非国民通信

ノーモア・コイズミ

一部では反発も、恐らく結果は

2013-07-07 12:20:20 | 政治・国際

 さて参院選が日に日に近づいてきました。自民党はワタミ会長を比例の候補として擁立、一部では結構な反発を呼んでもいます。もっともネット上で批判が盛り上がったところで実社会への影響はそれほどでもない――という、お決まりの構図がこの場合も繰り返されそうな気がしないでもありません。しかし、いつからワタミはこうも有名になったのでしょうか。ワタミ会長が民主党の候補として東京都知事選に出馬したときは、今ほどの反発はなかったように記憶しています。まぁ連合を筆頭にコアな民主党支持層は党に絶対の忠誠を誓っているようですから、党の決定ならワタミも大歓迎なのかも知れません。それに比べればネット上で湧いている自民党支持層の方がまだしも、批判精神があるのでしょう。

 

公的年金運用益、最高の11兆円=株高・円安が追い風-2012年度(時事通信)

 国民年金と厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2日、2012年度の運用益が11兆2222億円と比較可能な01年度以降で最高(従来は09年度の9兆1850億円)となったと発表した。運用利回りは10.23%と11年度の2.32%から大幅に改善した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の影響などで株高と円安が進み、国内外の株式運用益が膨らんだ。

 運用益の主な内訳を見ると、国内株式が3兆3314億円(11年度は1754億円)、円安で円換算額が増えた外国株式が3兆7620億円(同619億円)とそれぞれ大幅に増加。外国債券も1兆8218億円(同4516億円)と好調で、財投債を除く国内債券は2兆1263億円(同1兆6891億円)だった。

 

 ……で、株高と円安が追い風になって年金基金の運用益が激増、過去最高益を記録したことが伝えられています。株価が上がれば、普通はそうなるものですよね。選挙が近づいていることもあって、やれアベノミクスで庶民の生活が苦しくなった、アベノミクスで得をしているのは一部の富裕層だけだみたいに説く人も頑張っているわけです。でも本当にそうなのかな、と私などは思います。ドル建てでゲームを購入することが多いだけに支出が少しばかり増えたりもしていますけれど、むしろ今までの1ドル80円体制が異常だっただけで、それを基準にするのもどうかという気もしますし。

 年金の運用益が劇的に増えた、その結果は「庶民」にとってどうなのでしょう。株価上昇の恩恵を得られるのは一部の人に限られると野党勢は主張しますが、年金財源の大幅な改善は富裕層「ではない」人にとってこそ少なからず重要な意味を持っていると考えられるわけです。元より年金制度は経済成長と持続的な物価上昇を前提に設計されているだけに、それが低成長とデフレに安住されては遠からず破綻してしまいます。年金を筆頭にした社会保障の財源を重んじる、すなわち福祉を重要視するのであれば、昨今の経済情勢の好転は歓迎すべきものなのではないでしょうか。

 「景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう」とは小泉純一郎の言葉ですが、これほど日本における「構造改革」の精神を端的に表したものはないように思います。そして年金制度も然り、財源の枯渇という脅しを梃子に「抜本的改革」という名の切り下げを迫る勢力もまた存在するわけです。しかるに2012年度のような運用益の大幅増が続けば、そうも言っていられなくなります。「改革派」にとっての追い風であるデフレ不況が安倍内閣によって幕を引かれてしまう――そこに反発している人もまたいるはずです。一方で不況を理由に「改革」を迫る政党や政治家に批判的な人々もまた、この「改革」の必然性を吹き飛ばす「アベノミクス」の成果にネガティヴだったりするわけで、これこそが日本の政治における「ねじれ」であるような気がしてなりません。年金財源を安定化の方向に進めてくれる政策は、庶民にとっても決して悪くない政策であり、良い部分は認めるべきだと思うのですけれどね。

 

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