の風景から、

 

 

 こんな和室の背景まで。

 

 

当時はこの機械を使ってスクリーンを交換されていたそう。

現在写真館を守られているご主人のお父様と叔父様が写真館を営まれていたと伺った。

 

 

そして目を惹くのは撮影に使われていたという様々なデザインの椅子。

形や色がどれも素敵で可愛い!

 

 

レトロで楽しい椅子がいっぱい。

 

 

優雅な形のソファも。

ちょうど去年、フリーペーパーの撮影で山形出身の橋本マナミ親子が来られ、こちらの写真館で撮影されたとか。

後ほど冊子を見せてくださると、和風のスクリーン背景にこの椅子に座っての写真がとてもいい雰囲気だった。

 

 

こちらの写真館が会場となって、演奏会や展覧会などイベントも時折開かれているという。

 

 

現像室として仕切られていた部屋の扉上部にはこんな和風の欄間が入れられていたり、

和洋折衷のデザインが面白い。

 

 

 

 

 

 

 

部屋の片隅にはこんなレトロなストーブもあった。

時が止まったような写真館の内部空間にじっくりと浸ることができた。

ご主人には親切に案内して頂き、いろいろとお話も伺うことができてよかった!

どうもありがとうございました。

 

  

西村写真館の近くにある、こちらは大正元年に建てられた吉池小児科医院。

なんと現役の医院。

 

 

 

 

西村写真館へ行く前に立ち寄ったら、この日も診療されているようだったので、

後ほど又伺おうと思っていたら、後で訪れた時にはもう閉まっていた。

 

 

ガラス越しにみたところ、内部もすばらしい雰囲気のようだった。


 

そして最後に訪れた旧市島銃砲火薬店。

江戸時代から火薬を扱っていた商家だとか。

建物は昭和2年に建てられた山形で最初の鉄筋コンクリート造店舗建築だそう。

 

この後はレンタサイクルの返却時間がぎりぎりになっていたので、連絡を入れて慌てて駅前へ直行し返却。

猛暑の中、2日間のサバイバル?!建築巡りはようやく幕を閉じた。

予定通りのノルマを果たし、完全燃焼!

再び夜行バスで大阪へ戻ったのだった。

 

 

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山形の旅2018【七日町旭銀座界隈の建築他】

2018-09-12 | 山形の旅2018

七日町旭銀座界隈にやってきた。

まつのや旗店は外にも内にもモザイクタイルが見られる店舗。

 

 

ショーウィンドウ下のモザイクタイル。

 

 

ショーウィンドウの中にもモザイクタイル柱があった。

張り紙や商品などで覆われてるのが残念・・

 

 

こちらもショーウィンドウ下のモザイク。

 

 

おしゃれな外観の郁文堂書店は昭和8年創業の本屋さん。

文化人が集うサロンでもあったそう。

平成9年頃から店を閉じていたが、昨年、再生プロジェクトによりリノベーションされたという。

 

  

七日町郵便局は元大正14年に建てられた丁子屋という用品店で、その後、ダンスホールとビリヤード場を経て

昭和47年から郵便局になったそう。

 

 

こちらも元洋傘店をリノベーションしたカフェ。

古い店舗をうまく改装したお店がこの通りにはいくつかあるようだ。

 

 

そのカフェの向かいにはめちゃめちゃいい味わいの壁面が。

 

 

山形銀行本店の壁面で、銀行の創立100周年を記念して1997年に造られた彫刻家の作品のようだ。

 

 

タイルのいい質感といい色合いにうっとり。。

 

  

道路を隔てて向かいには元洋菓子店、梅月堂だったというYT梅月館。

昭和11年に、日本のモダニズム建築家の代表といえる山口文象が建てた建物だそう。

一見、普通ぽいけど、ガラス張りの外観など当時ではとてもモダンなデザインだったという。

 

 

隣のこちらの建物も近代建築なのか?タイルが部分的に貼られ、レリーフ装飾なども見られる建物。

11月にピザ店がオープンとの看板が出ていた。

 

  

今度は蔵を改装したショップを発見。が定休日のよう。

一度解体された石蔵と土蔵をリノベーションして造られた複合施設なのだとか。

レストランの他クラフトショップやイベントスペースなどとして使われてるそう。

 

  

 

 

こちらは土蔵のレストラン。

 

 

自転車を走らせていると遠くにきれいな色のビルを発見!

あれはもしやタイル?!

