非国民通信

ノーモア・コイズミ

流行の病

2014-09-03 21:09:26 | 社会

デング熱:重症化は1〜5%程度(毎日新聞)

 デング熱の国内感染確認は69年ぶりだが、専門家は過去にも感染者が出ていた可能性が高いとみる。海外で感染して国内で発症する例が年200件ほどある一方、発生国への渡航歴のない患者に対してデング熱の検査はしないのが一般的だったからだ。

 

 デング熱に関する報道が増えていますね。新たに発見される患者数も増加が続いており、この記事も私が書いている時点と実際に読まれる頃とでは患者数も異なっているであろうことが予測されます。まぁ、ちょっと前の新型インフルエンザ騒動の縮小版みたいな結果に終わりそうな印象もありますが、どうなのでしょう。2009年に豚由来と疑われた新型インフルエンザが見つかったときには随分な騒ぎともなりましたけれど、結局のところ稀に見るインフルエンザによる死亡者の少ない年、という結果が残りました。国民が挙ってインフルエンザ感染予防に努めた結果、普通の季節性インフルエンザにかかる人が激減したようで、まぁ結果オーライなのかも知れません。

 なお私は毎年インフルエンザの予防接種を受けているのですが、2009年だけはどこの医療機関も「品切れ」のためワクチン接種を受けることができませんでした。ちょっと困ったな、と思ったものですけれど、幸いにしてその年もインフルエンザに罹患することはありませんでした。周りにインフルエンザ感染者がいなかったことが良かったのでしょうか。自分は予防接種を受けていなくても他の人が接種済でインフルエンザにかかっていなければ感染も広がらないですからね。ワクチン接種は自分を守るためでもありますが、自分が媒介として感染を拡大させない、社会に損害を与えないためのマナーのようなものとも言えます。

 

69年ぶり感染のデング熱…患者はまだいる? 自衛手段は「蚊に刺されないこと」(産経新聞)

 一方の厚労省も、ここ数年、デング熱の輸入症例が年間250人近く出ていることを重くみて、簡易検査用のキットを医療機関に配布するなどして警戒を強めていた。国と医療機関の準備が奏功し、国内での69年ぶりの感染に対応できたというわけだ。

■「隠れた患者」がいる可能性も?

 ただ、デング熱の国内感染については、感染症に詳しい医師の間では以前から「起きても不思議ではない」との指摘があった。昨年8月には、日本を旅行したドイツ人が帰国後にデング熱を発症し、日本での感染が疑われたこともあった。

 都内の医師は「海外からの帰国後に体調を崩したなら医師はデング熱などの海外の感染症を疑う。しかし、そうでない場合は疑わない。疑わなければ検査はせず、病名は分からないままだ」として、隠れた患者がいるのではないかと指摘する。

 

 こちらの記事でも示唆されているところですが、デング熱の感染者が今後も発見される可能性は高そうです。朝日新聞や東京新聞が煽り立てている福島の甲状腺癌(の疑い)と同じで、通常は疑いもしないし検査もしない類でも、いざ社会的な関心が高まって検査を受ける人が激増すれば、それは当然のことながら「発掘」される患者数も増えるものです。おそらくは新型インフルエンザの時もそうであったように、患者の数は調査が進めば進むほど増えていくことでしょう。それが既存の――ニュースバリューに乏しく新聞やテレビを賑わすことのない――疾患と比べて影響の小さいものに止まるとしても、しばらく報道は過熱するものと思われます。

 

徳田虎雄氏を起訴猶予、難病ALSを考慮(読売新聞)

 2012年衆院選を巡る医療グループ徳洲会の公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部は1日、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている同会前理事長の徳田虎雄氏(76)を不起訴(起訴猶予)とした。

 特捜部は虎雄氏を事件の首謀者として捜査したが、ALSで言葉と体が不自由なため、最終的に刑事責任を問うのは困難と判断した。

 一連の事件では、虎雄氏の次男・徳田毅前衆院議員(43)(2月に議員辞職)の選挙運動で運動員買収を行ったなどとして、親族ら10人が同法違反で起訴された。特捜部は虎雄氏について、選挙運動を統括した「総括主宰者」だったと判断。ただ、ALSで公判への出廷が困難なことなどから、昨年12月にいったん捜査をやめる「中止処分」としていた。

 

 ちなみにデング熱と共に急激に知名度を高めている病気としては、このALSが挙げられます(こちらは患者の発見によってではなく、ネタ企画を通して意図的に認知度を引き上げようとしてきた結果ですが)。ネタ的な行為を通じて寄付を集めPRを計ろうとする運動としては、日本でも「おっぱい募金」とかありますけれど、ALSのアイス・バケツ・チャレンジは世界規模で流行ったわけです。中には次なる挑戦者を指名したけれども無視されて悲しい思いをする人が出たとか、識者ぶりたがる人々が持ち前のスノビズムを発揮してアイス・バケツ・チャレンジに噛みついたりとか、まぁ色々あるにせよ概ね成功していると言えるでしょうか。私は、この企画の流行を知っておそらくは日本で最も有名なALS患者であろう徳洲会の前理事長を思い出したものです。選挙違反が発覚した当時と今とで、首謀者を起訴できない理由がALSと聞いた時に理解できるものが多少なりとも違っているのなら、アイス・バケツ・チャレンジは意味があったと思いますね。

 

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