非国民通信

ノーモア・コイズミ

「全国最低の暮らし」の設計――。

2006-11-06 00:04:25 | ニュース

夕張市、再建へ「全国最低」迫られる 職員給与、補助…

「総務省が言うのは、とにかく全国の最低レベルで行けということ。病院を診療所にするとか、給料を最低にとか、学校を最小にするとか」

 これもまたひどいニュースです。そりゃまあ夕張市の財政運営に問題があって、そんな自治体を投票で支持してきた人にも問題がないわけではないのでしょうが、この仕打ちはあまりにもひどい。

「今の生活保護は本当に最低のところまで落ちないと受けられないんです。まぁ、僕はアルコール依存症だから、受ける権利はあるんですけど、奥さんがいたらまずい。奥さんが働けっていわれますから。それに、小さいけど家を持ってるんで、家を売れるでしょっていわれちゃうんですよ」(吾妻ひでお『うつうつひでお日記』)

 生活保護と自治体への助成金では違うところもあるでしょうが、色々と事情があって経済的に困窮する人々のためにセーフティネットを用意するのも国の役目のはずです。夕張市の場合、市政を動かしていた幹部が困窮するだけならまだいいですが、病院を減らす、学校を減らす、「敬老行事費補助の333万円や障害児保育補助の22万円など、今年度で1億500万円の削減を9月に決めた。来年度からは高齢者のバス料金の補助などもやめる。」どうして市民がここまで責めを負わされねばならないのか疑問です。

返済が必要な赤字額は300億円近くにのぼる見通し。市の自由に使える財源規模約45億円の6.7倍

 これだけ見ればひどい財政ですが、国の財政はもっとひどいです。国の税収から地方交付分を引いた収入が約30億円、そして国債総額が約600兆円、財源規模の20倍に相当します。これと比べれば夕張市の財政も大したことはないのかも?

最大の課題は人件費の削減。総務省は給与カット幅の上限が28%と最大級の島根県海士(あま)町の例をあげ、これを上回る給与カットを求めた。

 まぁちょっと待って欲しいですね、ここまでする必要があるのでしょうか? 日本が米軍に上納している「思いやり予算」は2006年度で2326億円です。ここを12%カットすれば、夕張市の負債300億円は捻出できます。給与を28%以上カット、医療や教育などの行政サービスをカットする前に、米軍への思いやりを12%カットしましょう。そうすれば夕張市民が幸せになります。ま、米軍は困るかもしれませんが、12%くらいなら何とかなる、というよりアメリカの軍人は日本ではなくアメリカから給料をもらってください。アメリカは日本の財政支援を受けなければならないほど貧しい国ではないはずですよね?

 1隻1200億円のイージス艦の購入を止める、という手もあります。政府の人間は誰も知らないようですが、世の中には「米百俵の精神」という言葉があります。

小林虎三郎は、分配しても一人当たりいくらにもならないこの百俵を元にして学校を建てることが、戦後の長岡を立て直す一番確かな道だと説いた。そして、反対する藩士らを説得し、米を売り、その代金を国漢学校の書籍や用具の購入に充てたのである。

 配備してもタカ派がハァハァ興奮するだけのイージス艦の購入を控え、その購入費用の4分の1を充てて、病院や学校の縮小を留めることが、夕張市を立て直す一番確かな道だと説いてやる必要がありそうです。もうこの際、反対するタカ派を説得してイージス艦を返品してその代金を福祉や教育に充てましょうよ。

 ちなみに、破綻したりそな銀行に注入された公的資金の総額は1兆9600億円です。特定の民間企業にこれだけの金が出せるのですから、特定の自治体に300億円、一気に注入してやったところで不公平でもなんでもない、ですよね。


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