吸い寄せられるように駆けつけてみると、

 

 

グリーンとブルーが混じりあったニュアンスのある色合いのタイルがびっしり!

 

 

下の方は又青色がかった違うサイズのタイルが貼られてる。

近くで見ても素敵だなあ。

 

 

青と緑のところどころに入る茶色が更に彩りを深めていて、

 

 

タイル自体にも立体感があり、壁面はより豊かな表情に。

 

 

エントランス付近の床に敷かれたタイルも味わいがあった。

このビルは山形新聞、山形放送などが入居している山形メディアタワーという2007年に建てられたビルだそう。

タイル使いがおしゃれで素敵なビルだった。

 

この後、お昼ご飯を食べ損ねてた私は「餅の星野屋」という店を観光マップで見つけ、

ここで思い切り餅とかき氷を食べてやる~と意気込んでやってきたのだけど、、

なんと来るのが遅すぎて、かき氷は売り切れ、餅は最後の一つだと・・

泣く泣く最後の一つを買って、次のチェックポイントへ。

 

 

山形まなび館は昭和2年に山形県下初の鉄筋コンクリート造の校舎として建てられた

旧山形市立第一小学校の建物で、約80年小学校として使われていた。

その後は山形まなび館として、資料室やカフェ、イベントスペースなどとして活用されている。

 

 

建物内部は改装されていたが、階段まわりには建築当初の造りが見られた。

 

 

そしてここのカフェでやっとひと息つけた時には夕方の4時近くになってた。

山形のソウルフード、どんどん焼きと念願のかき氷を食べてひと休み。

マップで次に訪れる予定だった旧西村写真館をみると、連絡先と内部随時公開、との文字を見つけ、

早速電話をかけてみた。

近くにお住まいなのですぐ駆けつけてくださることに・・

 

 

  

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山形の旅2018【旧山形師範学校本館&千歳館他】

2018-09-11 | 山形の旅2018

旧県庁舎を出た後はすぐそばの山形六日町教会へ立ち寄る。

明治20年に始まった市内最古のキリスト教会で、建物は大正3年に建てられたもの。

ここは内部は開放はされていなかったので外観だけ。

 

 

そして、明治34年に建てられた旧山形師範学校へやって来た。

正門

 

 

本館の主翼部は現在、教育資料館として公開されている。

建物はルネッサンス様式の木造桟瓦葺き2階建。

中央には旧公舎時計台の名残の塔屋が、屋根上には円形のドーマーウィンドウが可愛い。

 

 

車寄せには軒飾りが付き、

 

 

アーチの内側にも凝った装飾が施されている。

 

 

内部の床や天井は斜めの板張りになっていて、美的効果と構造上の強化も考慮されているとか。

 

 

当時の教室が活用されて、展示室になっている。

 

 

マネキンを使ったリアルな展示も。

 

 

 

 

 

同じ敷地内に建つのは旧山形師範学校講堂。

 

 

老朽化が激しいようで、ロープが張られ、立ち入り禁止に。

 

 

入口に建つ門衛所も可愛い。

 

 

千歳館へ向かう途中に通った美容室。

 

 

扉周りはにぎやかなモザイクタイル尽くし。

 

 

丸窓の装飾が美しいスナック?!

 

 

入口のアーチにも。

 

 

好きな感じのタイル。

 

 

千歳館は大正4年建築の料亭で現在もレストランとなっている。

ハーフティンバー風の外観に和洋折衷の車寄せ。

 

 

玄関扉上部の欄間

 

 

車寄せ

 

 

玄関たたきのタイルはカラフルなモザイクに。

 

 

 

 

内部は和風のよう。

張り紙があって水木金はランチができるとのこと。なんとこの日は水曜だったのだけど、

すでにランチタイムの2時半は過ぎていて・・

頼んでみたが、やはり無理だった~無念;

 

 

裏口?にはタイル貼りの円柱が立ち、

 

 

ポーチにもモザイクタイルが。

町歩きは続く・・

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山形の旅2018【旧県庁舎&県会議事堂】

2018-09-10 | 山形の旅2018

山形の旅の続き、旧県庁舎と旧県会議事堂のある文翔館へやって来た。

大正5年に建てられた旧県庁舎は昭和50年まで、約60年間県庁舎として使われ、その後昭和58年まで

東南村山合同庁舎として使われて、現在は保存修復工事の後、山形県郷土館、文翔館として公開されている。

 

