さて、今年もとうとう7月になりました。今月は選挙の月です。参議院選挙を控えて、ある意味では楽しみでもあり、ある意味では厭わしくもあります。
4月に統一地方選挙があったわけですが、この時期なぜかgoogle検索で当「非国民通信」のトップページがヒットしなくなりました。一体どうして・・・と思っていたものの、選挙が終わって1週間ほどで元通りになったといいますか、ちゃんとトップページが検索でヒットするように戻ったことがあります。たまたまgoogleが検索エンジンの見直しでもしていたのだと思いますが、今回の選挙期間はどうでしょうか? 一度目は単なる偶然と考えますが、同じことが二度起こったら、それは偶然ではありませんから。
選挙を前に気分が晴れないのは、google云々の問題でも、また明日から仕事が始まるからでも、選挙の結果に今ひとつ希望がもてないからでもありません。そうではなく、この選挙の期間が私達にとっての対立の期間、自民党政治に異を唱える人々の対立の期間でもあるからです。
日頃は主張の重なることも多い、お互いに賛同できる立場にいる人たち、同じ問題意識を共有している人たちがいて、そんな人たちは目的を同じくするという意味で「同志」であると言えるわけですが、その同志との関係に、とりわけ選挙期間はヒビが入りやすかったりもします。目的は同じでも、その目的のための手段が違う、手段は違っても目的が同じならば同志ではないかと言いたいところですが、中には目的を忘れて手段ばかりを追い求める人もいるわけで、選挙を前にすると手段が目的化する傾向は一層強まります。そうして目的を同じくする同志が手段の違いによって対立する、それも今までの通例だったわけです。
諸々の口実の元に、選挙日が一週間先送りされました。喉元過ぎれば熱さを忘れるお国柄、松岡大臣の疑惑を残したままの自殺や解決の目処が立たない年金問題など、内閣への不信に繋がる出来事が相次いでいる中で、たとえ1週間でも選挙を先送りすれば負のイメージを薄められるかもしれないと考えたのかもしれません。しかるに昨日の久間防衛相の「しょうがない」発言でまたもや批判が続出、外面を取り繕うのに成功しているとはとうてい言えない状況です。自民党政治という戦後レジームを崩壊させるには頃合いなのかもしれませんね。
そこで出てくるのは選挙に勝つこと。選挙に勝つ、自民党を大敗に追い込むこと、これが話題に上ります。もちろん選挙に勝つというのは目的を達成するための手段として最も妥当なものですが、時にこの手段のために奔走するあまり、当初の目的を見失って暴走している人を目にすることもあります。
中には、自らが推薦する候補を絶対視して一切の批判から耳を背ける人もいます。東京都知事選の時は特にこの傾向が強かったわけでもあります。誹謗中傷はともかく、真っ当な批判も一切受け付けず、逆に批判には「利敵行為だ!」とばかりに恫喝し始める有様、そんなやり口では自民党政府や石原慎太郎と同じではないかと、私には嘆かわしく感じられてならなかったものです。
あるいは、目的は一致しなくとも手段が一致する人と手を結びたがる人もいます。どういう社会を目指しているか、それが一致しないのに、どの政党、どの候補に投票を呼びかけているか、それが一致することの方を重視する人もいるわけです。例えば反自民を掲げているつながりを重視するあまり、人種差別主義者にまで共闘を呼びかけるような人もいます。その一方で、どういう社会を目指しているのか、それが共有できているにもかかわらず、投票行動の違いから攻撃に走る人、政策ではなく投票行動ばかりを訴える人も出てきます。
小選挙区制という選挙制度の問題もありますが、選挙という意思表示の場で、自分の日頃の主張に最も近い候補を避けて、別の候補に入れるとしたらいかがなものでしょうか? ましてや、その別の候補が単に「勝てそうな」候補であるというだけが理由で、その政治的主張が全く相反するものであったとしたら? どの候補、どの政党に投票すべきか、それを語るつもりはありません。その代わりに問いかけたいのは、選挙に勝つことは目的ではなく手段であるということ、そして選挙に勝つことによって成し遂げたい目的は何か? それが例えば護憲であるならば、護憲そのものが目的なのか、それとも護憲という手段によって成し遂げたい目的があるのではないか、その辺りを思い起こして欲しいのです。目先の手段ではなく、一番最初に思い描いていた目的を念頭に置いて、それを共有できる候補、政党はどれが最も近いのか、その辺を念頭に置いて投票していただければ、私から言うことは何もありません。
せめて一度(3年間ほど)でいいから選んだ政権で暮らせたらどんなに心穏やかに毎日が送れるでしょう?
そんなに法外な要求をしてるわけじゃないんだけどなあ・・・・・
いやむしろほんとうにつつましいもんですよ。
もうとうにあきらめた、と封印したはずなんだけど・・・・・・
どうしたものか非常に迷っています。前者でしょうがないのかなあ。
地域によっては共産党系の候補が強いところもあります。一概に死に票になるとは限りませんし、どの候補に投票しても負ければ死に票です。ご自分の政治的立場に最も近い主張の候補に投票しましょう。