午前中に薫楽荘に池澤湯、栄玉亭とタイルチェックポイントを巡り、もうすでに一仕事も二仕事も終えた気分だったけど、
この日のメインイベントは12時半からのてくてく銭湯の一乃湯見学ツアー。
集合場所の上野駅へ急いだ。
上野駅から町歩きを開始。
先ほど歩いた通りを歩いていた時、スタッフの方に「タイルが好きで、見たい、」というような話をしていると、
このかぎや餅店には「マジョリカタイルがある」と、いきなりのサプライズ情報を教えてくれた。
ええっ!何ーーーっ!
さっきは時間もなく、お店が気になりつつも素通りしていたのだけど、
奥の厨房にマジョリカタイルがあると・・
外から見るとたしかにマジョリカ壁らしいものがある。
団体行動なので、今は見れないけど、後で銭湯タイムをブッチしてでも見にこようと思った。
そしてツアーはすぐそばの「むらい萬香園」へやって来た。
こちらでは店主の忍者トークを聞きつつ、忍者猫とふれあい、手裏剣体験も。
忍者猫は忍者の衣装を着ると固まってしまって、微動だにしなかった。
撮影慣れ?してるのか、かわいそうなくらい動かなくてちょっと心配になった;
こちらでは更に抹茶スィーツまで頂いたが、レモン風味の抹茶がさっぱりとして美味しかった。
こちらで少しフリータイムがあったので、失礼して、先ほどの
「かぎや餅店」へダッシュで行ってくることにした。
レトロなお菓子の瓶が並ぶ店内。
お土産のお菓子を購入しつつ、店主に、奥のマジョリカタイルを見せて頂きたい、
とお願いすると、
了解を得ることができた。
あの先にあるのがマジョリカタイル。
たしかに、外からはなかなか気づけない・・
これは教えてもらわないとわからなかったなあ。
そして近寄らせてもらって、間近で見たマジョリカタイル。
シンクで少し隠れた感じになっているけど、シンクの下の方は白地のタイルなので、
シンクを置いて見える部分だけマジョリカタイルが貼られたのかなあ。
こんな厨房の奥にマジョリカタイルが眠っているなんて・・
雷紋のボーダーマジョリカと共に本当にきれいに残っているなあ。
本当に、ツアー初っ端からこんなお宝スポットを教えてもらえるなんて、ラッキーだった。
「むらい萬香園」を出た後は一乃湯へ向かって町歩き。
BarBerヨネムラのいい感じのタイル貼りの建物。
縁取りがかわいい郵便受け。
後ほどツアーでも伺った北川牛乳の牛乳箱。
サビサビのトタンと面格子。
伊賀上野でよく見かけた型押しタイル。
そして一乃湯へ裏手からのアプローチ。
ご主人に出迎えて頂いた。
煙突は当初は26mあったものを短くされたそう。
まずはボイラー室からの見学。
建物は大正15年に建てられたもの。
石柱の門の上にはネオンサインで「一乃湯」
石畳のアプローチを進むと、唐破風屋根の玄関が現れる。
中へ入る前に、忘れないようチェックポイントのトイレのタイル。
緑と白の市松模様のタイルは目にも鮮やか。
そして玄関の中へ。
こちらはタイルっぽいけどフロアシート。
脱衣所。
窓の向こうには中庭が見える。
男湯と女湯の仕切りには虫食い風の欄間が
天井は折り上げ格天井に。
中庭との間のガラスには、赤、青、緑の色ガラスが入っていた。
懐かしさ漂うおかま型ドライヤーに体重計。
ちょっとした寛ぎのコーナーが設けられてる。
リビングみたいにゆったり。
浴室手前にはタイル貼りの洗面台が。
女湯は色違いでピンクのシンクだった。
浴室入口上部には透かし模様の入ったアーチに、真ん中は花模様のテラコッタのレリーフ。
入口床のタイル。
そして浴室へ。
床のヘキサゴンのタイルがお花模様のようで可愛い。
浴槽の中も花柄だー!