 

県庁舎は英国近世復興様式を基調として建物だそうで、半地下式の煉瓦造りの3階建となっている。

外壁は花崗岩の石貼りだそう。

 

 

エントランス

ボランティアガイドさんがおられたので、急いでいたけどせっかくなので高速ガイドをお願いした。

 

 

入口扉上部のステンドグラスはリースのようなデザイン。

 

 

重厚な大理石とアーチが連なる玄関ホール。

  

 

正面の大階段から見下ろす玄関ホール。

 

 

重厚感あふれる装飾のある階段ホール

 

 

階段ホールのステンドグラス。

 

 

大理石の柱の上部には細やかな漆喰装飾が施されている。

 

  

正庁は重要な会議等に使用され、内装も最も豪華。

 

 

正庁の漆喰飾りは改修時には残っていなかったところ、天井裏から見つかった破片や当時の資料をもとに復元されたそう。

果物と花、アカンサスなどの装飾が修復時の職人の手によってとても細やかに再現されている。

 

 

寄木の細工も凝った床

 

 

バルコニーはひび割れがひどく解体修理された。

当初の赤と黄色の市松状のタイルが出てきたため、当初の状態に復元されたという。

 

 

貴賓室

重厚感たっぷりのオリジナルの暖炉

 

 

ステンドグラスの入った衝立があった。

 

 

天井の漆喰装飾は部屋毎に違っていてどれも見事に復元されていた。

 

  

 

 

知事室。

ボード貼りされていた天井は漆喰の花飾りに、壁紙も現存していた模様から復元されたそう。

 

 

 

 

 

絨毯は昭和30年代に織られた山形県産品だそう。

 

 

高等官食堂として使用されいた部屋。

床は前面に道中格子と呼ばれる寄木模様が復元されている。
 

 

この部屋だけ腰板壁が高くなっているのは、音の反響により食事中の話し声がよく通るようにするためだとか。



時計塔は札幌の時計塔に次いで2番目に古いものだそう。

時計職人の方が手動で巻き上げているのだとか。

 

 

中庭は煉瓦がむき出しになっていて、煉瓦造りの建物であることがわかる。

この中庭と知事室は映画、「るろうに剣心」のロケ場所にもなったそう。

中庭はオープンカフェとしても使われてるようだけど、この日は暑すぎてムリ;

 

 

旧県庁舎と旧県会議事堂をつなぐ渡り廊下。

 

  

旧県会議事堂。

 

 

議場も空いていると見れるのだけど、この日は使用中だったため、上の窓からのみの見学。

 

 

当時としては珍しい水洗式トイレが使われていたそう。

壁や床には色鮮やかなタイルが貼られていたことがわかり、タイルも復元したのだという。

 

 

 

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山形の旅2018【山形の近代建築その一】

2018-09-06 | 山形の旅2018

酒田から山形へは庄交バスというバスが出ていて、8時半に出発し、11時前に山形に到着。

山形駅前で又レンタサイクル借りて出発~

山形はレンタサイクルがあって、ほんとによかった・・なかったらこの距離感だと完全にアウトだった;

前日に日傘ささずにスマホでナビりながら片手で運転してたら、日光浴び過ぎて熱中症まがいになったので

さすがにこの日は日傘さしながら、ゆっくり目走行を心掛け、ナビは所々使うという方針に変更。

手が三本欲しい・・というか自転車につけるスマホスタンドを用意すればよかった。

 

 

霞城公園内にある山形市郷土館へやってきた。

三層楼のモダンな擬洋風建築は、明治11年に建てられた県立病院、済生館だった建物。

当時、山形の宮大工たちが300人がかりで7か月で完成させたのだそう。


  

昭和44年に取り壊しの危機を逃れ、2年5か月かけて現在の場所に移築復元されたという。
 
移築時には明治11年建築当時の工法で壁も床も仕上げなければならない仕事の困難さから身体をこわし入院する職人も出たとか・・
 
明治と昭和の宮大工の最高傑作といわれる。重要文化財
 
 

 

円形の回廊は14角形のドーナツ型をしていて、真ん中には石や木々を配した中庭に。
 
 
  

回廊には8つの部屋がつくられ、それぞれ診療室などに利用されている。

横浜にあるイギリス海軍病院を参考にしたのだとか。 
 
 
 
 
病院時代の部屋割。

 

 

