非国民通信

ノーモア・コイズミ

サイコパスでも立派な地位には就けます

2015-09-02 22:24:08 | 雇用・経済

パワハラで部下追い込み休養与えず 1等陸佐を懲戒処分(朝日新聞)

 陸上幕僚監部(東京都新宿区)は26日、精神的に追い込まれて長期の休養が必要だと診断された部下に休暇を与えず勤務させ続けたなどとして、1等陸佐(44)を停職5日の懲戒処分にしたと発表した。

 陸幕などによると、この1佐は約10人の部下がいたが、昨春の着任後、連日のように「バカ、ボケ」「目障りだ」などとののしったり机をけったりしていた。今年3月と5月、計2人が精神的に治療が必要だと申し出て、うち1人は「1カ月の休養が必要」とする診断書を出したが、1佐はいずれも上司にあたる別の1佐(46)に報告せず、2人に勤務を続けさせていた。

 また、定期的なアンケートで問題を知りながら指導を怠っていたとして、この上司も戒告処分とした。

 

 1等陸佐と言ったら陸士、陸曹、陸尉、2等3等の陸佐を従える相当に偉い人なわけです。これより上の階級となると将軍様ですから、停職5日の懲戒処分を食らった人も相当なエリートであると思われますが、自衛隊的には地位に相応しい人物という評価だったのでしょうかね。まぁ、部下2人を精神的に治療が必要な状態に追い込んでもなお停職5日で許されている辺り、やはり自衛隊内部では必要とされている人間なのだと推測されます。尚この報道ですと「精神的に追い込んだこと」ではなく「勤務させ続けたこと」の方が問題視されているように見えるのですけれど、自衛隊的には前者はあまり問題ではない!?

 「強さとは我儘を押し通す力」だと、あるマンガのキャラクターが言っていました。実際のところ自衛隊に限らず日本の組織における類もまた然りで、「リーダーシップとは我儘を押し通す力」と言えるでしょうか。部下や同僚を恫喝して自分の言うことに従わせる能力が高い人、マウンティングに熱心な人は、大体の組織において「コイツに部下を率いさせてみたい」と選ぶ側の人間に思わせるもののようです(この辺は選挙でも似たようなところがありますかね)。

 まぁ、自衛隊の偉い人や職場の上司に限らず、首長や大臣クラスでも暴言を吐くことで喝采を浴びて支持を集めているような類はいくらでもいます。そういう人を肯定的に評価するのが、我々の社会なのです。人前で他人を罵倒して責任を押しつけるぐらいのことができないと、なかなか出世を重ねることなどできないのでしょう。非がない相手でも負かしてしまうような、無理を通す力が改革者として求められているのだと思います。

 過去には女性よりも男性から寄せられたDVに関する相談件数が多かったなんてことがありまして、早とちりしたミソジニスト連中がアレコレ騒ぎ立てたなんてこともあったわけです。しかるに、その相談内容はと言えば「妻を殴ってしまうのを止めたい」という類が専らであったとか。自制心の欠如という病に自覚がある人も多いのでしょう。ちょっと打たれ出すとすぐに冷静さを失ってしまうことに悩んで精神科のカウンセリングを受けていたという野球選手もいました。この種の「治療されるべきもの」もまた、あると言うことです。

 ……で、日本的な組織で必要とされている云々はさておき「どっちが病気か」と聞かれれば、「長期の休養が必要だと診断された部下」よりも、日常的に人を罵ったり机を蹴り飛ばすような上司の方だと答えます。それは確かに社会で認められるため、偉くなるために必要な資質ではあったかも知れませんが、人間として正常ではありませんよ、と。

 とはいえ、誰かを罵倒せずにはいられないですとか、机や椅子を蹴り飛ばす程度のことでサイコパスと診断していたら、要職や有望株が軒並み空席になってしまう組織も少なくないでしょう(それはそれで仕事の効率が上がりそうではありますけれど)。現代は、鈍くさいとか人付き合いが悪いとか気が利かないとか、そういう類も一種の障害のカテゴリに組み込まれつつあるようですが、障害として扱われるか否かは社会的要請に大きく左右されるのだなと思います。社会の求める資質が違えば、この1等陸佐(44)が障害者として時給200円で働かされていたなんて可能性もあり得たはず、そうならないどころか高い地位に就いていたのは、部下を追い込むような能力が必要とされている組織あるいは社会であったから、ですね。

 

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