そして富士山を描いたタイル絵。
水風呂には、
鯉の滝登り?的なオブジェが目を惹く。
そしてライオンの吐水口。
モザイクタイルに囲まれたシャワーブースもあった。
下の方に地味に貼られてた可愛いタイル。
思う存分タイル写真が撮れてうれしかったー
見学の後はツアー続行。
後ほどゆっくり入浴させて頂くことに。
一乃湯の隣には一乃湯プラス(別館)があって、休息場などとして使われているそう。
中へ入ってみると、座敷への上がり口にマーブルタイルが残されていた。
モザイクタイル貼りのシンクも。
ディティールマニアのOさんが大いに反応していた岡波病院のフォント。
ほんとに病院ぽくないフォントだなあ。
この日は閉まってたけど、元旅館、九重旅館だった建物を利用したうどん屋さんもあった。
そしてツアーは北川牛乳店へやってきた。
ここでミルクジェラートのおやつ。
生クリームのような?不思議な食感のミルクジェラートは超美味だった。
この後は、茅町駅から忍者電車に乗って移動。
行きの駅でもみたけど、駅のあちこちには忍者が潜んでる。
ここにも。
そして電車はくノ一のラッピング
行きに乗った電車は青パターン。
そしてやって来たのは「中村こうじ店」
店の写真を失念・・中村こうじ店の犬。
こちらでは甘酒の試飲をさせてもらった。
グリーンタイルがきれいな家。
テラコッタのレリーフが貼られた家。
この家のタイルも変わった風合いのものだった。
この後は、一乃湯へ戻り、入浴した後、
忍者ちらしで懇親会。
蓋をあけると頭巾をかぶった忍者が現れ・・
忍者をどんでん返しの術?で皿にひっくり返すと、中から具沢山なちらし寿司が現れた。
面白いアイディア!そしてとても美味しかった。
名物の豆腐田楽も頂いた。
おやつもついた至れり尽くせりのツアー、マジョリカタイルのサプライズ付きでとっても楽しめた~
帰り道はOさんと一緒に、タイル探ししながら駅へ向かった。
伊賀上野はタイルだけでなく、コンクリート透かしブロックのバリエーションも豊富で、
飾り瓦も凝っていて、ディティールマニアにはたまらない町歩きの楽しい町だった。
薫楽荘でゆっくり見せて頂いた後、女将さんがお向かいの旧いとう旅館さんにもヘリテージカードをもらいに行っては?
と言ってくださったので、皆で伺った。
旧いとう旅館本館は明治後期に旭楼として建てられて、昭和33年に旅館に転業。
現在は旅館は閉められていて内部は非公開となっている。
お声をかけて、カードを頂き、玄関先を見せて頂けた。
同じく旧いとう旅館。
繊細な組子の欄間が美しい。
「伊藤」の名前が入った特注瓦。
他のお家でも名前の入った特注瓦をよく見かけた。
その後はお昼に栄玉亭で皆と待ち合わせることにして、一旦解散?!
行きに駅からダッシュで来たので、もう一度、通った気になる建物を見に行く。
桑町集議所&桑町ポンプ庫は洋風の建物。
こちらは後の町歩きでも再びやって来たが、旧銭湯の建物だそう。
スクラッチタイルの柱の上部には花の浮彫のテラコッタが貼られてる。
稲森商会の建物にはぽたぽたとシミが浮き上がったようなタイルがびっしり。
ぽたぽたタイル?シミタイル?いや、カビタイルか?!
とにかく独特な風合い・・
そして、閉まっているだろうけど外観だけでもと見にやってきた池澤湯。
ちょうど銭湯の前にやって来た時に、脇道から人影が・・
伺うと、池澤湯のご主人だったので、チャンスとばかり、中の見学をさせて頂けないか?頼んでみた。
うどん屋さんと兼業されてるご主人はこれからうどんの仕込みに行かなければいけない、と言われたので
無理だなあと思ったのだが・・
なんと、3分待ってくれたら、開けてくださるとのこと!
やったー!!
入口には富士山らしき絵が描かれたタイル絵。
浴室へ入ると、そこはタイルパラダイス。
五月に新たに描き直されたというペンキ絵は色鮮やか。男湯は赤富士
この右側のタイルが一番古いと言われてた。
他のタイルは少しずつ貼り替わっているそうだ。
腰掛部分は濃紺の丸モザイクタイルが貼られている。
そしてカランの下には、
かわいい玉石タイルがびっしり~
可愛い色合い。
そして、あちらこちらにタイル絵が描かれている。
タイル絵は昭和27年創業当時のものだそう。
金魚の絵がとってもリアル。
風景タイル画も。
そしてご主人が天井にも魚が泳ぐ。
と言われて、なんと浮かび上がってきたのは真っ白な天井にプロジェクターで映し出された魚たちの映像。
ご主人が考えられたアイディアだそうで、このプロジェクターを使って男湯と女湯の間でメッセージを送り合うこともできるという。
カップルの愛の告白にも使われたこともあるのだとか。
銭湯もいろいろと進化してるんだなあ。
脱衣所もレトロ。
脱衣所にある洗面台のシンクはモザイクタイル貼りに。
このタイル絵は外の壁に貼られていたもの。
どことなく洋風の佇まい。
お風呂屋創業当時はとても繁盛していて、順番待ちの行列ができていた話や、
この風呂屋の脇の小道はその昔は水路になっていて、先にある料亭からうなぎが何匹も流れてくるので
毎日のお昼ごはんはうな丼だったなどなど、池澤湯さん全盛期の頃の楽しいお話をいろいろ聞かせて頂くことができた。
お忙しいところ見学させて頂いてありがとうございました。