現在、各部屋は展示室となっていて、撮影禁止。

廊下に面して、受付なのか?こんな小窓が付けられた部屋もあった。

 

 

アーチの欄間にはカラフルな色ガラスが入り、

 

 

そこから伸びる階段

 

 

この階段に誘われるように上っていくと、

 

 

2階から中3階へ上る螺旋階段のある階段室へつながっていた。

コンパクトでとても美しい階段だなあ。

 

 

階段には和風色の強い唐草模様の彫刻が入れられている。

下から見上げてもうっとり。

 

 

カトリック山形教会は創立は明治33年、

建物は大正末期に建てられ、平成22年に改装されたそうで

 

 

すっきりと明るい聖堂内。

 

 

祭壇にはキリストの貼り付いた十字架とステンドグラスの丸窓

 

 

特徴的な形の窓に淡い色のガラスが入ったステンドグラス。

 

 

 

 

出入口の色ガラスの入ったドア。

 

 

教会に隣接する司祭館。

 

   

フォトスタジオ高橋には

 

 

タイル貼りのショーウィンドウがあった。

 

 

 

  

ここの持ち送りのデザインが派手で素敵だなあ。

 

 

昭和4年建築、理容仲野。

 

 

山形聖ペテロ教会は明治42年にJ.ガーディナー設計により建てられたゴシック風の教会。

こちらは閉ざされていて、中へは入れなかった。

 

 

 

 

三浦産婦人科医院

天辺に塔の付いた病棟 

 

建築巡りは更に続く・・

 

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山形の旅2018【最上屋旅館】

2018-09-04 | 山形の旅2018

酒田での宿泊は大正15年建築の木造旅館、最上屋旅館でタイムスリッププランというのを予約していた。

大正15年の建築当時のままに残された、四畳半二間続きの部屋に泊まれるという。

 

 

雰囲気のある玄関には親せきの家から譲り受けたという蔵に使われてた格子戸が目を惹く。

 

 

階段下には重厚な金庫と船箪笥が。

 

 

 

 

船箪笥の金具の細工

北前船で栄えた酒田は船箪笥の産地としても知られていて、京都からの家具職人が出入りし、

他の生産地に比べて金具、錠前、漆塗の技術が傑出していたという。

 

 

建物には檜の柱、屋久杉の天井、廊下は松の一枚板など銘木がふんだんに使われている。

 

 

廊下に面する部屋の欄間には近江八景が描かれたすりガラスが入っていて、

これらは雪見障子に使われていたガラス戸をリサイクルしたものだそう。

館内のあちらこちらにはご主人が趣味で手に入れられたという建具などが建物にしっくり馴染んでた。

 

 

 

タイムスリッププランの部屋はこの細くて急な階段を上がり、屋根裏のような隠し部屋ぽいところにあるのだが、

冷暖房はついていない。それを承知で予約はしたのだけど、この日は36度とかなり暑い日だったので、

クーラーのお部屋も用意しておきましたので、そちらをおすすめしますと言われ、、

熱中症寸前だった私はさすがにクーラー部屋にすることに。

 

 

しかし、当初予約していた部屋も見てみたいので見せて頂いた。

 

 

こちらの部屋が当初宿泊予定だった大正15年建築当初のままのお部屋。

四畳半の部屋が二間続きで、こちらが机と座椅子が置かれた部屋、向こうが寝室となっていた。

 

 

自然木があしらわれた丸窓。

 

 

廊下に面する欄間の彫刻も凝っている。

鶴と松がモチーフ。

 

 

こちらも鶴と松

 

 

襖の向こうが寝室。高さの低い襖がかわいい。

 

 

こちらは亀がモチーフの欄間

 

 

同じく亀と竹

 

 

代わりに用意してもらったクーラーの付いたお部屋も船底天井に四方竹の床柱のあるお部屋だった。

熱中症による頭痛が治まるまでしばらくここでぐったり横になってた。

 

 

体調が戻ってきてから、館内散策・・

こちらの建具も玄関に取り付けられていた蔵の扉と対になっていて、親せきから譲り受けたものだそう。

安部という苗字が入っている錠前は龍がデザインされたもの。

 

 

こちらは虎があしらわれ、豪華絢爛な蔵の扉だ。 

 

 

 富士山に帆掛け船が表された欄間も後付けのもののよう。

素敵だなあ。

 

 

女子トイレの扉にも可愛い菊の花の透かし彫りがはめ込まれていた。

 

 

洗面所のレトロ照明。

 

  

トイレの個室内にはピンク色のモザイクタイルにアクセントに茶色のプリントタイルが入ったもの。

 

 

廊下にあった喫煙スぺ―スのところには、色違いのブルー系のタイル。

 

 

お風呂場横の洗面所にもかわいい細長モザイクが。

 

 

そして、ちらりとのぞかせてもらった男子トイレにもモザイクタイルが貼り巡らされてた。

 

 

 

 

男子トイレの欄間も可愛い。

 

 

 

 

あちらこちらに彫刻や透かし彫りの入った建具がたくさんあって楽しい

 

 

照明の根元の透かし彫りの細工が細かい。

よく見ると、松と竹を表わしているようだ。

 

 

昭和レトロなデザインの照明も。

 

  

翌朝の盛りだくさんな朝食!

おかずが多くてごはんがすすむ~

デザートのメロンがとても甘くて美味しくてうれしかった!

これで宿泊料は朝食付きで5000円ほど。

満足のお宿だった。

 

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山形の旅2018【酒田・清遠閣&本間氏別邸庭園他】

2018-09-03 | 山形の旅2018

山王くらぶを後にし、やって来た本間美術館の敷地内にある清遠閣と本間氏別邸庭園。

閉館40分ほど前になんとか滑り込み。

清遠閣は江戸時代後期に建てられた築200年以上になる京風木造建築。

北前船で財を成した豪商、本間家の別荘として建てられた。

築造のきっかけは、北前船で入港できなくなる冬期間の失業対策事業でもあったという。

 

 

明治末期の増築により、現在は2階建てになっている。

 

 

1階の上座敷から眺める庭園。

上座敷は藩主が領内巡回の際の休息所として使われたという。

真夏だからか扉が全て取り払われ、より庭との一体感が感じられる。

 

 

庭園には佐渡の赤玉石や伊予の青石、鞍馬石など、諸国の名石が置かれているとか。

それらの石は北前船によって、酒田から米を積んで出航した帰り船で運ばれてきたという。

船の安定を保つために船底に積んだもので、綿積石とも、海難を避ける海神石ともいわれたそう。

 

 

 

 

1階の座敷の一部は椅子式の喫茶室にもなっている。

 

 

和風の建物だけれども、おしゃれでモダンな照明がたくさんあった。

 

 

2階への階段の上がり口には梅の木を模した欄間が繊細でアールヌーヴォーのように美しい曲線を描いてる。

 

 

けやき造りの階段の腰壁は網代模様になっていて、

 

 

階段柱の柱頭にはこんな凝った装飾がされてた。

 

 

2階の広間は天皇陛下や皇族をお迎えするために造られたという。

 

 

こちらの部屋からも庭園の景色が見渡せて爽快。

部屋の真ん中にぽつんと一つ置かれていた椅子に座って庭園の美しい景色をしばし独り占め。

 

 

部屋の欄間もそれぞれ違っていてこだわりが見られた。

 

 

各部屋に付く照明も全てデザインが違ったものだった。

和風ぽい房飾りがついていたが、模様は洋風だった照明。

 

 

こちらは唐草模様な飾りと、周りの照明を吊り下げる金具が優雅でおしゃれ。

 

 

こちらも和洋折衷の雰囲気。 

 

 

2階には大広間の他に二間あり、こちらの部屋は洋間の雰囲気の造り付けの窓と一体となった棚が

デザイン性があって素敵だった。

 

 

階段状にデザインされた飾り棚。

 

 

 

 

3000坪あるという庭園側から見た清遠閣。 

 

 

庭園には太鼓橋や蓬莱島、八ッ橋、鳥居、様々な灯籠などが配されてる。

庭をぐるっと一回りして、

 

 

美術館新館の方へ。

入口扉の取っ手はやきものでできていて、きれいな織部釉がかかっていた。

 

 

玄関ホールの壁面に貼られてたタイルも風合いと重厚感たっぷり。

 

 

そしてこの日の最終スポット、山居倉庫へやって来た。

明治26年に建てられた米の保管倉庫で、現在も農業倉庫として使用されている。

土蔵造りの蔵が12棟並ぶ様子は圧巻。

 

  

けやきの並木は日除けや風除けの役目があるという。

米の品質を守るための自然を利用した低温管理行われるなどの工夫が見られる。

手前の11号、12号棟はお土産屋さんや食事処になっていて、この後お土産を物色。

 

 

倉庫を表側から

 

 

敷地内には東宮殿下行啓記念館があったが、閉ざされていた。

 

 

一日のノルマを大体果たして、夕飯には宿からも近くガイドブックにも載っていた「すしまる」で

宝石ちらしを食することに。

店主とお話をしながら機嫌よく食べていたのも束の間、

薄々痛かった頭痛が更に苦しくなってきて、普段なら即完食する自信のあるちらし寿司が半分から先がなかなか進まず・・

一日中レンタサイクルで走り回って来た私はどうやら熱中症気味になってるようだった。

残してはいけない、となんとか必死で平らげて、その日の宿の最上屋旅館へ向かったのだった;

 

 

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山形の旅2018【山王くらぶ他】

2018-08-31 | 山形の旅2018

光丘文庫から山王くらぶへやって来た。

江戸時代、酒田は北前船の寄港地として栄え、華やかな港町文化が形成され、

北前船の船主や商人たちが利用した料亭が数多く開業したという。

その中で、山王くらぶは当時酒田を代表する規模と格式を持った元料亭だったそう。

現在は酒田の料亭文化や歴史などを紹介する施設として公開されている。

 

 

明治28年に開業した山王くらぶ、当時は宇八樓といわれ、日本画家、竹久夢二も度々足を運んでいたとか。

 

 

各部屋の意匠は全て異なっていて、床の間や組子細工の建具など手の込んだ設えになっており、

それぞれテーマ毎に資料展示されている。

 

 

2階の大広間は仕切りを外すと106畳の大広間になる。

この日は花嫁衣裳展が行われていて、華やかな着物が飾られていた。

 

 

広間の一番奥の間は天井は格天井になり、床の間がしつらえられている。

 

 

変形床脇マドオサ障子といわれるもの。

 

 

 

 

 

 

 

1階の北前船の間

こちらの障子の桟の意匠は「変形上下猫魔障子」といわれ、とても珍しいものだとか。

 

 

 船箪笥は貨幣、帳面、往来手形、印鑑などの貴重品を入れて北前船に積み込まれた。

 

 

 酒田商人の間

 

 

船を曳く人の様子を表わした欄間の意匠。

 

 

寺社巡りの間の花頭窓。

 

 

 

 

投網がデザインされた組子細工が美しい書院欄間。

 

 

こちらの意匠は立互違い吹き寄せ障子とよばれる。

 

 

料亭の設えがされていたのは蔵の中にある隠し部屋。

外観は蔵になっているが、中は畳敷きで、床の間もある。密談などに用いられたそう。

 

 

天井が高く、上の方に、こんな凝った桟の障子が入れられていた。

 

 

こちらの仕切り戸の中は現在は喫茶室に。 

 

 

2階の傘福の間には傘福というつるし飾りが展示されている。

傘福は江戸時代から酒田に伝わるつるし飾りのひとつだそうで、子孫繁栄や子供の幸せを願って神社仏閣へ奉納されたものだそう。

 

 

着物の切れ端などで作られた吊るし飾りには人形や農作物、動植物までさまざまな種類があって、

それぞれに込められた意味があるという。

 

 

地元の方々が失われつつある吊るし飾りの伝承に努められていていろいろと説明してくださった。

 

 

日和山公園を出て、山王くらぶへ向かう途中、出会ったタイル物件。

ショーウィンドウらしきものの土台。

 

 

 

 

 

よく見ると、先が尖った細長いタイルの形がかわいい。

 

 

水玉?面格子。

  

 

ナイトスポット白ばらの看板の後ろの大判タイルがいい味わいだった。

 

 

隣の壁面のブルーのタイルも。

 

 

 

 

こちらも店先の玄関床に見た3Dタイル。

この後は閉館間際の本間美術館へダッシュ・・

 

 

 

 

 

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山形の旅2018【酒田・旧白崎医院他】

2018-08-30 | 山形の旅2018

鶴岡から酒田へ移動。

酒田ではまた駅前でレンタサイクル(無料)を借りて、出発。

この日、山形でも気温は36℃;朝から自転車で走り回っていたのでかなり体力は消耗してきているものの

好きなタイルと建物巡りの為、アドレナリンが出まくっていてそれほどの疲労感も感じないまま

この日の後半戦に突入。

 

 

大正13年に建てられたカトリック酒田教会。

門は閉ざされていて内部は見れず。

 

 

途中通りかかった魚屋さんのコンロ?がモザイクタイル貼りだった。

 

 

日和山公園内にある旧白崎医院へやって来た。

旧白崎医院は大正8年に建てられた木造洋風建築。

住宅付き、外科専門医院というのが珍しく貴重なものだそう。

 

昭和53年まで本町通りにあり、解体されることになったが、保存が検討され、現在の位置に移築保存されたという。

 

  

玄関を入ると、真っすぐ廊下が伸びていて、両側に薬局や待合室、診察室があり、

突き当りが手術室に。

 

 

こちらは待合室。

窓は洋風の上げ下げ窓だが、畳敷きになっている。

 

 

天井は細かい装飾の入ったティンパネルに。

ドイツ製ではないかとのこと。

 

  

突き当りの手術室は、床と腰壁はタイルに囲まれた真っ白な清潔感漂う空間。

簡易過ぎる?ベッドと、仰々しい雰囲気の照明がなんだかリアル・・

 

 

光量が相当ありそうな照明、手術室の天井もティンパネル。

 

  

 

 

陶器製の手洗いも二つ並んで設置されていた。

 

 

こちらは手術室の脇についていた消毒室。

 

 

そして2階へ。

 

 

2階は住居となっていて、洋風窓に畳敷きの、こちらは書斎。

 

 

ちょうど手術室の真上の部屋は1階の手術室の天井が高く取られているので、2階は天井低めで

物置として使われていたのだとか。

 

 

欄間のある二間続きの居間

 

 

階段の上がり口の天井のティンパネル。

 

 

玄関に置かれていた箱ぞりは医師の往診に使われていたものだとか。

この夏の暑さからは想像し難いけど、やはり冬の東北地方はそりを使うくらい雪深いところなんだなあ。 

 

 

こちらは玄関の照明。

 

 

玄関ポーチの持ち送りもスチール製で優雅なデザイン。

 

 

その後周辺の建物を散策。

4階建ての蔵のような塔のような不思議な建物は旧割烹はら、とネットで見たけど、

4階以外は窓も少なく、一体中がどうなっているのか?気になる・・

 

 

 

 

1階の壁面に目玉のような照明?!

 

 

裏手には非常階段の名残?!

 

 

そして、映画、おくりびとのロケにも使われたという旧割烹小幡。

昭和元年に建てられたという鉄筋3階建ての洋館と木造2階建ての和館が融合した建物。

 

 

雰囲気あり過ぎる洋館部分の玄関。

格子の入った木製の扉や控えめな漆喰装飾と照明

 

  

窓から中がうっすらと見えるけど、老朽化がすすんでいるため内部見学はできないようになったみたいで残念;

 

 

洋館の外壁はティンパネルで覆われてるようだった。

 

 

こちらは和館の入口。

 

 

光丘文庫は大正14年に、本間家の蔵書を中心に篤志家による数万点の蔵書の収蔵の為に建てられた図書館。

酒田初の鉄筋コンクリート造りの建物だそう。

玄関屋根は唐破風になっていて、図書館というよりお寺の雰囲気。

残念ながら現在は老朽化の為、蔵書は移設され、内部も見学できないようになってた。

 

町巡りは更に続く・・

 

 

 

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山形の旅2018【鶴岡の近代建築その二他】

2018-08-29 | 山形の旅2018

新茶屋を見学させて頂いた後、鶴岡の町巡り第二弾へ突入。

しかし1泊2日の強行軍なので、この日のうちに酒田へ移動し、酒田の見学も終え、

翌日朝には山形へ向けて出発しなければならない予定だった。

酒田への列車はそれほど本数もなく、最低でも2時前の電車には乗らなくては~

 

 

新茶屋の向かいにふと目に留まったお店。

長沢タイル店と書かれていたので、タイルにつられてふらふら近寄ると、

 

 

お店の壁面にかかれた店名はモザイクタイル。

 

 

文字と、周りの正方形の枠はチップタイル。

文字は濃紺のグラデーションで描かれてた。

 

 

タイル店なので、中にはタイルがあるのだろうか?

と、ちらりと覗くと、床面にはレトロな可愛いタイルが敷かれてた。

お店の方に声をかけて見せて頂く。

店名はタイル店となってたが、今はもうタイルは扱っておられないとのこと。

お酒の販売をされてるようだった。

 

 

奥まで見せて頂くと、奥の部屋への段差部分には、こんな長方形の小花模様の入った

渋いタイルがずらりと貼られてた。

素敵な取り合わせ。

 

 

その奥の部屋の床はこんなタイルが。

 

 

自転車を走らせやって来たのは重要文化財の旧鶴岡警察署庁舎。

明治17年に鶴岡の馬場町に建てられた木造二階建ての擬洋風建築。

昭和31年に新庁舎建設の為、取り壊される予定だったが、市民の要望で現在の位置に移築されたという。

ちょうど今年の6月に保存改修工事が完了したところで、修理前は白色だった壁面は建設当初の水色に復元されたのだそう。

 

 

改築されていた間取りや取調室の造りも元に戻されたそう。

が、ここは時間が押していたので内部はパス;

時間がないので・・というと受付の方が保存修理のパンフレットを下さり、その中で内部写真も見ることができた。

写真を見るかぎり内部はそれほど特徴的なものはなかった感じ・・

 

 

同じ敷地内にある旧西田川郡役所は明治14年に建てられた擬洋風建築。

旧鶴岡警察署庁舎を設計・施工したと同じ棟梁、名匠高橋兼吉が手掛けたという。

こちらは現在、考古学資料などの展示室になっている。

 

 

改修工事中だったようで、建物全体は見れなかったが、塔の部分だけ。

塔時計は国内最古のものだそう。

 

 

朝から朝食抜きで走り回っていたが、そろそろお昼ご飯を食べておこうと、

行きの新茶屋へ向かう途中に看板を見て気になってた限定20食?だったかのとりそぼろ弁当のお店へ。

養鶏場直営店の「ととこ」という小さなお店でとりそぼろ弁当500円(お味噌汁付き)を食べた。

鶏がらスープで炊かれたというご飯が美味しい!そぼろも美味しかった~

 

 

食後、更に散策は続く。

荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)はSANAA設計の建築で去年で完成したばかり。

独特な形状をしていて、中も見てみたい衝動に駆られたが、時間ないのでパス。

たぶん内部は見れなかったかも。

 

 

大寶館は大正4年に大正天皇の即位を記念して建てられた建物。

開館当初は、1階は物産陳列場と図書館、2階は大小の集会場と食堂があったそう。

昭和26年から60年まで図書館本館として利用され、その後保存修理を経て、現在は鶴岡ゆかりの人物資料展示施設として

一般公開されている。

 

 

無料でもあったのでちらりと覗いていく。

玄関ホールの照明の天井飾り。

 

 

両サイドにある階段。

 

 

2階展示室の天井飾り。

内部は改装されているので、当時のまま残されていたのは階段や天井飾りくらいだった。

 

 

そしてこちらは鶴岡聖公会。

昭和4年建築。素朴でこじんまりとした印象の教会だった。

 

 

こちらは常時開けておられないようで内部は見れず。

 

 

通りがかり、「みさパーマ」と消えかけの文字が見えた、元美容室かな?

 

 

割烹三浦屋の立派な建物。

昭和13年建築。

現在は所有者の方が住まわれているようだ。

 

 

 

 

レトロな理容院も見つけた。

前面ガラス張りのおしゃれな外観。

 

 

サインポールも味わいあるなあ。

 

 

更に同じ並びには美容院。

 

 

面格子と型板ガラスがいい感じ。

 

  

鶴岡銀座通りにあるエビスビルと書かれた建物は昭和初期に建てられた旧恵比寿屋本店小池薬局だった建物で、

現在は鶴岡飲料本町倉庫となっている。

この日はシャッターが下りていたが、観光資源として活用もされているそう。

 

  

アーケードの中側には鯛を抱えた恵比寿さんのレリーフが見られた。

 

 

向かいのアーケード内にあった手作り感のあるモザイクタイル床。

 

 

鶴岡まちなかキネマは昭和初期建築の絹織物工場をリノベーションした映画館だそう。

 

 

山形在住の作家による壁画、アニマルパレードがカラフルで可愛い。

 

 

映画館の入口はシンプルで工場っぽい雰囲気が残されてた。

地産地消をコンセプトにしたメニューのある飲食店も併設されているらしい。

 

 

建物前に敷かれてたタイル。

錆びたような赤茶けた色合いのものだった。

鶴岡での大体のノルマを果たし、そろそろ電車の移動時間になったのでダッシュで駅前まで戻ってレンタサイクル返却、

酒田行の電車に飛び乗った。

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